iTunse Music Storeで使えるフリーソングコードを、思いもかけず九曲分もいただけまして、こうなると途端に困ってしまうのが私というやつなのです。だってね、どれをダウンロードしたものか……、と迷ってしまう。たくさんあって迷うのなら救いがあります。優先度を自分で決めて、上から選んでいけばいいだけの話ですから。ですが、そうじゃないのですよ。ないのです。これというものがない! いや、ないんじゃない。聴きたい曲はある。でも、それをiTMSで買おうとなると踏みとどまってしまう。例えば、THE TIMERSの『デイ・ドリーム・ビリーバー』。いやあ、ずっと欲しいと思ってたんだ、とか思いながらダウンロードできない。サディスティック・ミカ・バンドの『タイムマシンにおねがい』に関しても同様。こんなとき、自分がオールド・タイプ・リスナーであるということ痛感させられます。
オールド・タイプ・リスナー? いったいこれなにかというと、円盤に重力を縛られた古いタイプのリスナーですね。データで音楽を購入することよりも、音盤で所有することを好むタイプであるということです。音楽は曲単位で聴かれるようになった、アルバムの時代は終わったんだ、iTunesのパーティシャッフル体験がそう教えてくれたよ、だなんて口ではうそぶきながら、結局はアルバムという単位にこだわっているリスナー。それが私です。だから、『ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット』を『宇宙恋愛』を欲しいといいながらも、ダウンロードを拒むのです(iTMSの中原めいこ『TWIN BEST』の扱いはちょっとすごい。30曲入って1500円って!)。
そんな私が、かつて同じくフリーソングコードを手に入れたとき、このときは一曲だけしかダウンロードできなかったのですが、迷って迷って迷った揚げ句、心を鬼にして(?)選んだのがこの曲、桐島かれんの『Families - 家庭の構造』であったのです。この曲、私が知ることとなったのはNHKでやっていたTVアニメ『ふしぎの海のナディア』でイメージソングとして使われていたからなのですが、これがもう本当にいい曲で、一体どのへんが『ナディア』のイメージにそぐうのかちっともわからんのですが(父娘の関係?)、とにかくいい歌なんです。すごく大きな広がりがあると思う。曲にも歌詞にも、そして歌にも、広さ大きさを感じさせる力があって、雄大。私は、『ナディア』のヴォーカル・コレクションを人から借りて聞いて、返すの嫌になったくらいですから。桐島かれんが、森川美穂が、私をこのアルバムに縛りつけて、だからそうした好きだった歌というのをぽつぽつと単体で買っていけるなら、iTMSはいいかもなあと思ったんですね。
でも、本当は、アルバム『かれん』そのものを欲しかったさ! だって、きっと私の知らない世界が広がっているはずだという気がして、そしてそうした広がりは一曲単位の購入ではわからないではないですか。おんなじアルバムで買うのなら、ちょっとくらい高くても音盤で……、と思ってしまう。それが私という人間で、私が自分をオールドタイプであると自覚するのはこうした瞬間なのです。
というわけで、オールドタイプである私にお勧めの曲を紹介してください。コードの有効期限は2006年12月18日なので、それまでに紹介してくださるようお願いします。いくらなんでもそれは嫌だってなことがない限り購入しようと思います。感想を書けとおっしゃるなら、このBlogにてお応えしましょう。なにとぞご紹介のほど、よろしくお願いします。
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