『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号、先日の続きです。
『魔法使いロゼの佐渡ライフ』
ロゼに迫る月渚。ロゼの本当の名を知る月渚は、その秘密をもってロゼになにを求めようというのか。というところで、まさか状況逆転!? 佐渡を滅ぼさないでほしいと懇願してきて、もとの世界でのロゼって、そんな悪辣なイメージだったのか! あ、いや、確かにそうでした。酷い誤解といっていいのか、稀代の大悪人、危険な黒髪の魔女として腫れ物にさわるように距離を置かれていましたね。
月渚のロゼに対するイメージも、まさしくその誤解そのもので、きっと佐渡を滅ぼすに違いない。そうなる未来を怖れていたのですね。
けれどこうして誤解とわかり、月渚とロゼ、来歴については今後も秘密ということで落ち着きそうです。しかし、ロゼの心境について月渚が共感を得るくだり、この世界にきて髪の色を奇異に見られたことから理解するといった展開はとてもよかった。そして佐渡にやってきた経緯。なんかすごくあっさりとしたものではあったのですが、もとの世界での生きづらさ。それが転移のきっかけとなっている!?
月渚についての心配はこれにて終了。ということで、佐渡の盛り上げ企画、そちらに話は移っていって、結果的に金山でのイベント案は却下されたのですが、子供たちとの会話がヒントとなって代わりの案が出た! はたしてそれはどのようなものなのか、それは次回の楽しみとして、この企画が通って、それが佐渡を盛り上げることとなったらきっと面白くなりますね。
『追風のジン』
フブキとの対決、決着を見ましたね。
ジンの回想にて語られた、母フウカとのかつての会話。フウカが思いを寄せた男が過ちを犯してしまった。それを自身の胸に秘め、かといって自らその男のもとに赴くこともできなくて、といった母の心情に、自分からその役目を代わって担うと買って出たのがジンだったんですね。
その男、フブキとの決着直前に交わされた言葉の数々。そこにはジンの連載当初からの担ってきた役割、配達人としての矜持が表されて、これは渾身のセリフであったのだろうなあ、と思うと、この連載が次回で終わってしまうことを残念に思ってしまいます。誰かの思いを預かり、それを届ける。そのジンの立ち位置はブレずにずっと同じくあったということ。誰かの思いを自らのそれのように大切に扱う彼の共感性。そこにこの物語の根幹があったと感じています。
先にもいいましたように、次号最終回。語られるべきことは語られた。だとしたら、次回に描かれることはなんであるのか。静かにその時を待とうと思います。
『巴マミの平凡な日常』
巴マミ、禁断の変身出勤! 二日酔いからの寝坊、通勤に1時間かかるのに起きたのが始業20分前という大ピンチを変身という禁じ手で解決。これをきっかけに、連日だらだら変身出勤するのが当たり前になってしまったというのですが、それが引き起こす悲劇!
ええ、ある意味、この世界の巴マミらしい落ち。大変よかったと思います。
途中、なにがおかしかったって、マミの部屋を訪れたキュゥべえの野郎がですよ、無闇な私用での変身を咎めるのかなと思ったら、全然そんなことなかった! というか、むしろ魔女化を期待していて、そうだ、そういえばキュゥべえってそういうやつだった。忘れてましたよ、からのフリマアプリで売買されるグリーフシードという魔法少女業界の闇が明かされて、いやもうこの緩さよ、ナンセンスさよ。シリアスさや悲愴感が吹っ飛んでる、そのあっけらかんとした開き直りに笑わされました。
今回の変身出勤の話。リモートワークに慣れてしまうと普通に通勤ができなくなるみたいな話だなと思いながら読んでいました。実際、変身して10分通勤とかできるようになったら、電車なんか乗ってられませんわね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第17巻第7号(2023年7月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿