『まんがタイムきららフォワード』2022年4月号、発売されました。表紙は『球詠』。珠姫に後ろから抱きついている詠深。ふたりの仲のよさがうかがえる、そんな表紙であります。詠深の満面の笑顔、対し珠姫は穏やかな微笑みで詠深に応えて、どのような会話がなされているのでしょうか。他愛もないことかも知れない。けれど、彼女らの今の時間、それを彩り、楽しいものとさせる、そんなおしゃべりを思わせます。交わされる言葉の意味内容以上に価値のある瞬間を切り抜いた、そんなイラストです。
今月は新規ゲストが2本です。
『Meタイトル』
イラストレーターの春が引きあわせてもらったのは、同じくイラストレーターのユキ。ユキの絵と出会ったことがきっかけで、春はイラストレーターを志すこととなった。そんな憧れの存在を前にしてテンションあげているんですね。
ユキの家を訪れて深まる交流。最初はしぶしぶだったユキも、だんだんと春を受け入れていって、自分の画材で絵を描いてみるよう春を誘ってみるんです。アナログの技法を体験する春の様子、その楽しそうにしている姿を見て、なぜかと問いかけるユキ。ユキは絵を描く楽しさを見失ってしまっていたというのですか。おそらくふたりの担当編集者であるアキ、彼女がふたりをあわせようと思ったのは、ユキに絵を描きはじめた頃の気持ちを取り戻してほしかったからなのでしょう。
生き生きと絵に向かう春を見て、ユキにも思うところがあったみたいです。絵を描く楽しさ、面白さを取り戻せたかはわからないけれど、またなにか新しいことを見つけてみようと思う。ユキが自分の未来に、なにかしら希望に似たものを取り戻したことをうかがえるラストでした。
『Milky*Cherry』
誰ともつきあう気がないと公言している男の子。両親がいない彼には、妹が独り立ちするまで面倒を見る責任がある。恋愛とかにかまけている余裕はないというのですね。
ところがやけにモテる彼。複数の女子からアタックされて、主人公である花梨もそのひとり。複数の女子と連帯してアプローチすることになったのですが、花梨はどうにも照れくさい。頑張っていろいろやってみるんですが、うまくいきそうで、でもなかなかピタッとははまらない、そんなもどかしさにやきもきする、そんな様子が続くんですね。
彼の妹、雫。兄にべったりのこの子もなんと、争奪戦に参加するひとり。血の繋っていない妹とわかる終盤。またもライバルが増えてピンチだというのですが、はたしてこれ、誰がどれくらい有利なんでしょうね。
いわゆるハーレムものに近い構図。けれど男子側ではなく女子視点で描かれることで、一般のハーレムものとはまた違う感覚、展開や心の動きなどが期待できそうですね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第16巻第4号(2022年4月号)
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