2023年3月16日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年5月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。花見を楽しむ後藤ひとりと廣井きくり。なのですが、廣井、アニメと違って原作デザインはよりヤバく、より殺伐と危険度高めでありますな! 手にするは清酒おにころの瓶! 目は完全にキマってしまっていて、そんな廣井と普通に花見してるぼっちもなかなかの強者と思わされます。しかしぼっち、いつもの壊れた感じはなく、曖昧ながらも笑顔見せてくれている。この花見、ぼっちにとってもいい花見みたいですね。

今月は新規ゲストが5本です。

『さうのあっ!』

高校一年、その長髪で風呂が三日に一回はよろしくないな! 人づきあい苦手そう、風呂も苦手で、あらゆるものを放り投げてでもネットやゲームを優先したい。そんな影山こかげが不思議な音に誘われてふらりと立ち寄った風呂屋の裏手で見た情景。一心不乱に薪割りをする外国人女性との出会いがすべてを変えてしまった!

フィンランドからきたというリューディア・アラヤ。こかげを風呂好きと勘違いして、しかもおととい以来入ってないと聞いてこれはなにか事情があるのだろうと早とちりして、こかげの話も聞かぬまま銭湯にと手をひいていってしまったんですね。

かくして急遽リューディアと風呂に入ることとなったこかげ。公衆浴場の利用しかたを学びつつ、念入りに体を洗い、さらには髪も洗ってからの入浴。こういう一緒に湯を利用する人のことちゃんと考えられるこかげ、立派だ! そして湯につかった後は、リューディアおすすめのサウナ! サウノアっていうのはフィンランド語での発音なのかな? ともあれはじめてのサウナにフラフラになりつつも、その魅力を知ったこかげ。これからは銭湯にも足繁く通うことに……、ならなさそうではあるんですけど、まさかここで出会ったリューディアがこかげのクラスの転校生!

ああ、これは今後もリューディアに手をひかれて銭湯にいくことになりそうですね。

『すーぱーがーる』

ヒーローとかそういう類の漫画かな? と思ったら、違った! スーパーマーケットで働く人たちの話だった!

従業員みやとひかり。ふたりは極端に対照的で、ことあるごとにサボろう、作業を仕事を減らそうと画策するみやに対し、ワーカホリックを通り越して病的なまでの仕事への執着を見せるひかり。今日もサボりのみやに対し、休みなのにサービス出勤とやら決めこんでいるひかり。しっかりみやにツッコまれてますが、これに関しては残念ながらみやの言い分の方が正しい!

仕事に対する姿勢としてはあまり褒められたもんじゃないみやですけど、度を過ぎた仕事人間ひかりに比べればよっぽどまともで、むしろ働きたくないでござると常に思っている自分みたいな人間にとっては、みやへの好感、共感の方がずっと強かったんですね。

そんなみやの、最後に見せた仕事ぶり。怠けてるばかりじゃなく、やるべきことをきっちり押さえてそつなくこなす、要領よく、無理なく仕事をできる人だったりするみたいですよ。そんなみやの気づかい? 放っておくと取り憑かれたように仕事し続けるひかりをストップさせるための秘策! ああ、みやさん、この人はデキる人だ! 一発でそう思わせてくれたあのやり口。いやはや、見事でありました。

『しのの日和』

目覚めたら幽霊になっていた主人公。名前もなにも思い出せない。制服姿から学生だったのかな? 今いる場所も学校の図書室、ということはこの学校の生徒だったのかな? いろいろ生前のヒントになりそうな要素はあるものの、まったくその来歴などはわからないときているんですね。

そんな彼女の前に現れたもうひとりの幽霊。ゆき。旧図書室を縄張りにしてるというのですが、お、ということは幽霊の縄張りバトルの勃発か!? と思わせて、むしろ親身にいろいろ助言してくれるいい人でした。主人公の記憶を掘り起こそうとその魂に触れてみてくれたりして、けれどわかったのは名前だけ? しのという名前だったようですが、ゆきはしののと呼ぶようになって、かくして主人公はしののとなったのでした!

幽霊としてこの世に残ったふたり。特にふたりとも未練があるわけでもない、むしろなんで幽霊になったのかもわかっていない。そんなあやふやな状況だけれど、一緒に自分たちってなんなのか、いろいろやって試して知って、気づいていく、そんな漫画になるのかも知れません。

初回は登場人物の紹介、シチュエーションの提示といったところ。けれど、こういう漫画は回を重ねるほどに面白くなりそうと思わされて、ということはつまり、これから先のふたりのいろいろ、見たいなと思ったりしたのでした。

『きららまんが道』

漫画家を目指す星森章子。高校では漫画研究部に入部して、日々研鑽を積んでいるというのですが、絵は結構描けるものの、絵が描けると漫画で表現できるというのは随分違うという現実的な壁にぶつかっているようで、いやほんと、これは実際よくある話なんでしょうね。絵が描けるに越したことはないけれど、絵だけ描けても駄目だっていうの。表現というのは本当に難しいものだと思わされます。

そんな章子が、先輩の藤子藤代と一緒に経験したのが狐メイドコンカフェ。コンカフェのコンで狐モチーフ追加なのかな? というのは置いておいて、漫画家は何事も経験が大事という藤代のセリフに、つい最近ネットでも話題になっていた、作家は自分が経験したことしか描けないというのを思い出したりしましてね、時期的にこれは偶然でしょうけどタイムリーなネタになったなあと思ったりしたのでした。

狐メイドコンカフェでの章子と藤代。はじめての経験に慣れないながらも、好きな漫画の話題という自分の得意分野に引き込んでのコミュニケーション。どうしても漫画への興味が先に立ってしまうふたりですが、それでもここでの経験は漫画を描く、表現し伝えるということに一歩踏み込むためのいい刺激を与えてくれたようです。

これでめでたしめでたしと思いきや、現実はなかなか厳しいというラスト。意気込みだけでは描けないというの見せてくれたの、これが面白かったです。この漫画、ちょっとシビアな要素があるの、それがいい味になっていますよね。

『ドキドキ☆かみちゃま1年生』

高校生、優斗ぴあのもとにやってきた創世神リエート。成績が奮わないので、修行のため下界に落とされてしまったという、ちょっと困った神様なのですが、実際その素行を見るに成績がかんばしくないのも納得できるというか、ぴあの家でやってることといったら、お菓子食べて漫画読んで、自堕落な生活ですか? あまり修行というようなことはできていないように見えますね!

さて、そんなリエートがぴあの悩みを解決に導きます。ぴあの友達、南都華なるが数日前から疎遠になりました。突然無視されるようになったというその理由を探るべくリエートがいろいろ調べてくれるのですが、なるほどなるいわく、ぴあが約束を破ったから怒っているのですね。でも、これは破壊神がぴあに仕掛けた策略のため。それをぴあは知らず、リエートも気づかずにいる。ちょっと悪い状況なのではなくって!?

ともあれ、ぴあとなるの仲直りに尽力するリエート。紆余曲折はあったけど、ふたりちゃんと仲直りできた? と思わせて、リエートのうっかりでなるをさらに怒らせてしまって、ふたりの不仲は確定的に!?

なるに対し相当な好意を抱いているぴあにとっては一大事。怒ると神さえも滅しかねない荒ぶりかたするんだ! しかし今はまだ破壊神の介入に気づいていないぴあにリエート。これ、まずはなるとの仲を裂こうとする存在に気づくところからはじめないといけませんね。第2話ではちゃんと気づけるといいですね。

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