2012年3月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年5月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年5月号、発売されました。表紙は『Aチャンネル』ですね。4人揃って、それぞれのイメージカラーの桜の花が輪になってデザインとしてあしらわれてる。綺麗な表紙ですね。散る桜の花びらは普通、桜色に色付いて、そこにピンク、オレンジ、緑、青の桜の輪。面白いですね。テーマは桜なのでしょう、新連載やゲストの告知や単行本の案内なども桜の花の中。春で、けれどいつもどおりの春ではない。そんな新しい季節を感じさせる表紙に思います。しかし、娘4人、ほんと綺麗。ナギちゃんがよいなあ。ユー子さん、正統派だなあ。ほんと、綺麗です。

けいおん!』は、空回りの梓でありますね。なんとしても学園祭ライブを成功させるぞ。その意気やよし! なんですが、どうしても先輩の時より、みたいな力みがあって、もしかしたらひとり向いてる方向が違ってたのかも知れないね。そんなことに気付いていく過程、よかったです。憂と純ちゃんは部をお休み。部長と1年生だけで、いや先生いたか、過ごすことで、彼女らに近づいていく。上へ上へ、もっともっと、ではなく、今の私たち、あなたたちと私でいこう、そんな風に変わっていく。とてもよかったです。しかし、直さん、素晴しいな。この人、美人ですよね。いや、眼鏡びいきでいってるんじゃないよ? コミカルで、どちらかというと落ち担当で、でもちょっとの表情にはっとさせる、そんな輝きを見せてくれる、そんな娘だと思います。そんな彼女らが愛おしい、そう感じる気持ちを梓が代弁した、そんな回だったと思うのですね。

ラッキー・ブレイク』、面白いですよ。プレゼンの結果を待つ陸。それを邪魔する、っていうかいけずなデイちゃんが可愛いんだかムカつくんだか。いや、けどわかります。ここまであからさまにするかどうかは別として、能力才能がものをいう世界。後からきたのに追い越されるなんて、それこそ当たり前、わかってても、やっぱり思うところはあるんでしょうね。嫉妬や悔しさ、そうしたネガティブな感情がネガティブなものとしてきちんと描かれるのは、なんだか悪くないなと思ったんですよ。そして描写は後先にプレゼンの当日に戻りまして、なるほど、これはうまいですよ。なるほど、あの時のあの女、あのできごとがこうして意味を持って表れてくるっていうんだ。ちゃこのデザインを盗んだ、それが提出されていた。なので、いわば陸とちゃこのコンペともいえるプレゼンとなってしまって、ピンチを工夫で乗り切る陸、このあたりはストーリー的なアクセントだと思う。それよりも、やっぱり先輩ふたりの気持ち。その鬱屈、これがぐっと話に重み、生きた感覚を生みだす要素として効いていました。ほんと、わかりあえた、仲良くなれた、けれどたやすくない。面白い、面白いです。

『ぱわーおぶすまいる。』は、観久、ええとみるくが可愛いなあ。いや、眼鏡びいきじゃないよ? もちろんスレンダーびいきでもないよ? いや、しかし、宗馬、どえらいもててるなあ。景佑、環に白い目で見られるのもわかる気がします。みるくはパーカー、あれが一番可愛かったです。

『デジろぐ』、ゲストです。らいか、素子、渡彩、この三人が写真を撮ります、そんな話ですね。可愛い娘たち。らいかはとにかく初心者で、パパのカメラ、一眼レフを借りてきた。って、それ銀塩なんだ。パパも、そのへんちゃんと説明してやれよ、みたいに思いますが、まあいいや。フィルムのノスタルジー、みたいなのあるのかな? って思ったけど、そういう話ではありません。いや、けど実際、今の若い人は、フィルムなんてわからないかも知れないなあ。ずっと前ですけど、視聴覚室でCDやレコードを貸し出ししてたことあるんですが、その頃の若い人ですでにレコードの聴き方を知らなかった(なので貸し出すのが怖ろしかった)。今回のらいかは、そういう恐怖心をおこさせてくれましたね。あの、機材大切にしろといってぎゅううとやった素子、あんたを応援したい! そんな気分。いや、ちょっとらいか、アホすぎやしないか? 『デジろぐ』というタイトルの「ろぐ」っていうのは、アナログのログなんでしょうね。あの、最後の現像してというプロセス、その待ち時間がアクセントになってたの、よかったと思います。ああ、最後につまんないつっこみで申し訳ないけど、素子さん、一眼レフのズームはレンズを回すのじゃよ。

『ここめ不定点』、竹本泉の新作です。面白いな。見た目ちんまい15歳、麦畑小米が主人公。高等部在籍の彼女は、学校にとび級のシステムがあると知って喜ぶんですが、とび級とび級って実際聞かれてみたら面白くないとかね、いやもうこれ面白かった。登場人物、小米、おこめって呼ばれるんですが、彼女の他に武東ゆかり、そして部長三園三々加、この人は本当のとび級で、本当は初等部の5年生。こうした面々でのコメディ、面白そう、すでに面白い。期待しちゃいますね。

『スマイルショット』、ゲストですね。3回目、かな。今回はコンテスト出品の写真を撮る、その直前追い込みとなりまして、締め切りは明日。撮った写真は五百ほど。けど納得いくものがないっていうんですね。テーマは人物、それで先輩をいろいろ撮ろう、そんな感じなんですが、被写体のこと、もっと好きにならないと、いや、これ実際大切かと思います。好き、それは踏み込む気持ちに繋る、そう思う。もっとよい面を、もっと違った面を、注意深く見つめ探しながら、その対象をよりよく表現できるよう、ぐっと踏み込んで撮る、その礎になる気持ち、それは好きだと思います。その後、ちょっとテクニックについても語られるけど、それらは瑣末ごとだと思う。実際、その好きは、その人たちのもっともその人たちらしい瞬間をおさえる、そうした結果に繋って、うん、いい写真もの漫画だと思いました。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第5号(2012年5月号)

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