『まんがタイムきららフォワード』2023年5月号、昨日の続きです。
『アネモネは熱を帯びる』
宇田と凛理とのデートの様子が描かれます。のっけからやたらと緊張している宇田ですよ。ああ、これはなにか悪い方向に働いたりしちゃうのではないか!? 不安を感じたりもしながらも、凛理と落ちあってからは興奮が緊張に勝るのか、とりあえずは大丈夫そうですね。いや、張り切ってるのは変わらない。それからちょっと空回り気味! 凛理を楽しませるべくいろいろ調べてきたというのですが、ちょこちょこしくじっては自己嫌悪に陥りそうになったりと、感情もろもろが忙しい宇田ちゃんです。
けれど水族館での凛理の様子などね、苦手はありつつも充分に楽しんでいるようで、これはよかったのでは? 実際ふたりの様子、雰囲気もたいへんによい感じで、ふたりで一緒にキーホルダーを買うところとかね、すごくしあわせそうな宇田の笑顔に、よかったねと思わないではおられませんでした。
それだけに、最後の観覧車でのこと。観覧車に緊張する凛理の隣に座ったところまではよかったのに、そこからの会話、凛理から聞かされる好きな人のこと。宇田は明るさの中に嬉しい気持ちも切ない思いも全部隠してしまって、凛理のことをただただ応援しようとつとめる。そのいじらしさに、胸苦しさ覚えるような心持ちになったのでした。
ええ、宇田ちゃん、切ないですね。報われない恋なのか。たとえそうだとしても、凛理の恋の破れることなど願えるわけもなく。ええ、切ないのです。
『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』
熱波師として鍛錬を積んできたスラー一世一代のロウリュイベントがはじまります。
スライムとしての特性を生かしつつ、ただタオルで扇ぎ熱を送るだけではなくなっているスラーのロウリュ。細やかなコントロール、気配りを欠かさないその姿勢には余裕さえ感じさせられて、こうして利用者ひとりひとりとコミュニケーションをとりながらサウナの場をしっかりまとめていけるようになったの、本当、修行の成果ですよね。こうしたところに感じられるスラーの成長、と思ったら、ここからさらにもう一段あがっていくところ、実によかったです。
サウナの熱さにまいることなく、たっぷりの水分を補給しその先のステージに向かおうとする心意気。ああ、この子は本当に熱波師としてだけでなく、スラーその人としてもひとまわり大きく成長したんだ、ひとつの山を越えたんだと強く感じさせてくれる名場面だったと思います。
そしてスラーの熱意にあてられたのでしょう、ルナもやる気を奮いましたよ。ここ異世界サウナにて従業員として働くことを決めて、かくして制服を着用したルナの姿。これからどんな活躍をしてくれるのだろう。その働きに期待ですね。
『花唄メモワール』
大正時代にて、幼ない頃の曾祖母イネと出会った梅。藤野に懐くその様子を見れば、これから藤野の身に起こることにどれほどのショックを受けるだろうか。そう思えばこそ、梅の活躍に望みを託すばかりなのでありますが、それはそうと、時代を行き来している梅のこと、知るのは梅ひとりではなく、このイネもまた令和の世においては事情をしっかり把握していますよね。ということは、やっぱりこの大正の世にて必要になる知識、技能を梅に教え込んでいたイネの思惑。それは梅が困らないようにということでもあるけれど、やはり最終目的は大好きな藤野の運命を変えることなのでは?
いろいろ状況もわかってきた今回。梅のもとに戻ってきた梅花をあしらった髪留め。その由来が判明。曾祖母、イネから貰ったものというのですが、そのもともとの持ち主はイネの母。イネを産んで亡くなった母の形見だったというのですね。
イネが壊してしまった大切な形見。それを女将にいいだすことができず、ずっと胸のうちにしまっていた。さらには嘘までついてしまっていて、けれどそれを藤野たちが一芝居打ってくれて、そして梅もイネの背を押すことで、女将に正直に話すことができた。
母の形見である髪留めを、後に梅に贈ったのは、この大正の世で梅が身につけていたことを知っているから? アイスクリームが好きなのも、この時のことがあったから? 後に宿に残る記録を見て、トンカツのことなど、自分の見知らぬことへも対応できるよう仕込んだ?
ええ、今回のできごとには、この物語を理解するための大切な情報が詰まっていたと感じたのでした。
『追風のジン』
かつてグレンたちとともに天叢雲を結成したフブキの口から語られた過去の事実。自分たちの身に宿る力のこと。妖怪を退治するために錬磨し、天叢雲を結成したこと。そして妖怪の大将、百夜丸に迫ったこと。
そしてこの戦いの顛末。
裏切り者として伝えられるグレンの真実。本当に裏切ったものが誰だったのか。なぜグレンが裏切りものの汚名を着ることとなったのか、すべてが語られてそして物語は、これ、終幕に向かっていますよね?
ジンが、ココロが探し求めていた答が全部ここに揃いました。カエデの復活をかなえんがために、百夜丸を蘇らせようとするフブキ。そのためには風魔結晶と、そしてココロの血が必要となる。ついに正体を現したフブキ。
いよいよフブキとの対決がはじまる!?
本当、この戦いで終わらなかったらおかしな邪推してごめんなさい! でもほんと、唐突のクライマックス感。フブキの思惑が通るか、ジンたちが阻止するか。戦いの行方に注目です。
- 『まんがタイムきららフォワード』第17巻第5号(2023年5月号)
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