2006年12月23日土曜日

ダーティペアFLASH3

  2006年11月22日に届けられた『ダーティペア』のDVD-BOXを見始めて早一ヶ月。ようやく本日、すべてのディスクを見終えることができました。今回の集中視聴においては、TVシリーズの時点でテンションはもう天井に達するかのごとく高潮し、『ノーランディアの謎』、『劇場版』と徐々に登っていったのを『OVAシリーズ』でたたき落とされ、その後『謀略の005便』で盛り返したと、そういう慌ただしいアップダウンでありました。心配していた『ダーティペアFLASH』も、最初の一話こそは、なんじゃこりゃー、と叫びたくなるほどの思いにとらわれたものの、見続けるうちにこれもありかもと思えるようになり、『FLASH2』になるともうなんの問題もなく楽しめて、だからこのBOXの印象は最後の最後『FLASH3』によって決まろうというものです。けれど『FLASH3』は一話三十分完結ものの短編集、正直私にとっては一度けちのついたスタイルであります。だから、ことのほか期待することないよう、努めて冷静に見ようじゃないかとそういう予防線が張られていたことをここに告白しておきます。

そしてすべてを見終えた今、ああよかったという思いに満ちております。正直、もう一度TVシリーズから見直してもいいかななんて思っていたりするくらいでして、これどういうことかといいますと、『FLASH3』がよかったといっています。

シンプルな一話完結型のスタイル、TVシリーズに準ずるかたちといってもいいかと思いますが、これが意外と悪くないスタートを見せて、途中、なんでダーティペアFLASHでこれをやる? と疑問に思うような話もあって多少の中だるみ感を感じたりしたのも事実なのですが、なんの、最終回がよかったんですよ。おいおい、これはこの有終の美を飾るために力をためていたのかいといいたくなるほどに力が入っているとわかる出来で、いや、面白かった。はじめて『ダーティペア』を見たときに感じた、チームが機能しているという実感がありましたよ。困難なトラブルに直面するも、与えられた条件の中、持てる最大火力を十全最善に振り回して屈服させるとでもいったらいいでしょうか。わくわくさせられた。本当に面白かったですよ。

そして私は、この余韻をもって、『ダーティペア』TVシリーズの第一話を思い出していたのです。叛乱したコンピュータを鎮圧しようという話。あれもまた持てる最大火力でもってトラブルを始末するという話の典型で、FLASHの最終話はあたかもここに繋がろうとするかのよう。かくして私の『ダーティペア』に対する感興は、さながら円を描くように流転して、永遠に終わりを見ることなく、アップダウンしながらぐるぐるとまわり続けるのかも知れません。

『FLASH3』の他の話についても少し。わざわざこれでやらんでも、みたいな感想を持ったとはいいましたが、これは別に、なんでこれでこんな話をやるんだとまではいかず、まあこういうのがあってもいいかもね、みたいな感じ。「ピンクの狙撃手」はもっとやり過ぎなくらいにやってくれてもよかったと思うし(やり過ぎの方向が違ってるって感じかな)、「薔薇色の美少年」は、ええーっ、結局コメディだけで終わりなの!? って感じで肩透かし。やっぱり、事件性のあるトラブルに取り組んで、銃器振り回して大立ち回りというのをみたかったなあと思うんです。でも、全体に見るものを楽しませようという意図みたいなのは感じられるし、致命的と感じられるほどの空回り感もなかったから、まあいいかななんていうのは、やっぱり最終話の盛り上がりのためであろうかと思います。

最終話についても文句がないわけでもないんですが、あの娘はいない方が話が締まったんじゃないか、とか、そもそも有色人種の主任の娘がなぜ白人種? とか、もしかしてこの人別居しちゃったの? それとも単身赴任? とか、まあなんのかんのいいながらでも、楽しんでいます。

ま、つまり、終わりよければすべてよしってことでしょうか。ともあれ、よい買い物であったと思いながら見終えることができたわけで、本当によかった、また見よう、そんな感じのいい気分であります。

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