『まんがタイムきららMAX』2022年4月号、昨日の続きです。
『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』
なんと、クラスに桔香への憧れを抱く女子が出現してしまいました。手芸クラブの鮫島冬子さん。あやとりしながら歩いてたら人にぶつかって倒れそうになったところを、すかさず桔香ちゃんが支えて救ってくれた。これがまあ見事に恋に落ちたといいましょうか。桔香ちゃんと仲よくなりたい、そのためには僕になることも辞さない。なんとも純な思いがあったものです。
鮫島さん、無口なんですね。基本はあやとりしてる擬音のコネコネ、感情が現れた時の擬音、まうっ。なんとも独特な子です。でもって、肝心なことはあやとりで伝える? あのハートを作るの凄いよね。あらまあ、ほんとに一目惚れなんだ。このハートのあやとりを桔香と交換しあいたい。って、それが愛情表現!? わからん、わかりにくいよ! 独特すぎる!
でもここからめちゃくちゃ難航するの、さもありなんってところですが、本当に面白くて、手芸クラブのリーダー吉田美咲や副リーダー、セタちゃんが手伝ってくれるんですが、手紙作戦ではセタは果たし状みたいになっちゃうし、そして普通の子に見えていた美咲、この子のヤバい側面がだんだん明らかになっていく終盤など、本当にこの漫画には変わった子しかいない! すごいパワーでした。
しかし、美咲の思い詰め力と桔香の誤解、そしてはからずも桔香を横取りすることになってしまったことで友情に亀裂!? この誰ひとり思うようにいってない波乱の展開。いやもう、ほんと、なんでこんなことになったんでしょうね。
『瑠東さんには敵いません!』
瑠東の生徒会で見せている顔は落ち着きのあるしっかりもの。マイペースな上級生、高永瀬良の世話を焼いたりと大活躍しているのですが、なんとまあ、この瀬良さんに和村にしか見せない隠された瑠東の真の顔、見られてしまったというのですよ。
優等生モードからの転換、即和村に甘えに入る瑠東を凝視する瀬良ですよ。驚いた、ぽつりと口にした一言に激震が走る! そこからの和村に向けられる興味。ぐいぐいいく系なんだ、瀬良さんって。いや、わりと面倒くさがりというか、それが抑え気味の表情とあいまって、クールな美少女って雰囲気になってるのに、意外や感情過多でいらっしゃる? ああそうか、この人も表向きと内実にギャップ抱えてる人っぽいな。和村ちゃんにはそういう人をひきつける、そんななにかがあるのかも知れませんね。
しかし、和村がここまで初対面の瀬良を虜にしようとは思いもしない展開でした。かつて母親しか読みとれなかった瀬良の表情、それを和村はこともなげに理解してくれて、喜びにうちふるえる瀬良ですよ。どれだけ嬉しかったのだろう。そこからの和村への接近具合。たまらんものがありますね。そして加えて、この接近が呼び覚ます瑠東渾身の嫉妬心!
いやもう、なかなかにいいものが見られたように思います。瀬良のマンボウリュックも最高です。
『ななどなどなど』
千葉県のD・Mさんに私はいいたい。小町ちゃんはいつだって可愛かったですよ!
そんな可愛い小町ちゃんの立ち直りから揺るぎない決意を見せるにいたるまでの一連の出来事。そこには小町がこれまで関わりを得て、そして影響しされてきた人たちとの繋がりがあって、ああ、これは小町の総決算なのかも知れません。
小学校時分に家来扱いされていたこのみも、素直でないながら小町がふたたび立ち上がれるよう元気づけてくれて、ああいい子だよね、この子。このみが怒ってるのは、家来扱いされたからというより、むしろ小町が自分のこと忘れてたりないがしろにしたりすることへの反発でしょう。本当は小町と対等の友達になりたいんだろうな、このみ。小町が、そしてこのみも素直に自分の気持ちを口にすることができるようになったら、このふたりの関係もまた違ったものになるのではないか、そんなこと考えたりしてしまうんですよね。ええ、ふたりには仲よくなってほしいのです。
そして、ななどと小町のピンチに動いてくれた萌とるる。ああ、茶々が詰められておる……。萌の圧、これ茶々にとっては人生初レベル激詰めってやつなのでは? しかしここで萌たちが説得するだけでなく、当の小町自身が自分の思っていること、自分のなしたいと願っていること、それを明確に口にして、ああ、この子、成長しましたよ。クラスの出し物、ライブも成功させる。けれどななど、友達も助けたい。
ええ、いい感じに欲張ってきましたね。そうなんですよ、もともとからこのふたつ、相反するようなことじゃあなかったんですよ。こちらを立てればあちらが立たずではなく、別に両方立ててもなんら問題なかった。そのどちらにも手を伸ばそうとする小町。クラスのことも大切に、一緒に歌と踊りの練習をしてきた仲間も大切に、そしてななども大切にしようとする小町の心意気。素晴しかったと思います。
しかしクラスでの小町のポジション、違ってきましたね。だんだんに受け入れられてきた。これは小町がクラスのために動ける、そうした姿を見せてきた結果なんでしょうね。そしていよいよライブの幕が上がる。成否やいかに。そしてムスっとしている茶々、この子の感情の行方やいかに。
いや、茶々も茶々なんですよ。この子もこのみと一緒で、小町にかまってほしい、お姉様に愛されたい、その気持ちでいっぱいなのに、それを表に出せないでいる。そのこじれた感情の解決に向かうこと、なによりも願いたいところです。
ああ、そうそう。小町ちゃんの装着、最高だったと思います。1/4くらいのフィギュアになったらきっと買ってしまう、そんな愛らしさに溢れていました。
- 『まんがタイムきららMAX』第19巻第3号(2022年4月号)
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