2022年2月13日日曜日

『まんがタイムきらら』2022年3月号

 『まんがタイムきらら』2022年3月号、一昨日の続きです。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

なんとまあ、勇者様でも体が鈍るのですね。こちらの世界にやってきて以来、冒険も戦闘もそうそう発生しないというのに、食べものばかりはおいしくて、あれもこれもと感動しながら食べてたら、太った!? アジリティ低下! ゆゆしき事態となりました。

それでアスレチックにいくのがいいですね。自然の中、アスレチックフィールドに向かって、いざ挑戦。そうしたら、エル、見事に鈍っていて、ぐらぐら揺れる吊り橋で落っこちそうになる始末。でも、それぞれマイペースにアトラクションをクリアして、そして最後に石窯でピザを焼こうなんて誘惑。あらがえずに挑戦しちゃうエルに注がれるアレッタの冷たい視線がたまりませんでした。

石窯ピザ体験、メインは薪割りなんですね。手斧でもって薪を割る。そこで発揮されるセリの技量。もとの世界では、これといった特質もない村娘だった彼女だけど、こう生活に関わるスキルとなると冒険者の皆よりも優れているのかな? そう思っていたら、突然現れたカチカチモンスター相手にも、セリの斧が見事に有効打加えて、おお、武器相性と武器固有スキルの合わせ技!? と思ったら、なんか違うーっ!?

村娘セリ、新たな能力に開眼? これ、なぜ彼女がこの世界にくることになったのか、その根幹にも関わる展開かも知れませんね。たまたまではなく、くるべくして選ばれてやってきた、そんな理由がついに判明するのかも知れません。

『ぎんしお少々』

コンテストに応募する写真を選ぶのに、せつなにも手伝ってもらうことにしました。っていうのはいいんだけど、まさかの全ボツ提案。いや、まあ、そうだよなあ。これと狙った写真が撮れないトイカメラと期限切れフィルムのマリアージュ。面白い写真、意図しない味わい、そいうのにはいいんですけど、技術とか意図とか構図とか描写力とか、そういうの考えるとやっぱり厳しかったのかなあ。

けど、この一連の流れの果てに、かなめとせつな、ふたりの過去の思い出が浮き上がってくるの、意外な展開で、けれど意外なだけに、まさかここからなんだ! 驚きつつも、よかった、そう思えたのでした。

しかしね、せつなの出したキーワード、青写真でえっちなの想像しちゃうかなめ、面白かったな。連想したの、ブルーフィルムね? で、せつなのいう青写真ってなんだろう、日光写真? と思ったら、あー、ほんとにそれなんだ。

英語教室で半年一緒だったかなめとせつな、5歳の時の思い出を、かなめひとりが覚えていて、せつなは忘れてしまっていたという思い出を、青写真の記憶とともに思い出していく。その時撮った写真は、なにを撮ったものかさっぱりわからないものだったのだけど、楽しかったという思い出だけは確かに残っていて、その「わたしの思い出」、他の誰かに伝わるかどうかもわからない、けれど「私の」写真に写された私の思いの記録。ついにこの漫画で描かれようとしているテーマが言語化された、そう思った瞬間でした。

前回の内容、フォトコンテストに選ばれたことで逆に写真から離れてしまったもゆるの姉、まほろ。かわりに彼女が偏愛することになったトイカメラ、その思いに同じものがここに語られている。もゆるも同じか、そしてせつなもその思いをふいに理解してしまったか。ああ、この漫画に描かれている彼女らの、写真に対するスタンス。それがより明確になっていっている。

そしてこの気持ちはわかるように思う。というのも、私も写真を撮っていた時、日常のなんでもないものを撮っていた時、そのままにしていたら気づかないままに流れていってしまう毎日を、なにかしらのかたちで残したい。誰に見せるでも、どこに発表するでもない、すごく私的な視野の切り取り。見たもの、感じたことのスナップショット。それをただ記録したく思いカメラを手にしたんだった。

もしその時の思いが、彼女らの写真に向ける気持ちと似ているのなら、なんだか嬉しく思います。なにか共感するものがあるように思われて、こうした写真の向きあい方をする人いるんだ、そんな思いに息をつくような感じを覚えたのでした。

My Private D☆V

『妖こそ怪異戸籍課へ』の漫画担当、柴朗です。

D☆Vポイントはすごく納得のいくもの、「ごはん食べてる子がすきです。」

なるほど! 饗子の魅力の所以、ここに明らかになったように思われました。

とはいうものの、今回ここに描かれた子は饗子とはまた違い、なんでももりもりといった風ではないんですね。お昼ごはん、母の作ったおべんとうをちょこんと座って食べている子。そんなに食が太いようではないんですが、小食というわけでもない、そんな感じでしょうか。で、ほうれん草が好きじゃないんですね!

こうした好き嫌いにも個性みたいの見えますよね。で、この子は嫌いといいながらも、我慢して食べるタイプみたい。こういうとこもD☆Vポイントなのかな? なんて思われて、食べているところのみならず、食に対する向きあい方、その姿勢にもまた魅力は通うのでしょう。

自分は、のりたまっぽいふりかけみたいなディテールが好きです。

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