2023年3月12日日曜日

『まんがタイムきらら』2023年4月号

 『まんがタイムきらら』2023年4月号、一昨日の続きです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

文化祭にてファッション部が開催するファッションショーに出てほしい。そう頼まれて咲姫が迷っているんです。自分なんかじゃモデルなんてつとまらない。また目立つこと自体が嫌。背が高いからといろいろ期待されて、それでがっかりされてきた経験が、この子を引っ込み思案にしてしまったというんですね。

そんな咲姫に真摯に答えようとするすずめがよかった。ヤンキー時代のすずめが咲姫に送った言葉。それがここにきてふたたび咲姫に伝えられる。すずめから、そしてファッション部の紡木から、少しずつ変奏を加えながら繰り返されるフレーズのようにして、咲姫へと届けられ、ついには響いたというのですね。

ついに決断した咲姫。やると決まったら、もうしっかりと前を向いて、ふっきれたその表情、素晴しかった。そして紡木の作った衣装とはいかなるものなのか! それは次回、文化祭はファッションショーのランウェイにて! 咲姫の活躍する姿に、乞うご期待でありますね。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

衣良が語る真夜との思い出。ゲームづくりに打ち込む真夜が、しかしだんだんに学校に出てこなくなり、そしてそのままお別れを迎えてしまったという悲しい過去。ああ、やっぱり魔女様、真夜はこの世から去っていたのですね。

あまりにその経験がつらかったために、彼女とのつながり、ゲームにまつわるものを処分した衣良。こうした経緯でこのゲームショップにそれらが持ち込まれることとなり、かくしてエルたちの元の世界であるあのゲームディスクもましろたちのもとにもたらされることとなったのですね。

つらい思い出に、そして自分たちの作ったゲームが引き起こしていることに苦しみを覚える衣良。そんな時にサキュバスがいうんですよ、魔女が口にしたイラという名前。ここにきて、魔女の真相がはっきりとしてきて、ということはこの世を去った真夜は、このゲームディスクを通じゲーム世界でずっとゲーム世界を作り続けていたというのですか。

物語はいよいよ佳境でしょうか。異変を前に、自分たちの世界に未来がないことを知らされるエルたち。でも、たとえそうでも決して諦めようとしないエル。そして再び起動されるゲームディスク。現れるのは魔女か、あるいは真夜か。これから起こることが、衣良の悲しみを癒し、そしてエルたちの未来を切り開くきっかけになってくれればいいと願っています。

『ほぐして、癒衣さん。』

まあ、めずらしくなくって!? 今回はカワちゃんが出てこない! 大学時代の友人たちと鍋などつつきながら親交を深める予定が、参加できたのが癒衣と富美子のふたりだけ。このシチュエーションに劣情を抱く富美子。いや、言動がアレなとこあったくらいで、基本しみじみしあわせを噛みしめてるだけで無害なんですけど、ほんと、癒衣への片想い、報われることのなかった富美子にとってのボーナスステージ。なにかしら実りがあるといいですね! いや、ほんと、ちょっと富美子のこと応援してるのですよ。

今回回想された、大学時分のこと。まだ成人していない癒衣に酒を飲ませようとする悪い連中から癒衣を救い出した富美子ですよ! ああ、かっこいい。内気な癒衣とは対照的に、しっかりとして、世慣れして、そんな富美子が素敵だった。そこからふたり、だんだんと親密の度合いを深めていく様子など描かれましてね、この果てに今のふたりの関係、富美子の片想いがあるっていうわけなのですね。

今日のこの日のしあわせな時間。これが富美子にとってのチャンスとなるのかどうなのか。いろいろ今後に期待などしちゃってる富美子ですけれど、最後の最後にとどめ刺されてノックアウトされちゃって、ああ、やっぱり不憫だ富美子さん! ほんと、全然むくわれない! 恋情というものはかくもままならないものなのでありますなあ。

0 件のコメント: