2006年12月11日月曜日

Willie O' Winsbury

  私にとってのクリスマスは後数日で一段落、ってなんだかずいぶん早いな! まあ蝉が鳴いてる頃からクリスマス気分でしたからね、という個人的な事情はどうでもいいとして、クリスマスソングから開放されたらなにを歌おうかななんて思っていたんです。そうしたら、iTunesのパーティシャッフルが答を教えてくれました。Willie O' Winsbury。スコットランドの民謡です。おそろしく美しいメロディが心地よく響く歌、形式としてはバラッドです。私はこの歌を、ペンタングルのSolomon's Sealで知り、そしてその後English and Scottish Folk Balladsでも聞いて、これがもう本当に美しい歌なのです。なので、ちょいとこいつを練習しましょうかねと思って調べはじめて、そして驚いたのです。

なにに驚いたかって、歌詞にですよ。歌詞はというと、王様がスペインに捕らわれの身であったときのこと、王の娘がウィンズバリーのウィリーとできてしまっていた! わお、とんでもない歌だよ。でも、こんなの序の口、スペインから帰ってきた王が娘の様子を見て、どうも変だと感づきましてね、体でも悪いのかあるいは男と寝たのか、おまえが生娘かどうか確かめるから服をすべて脱げ、と命令したりする! オー・モーレツ!

けど、私が驚いたのってこれだけじゃないんですよ。ちょいとWikipediaの項目を見てくださいよ。Willie O Winsbury is Child Ballad #100.なんて書いてある。そうなんですよ。これ、子供の歌なんだそうですぜ! すごいなイギリス、すごいなスコットランド。この歌、子供が歌ってるんだ!

私は感動しました。

まあ、実際のところこれ私の誤解なんですけどね。このChild Balladsっていうの、子供の歌集っていう意味じゃなくて、Childにより編纂された歌集ってわけで、ええと編者はFrancis James Childです。The English and Scottish Popular Balladsという名前で、結構な数が出ているようです。欲しいけど、揃えるのはちょっときついな……。

以前、Cruel Sisterなんかを紹介していましたが、イギリスの民謡にはジャンルとして殺人バラッド(murder ballad)なんてのがあったり、はたまたそうかと思えばWillie O' Winsburyみたいな男女の性的な関係を描いたものもあり(Jack Orionなんかもそうだし、見方によってはCruel Sisterもそうだといえる)、そうしたバリエーションの広がり、日本人からするとぎょっとするような内容を持った歌があるのがすごいと思います。しかもこれが今なお伝承されており、民謡を得意とする歌手によって歌い継がれているだけでなく、民間に保存されているらしいという話も聞くのです。それこそ子供も愛唱しているっていうんですよ。これは本当にすごいなあと感嘆します。

以上のようなわけで、私もWillie O' Winsburyをちょっと愛唱してみようと思います。お手本はAnne Briggsとペンタングルはジャッキー・マクシーの歌唱です。前者はよく民謡っぽさを残しており、後者はよりソフィスティケートされています。こうした違いをもった版を聞き比べられるというのは実に幸運であると思います。また、この歌は民謡であるわけですから、ネットを調べてみればフリーの音源も見つけられるのではないかと期待しています(どうぞこれを無料のとは訳さないでください)。

うまくいけば、レパートリに加えられるんじゃないかな。こういうときって、ちょっとわくわくしてしまいます。学ぶ喜び、知る喜びってやつですね。

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