2012年3月15日木曜日

おーがちゃん

 『おーがちゃん』はよくわからない漫画ですよね。女子高生ももえが出会った鬼、それがおーがちゃん。小さくて可愛くて、そうかと思えば、人を食うとか征服するとか、やたら物騒なこといっていて、けれど実際その行動見てみれば、むしろ大人しいくらい。ちょっとももえにセクハラっぽいことする程度で、基本甘えてる、むしろ鬼とは思えないいい子で、ももえの作るご飯、というかナポリタンというべきなのかな、それにすっかりまいってしまって、ももえを嫁にするなんていってるんですね。

しかし、なにが面白いのか、それをはっきりさせようと思うと、はてどういったものか、ちょっと悩む、そんな感じの漫画です。実際、最初のうちは鬼に関することわざネタとか、あとはおーがちゃん可愛いとか、そういうのがメインなのかな、みたいに思いながら読んでたんですが、しだいに描かれること増えてきた感じで、基本的にはナンセンスな、その瞬間に盛り上がって面白いが基本なのですが、キャラクターが増えたこともあって、その面白さの幅も広がっていくんですね。

人のレギュラーは、ももえといぬきですね。鬼のレギュラーはおーがちゃんにジャッキー、そしてはーちゃん。どの子もあんまり怖くない。むしろジャッキーは弱々しいといってもいいくらいで、青鬼で泣き虫……、ってやっぱりそういうことなのかな? けど青鬼ながら角は一本、赤鬼というおーがちゃんが二本角であります。しかし、このあまり怖くない鬼ふたりが開く会議、これがなかなかにおどろおどろしくって、とそう思っていたら、次第におかしくなっていって、やっぱりこの漫画は面白おかしい、それでよいのだと思わされます。

時に、えらいこと面白いネタが飛び出してくることもあって、鬼たち、娘たちが可愛いねえと思って読んでたら、えらいことになるんです。私にとって、その代表といえるようなのは、ジャッキーのそばの、あれですね。いぬきのいうおもいっきり音食べてたべろ!! これに対するジャッキーの行動、もう何度読んでも面白い。意外性あって面白く、また絵に感じられる面白さ、それもかなりのもので、こういう油断ならないものがあるから目が離せず、なのに読めばついつい油断してしまう、そんなところがよくできているんですね。

  • コンノトヒロ『おーがちゃん』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

引用

  • コンノトヒロ『おーがちゃん』第1巻 (東京:芳文社,2012年),47頁。

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