2009年5月18日月曜日

Vandoren Optimum AL3 Alto Saxophone Mouthpiece

 注文しました。アルトサクソフォン用マウスピース。バンドーレンのAL3ですよ。以前、Optimum AL3の選定品が出たら、その瞬間に買うけどな、なんていってましたけど、それがついに出まして、昨年末くらいからじっと待って、ようやくでした。積極的に探そうとしていたのは今年の頭くらいの時期でしたけど、取り扱いがもともと少ないのか、それとも数が出ていないだけなのか、選べるほどに数がなく、だからこれはどこかの店が選定品を売り出すのを待つのがよいだろう。そう考えての数ヶ月でありました。けど、今はRSSリーダーとかがあるから、こういうのチェックするのも楽でいいですね。ショップサイトに日参するだなんて、そんなめんどうくさいこと、私にはようできません。

AL3を試してみたいと思ったのは、最近出たマウスピースで、どうも評判がよいらしいというからでした。これまでのバンドーレンのマウスピースとは違った音の出がするという話で、そういう話を聞くとなんだか面白そうだなと思うものでして、そしてソプラノサックスを買ったときには、思い切ってSL3を選んでみた。S27とSL3を比べてみて、タイトで硬質な音色が美しいS27と、暖かみないしは膨らみの感じられるSL3、どちらにしようかなと思って、SL3にしたのでした。その後、SL3で吹き続けていますけれど、気に入っています。じゃあ、AL3も気に入るんじゃないかな。ずっとA20を吹いてきたけれど、ちょっとしんどく感じるものだから、違うマウスピースも試してみたいと思った、そういう事情も手伝ってのAL3購入でありました。

商品は、今日注文したところなので、まだ手元には届いていません。だから届く日が楽しみです。というか、その前に支払いがあるのですが。商品価格に選定料が上乗せされてるのかな? 定価が14,700円のところを15,960円で買うから、選定料は1,200円なのかな? これを高いと見るか安いと見るかですけれど、ちゃんとしたものがこの価格なら、むしろ安いくらいだと思います。

これにYAMAHA YAS-875、リガチャーはTシリーズを合わせます。それがどういう結果になるかはわからないけれど、きっと変化するだろうという予感があるから楽しみです。楽器はまたちょっと調整に出したほうがよさそうと思っているところですが、楽器の調子を上から下まで確認する意味も含めて、しっかりスケールなどをさらってみようかななどと思っています。

引用

2009年5月17日日曜日

わたしの大切なともだち

 袴田めらの新作、『わたしの大切なともだち』の第1巻が発売されたとのことで買ってきました。この漫画は、双葉社の雑誌『コミックハイ!』の公式サイト、Webコミックハイ!にて連載されておりまして、はじめてそのことを知ったときは、もうそういう時代になったのかと、遅まきながら気付いて、驚いて、そして毎月の掲載を楽しみにしていたのです。で、それがこうして単行本としてまとまって、じゃあ買わないわけにはいかないな。こうしたWeb連載という試み、そしてそこから単行本としてリリースされるというサイクルを応援したいと思ったのでした。もしかしたらあと数年もしたら、雑誌という媒体は縮小して、こうしてWeb上で展開されるものとなって、さらには単行本も電子化される。そんな日がくるのではないか。その先駆けのように感じて、だからちょっと応援したくなったのです。

『わたしの大切なともだち』は、なんだかちょっと不思議なお話。ヒロイン海老澤笙子は、美術大学の受験に失敗。それで専門学校に進路変更したのですが、そこで出会ったのが、幼馴染みの田中橘。しかし、彼女は記憶を失ってしまっていた、しかも、ついこのあいだ街で出会ったときには、そんなそぶりまったく見せていなかったというのに……。

笙子が、専門学校で出会う、個性的な友人たち。彼女らと一緒に、自分の夢とはなにであるかを確かめながら進んでいこうというようなプロットは、なんだかすごく健全で、どうしても迷いがちで、同時にあきらめがちである人 — 、私のような人間にとっては、皆おなじように不安を感じながら進んでいくのだという安心感を与えてくれるだろう、そのように思われて、そして自分もくじけずに進んでいこう、そう思わせてくれるものがあるように思います。

けれど、この漫画は、そうしたデザイン系専門学校にて学ぶ学生たちを描きながら、主には笙子と橘の関係を描いていて、むかし、小学生のころにはあんなになかのよかったふたりであったのに、だんだんに心がはなれていってしまった。大切な友だちと思っていたのは私だけだったのだろうか。そうした思いに苦しみながら、記憶を失ってしまった橘を前に、記憶が戻ってくれなくてもいい、記憶が戻れば私の嘘が明らかになってしまう、揺れている笙子の心の模様が切なくて、はたして橘の記憶は戻るのか。戻ったその時には、笙子と橘の関係はどうなるのだろうか。きっと悪くはならないだろう、そう思いながら、そうなってくれることを期待しながら、そのプロセスがどう描かれるのだろうと、不安をともに、楽しみに思っている漫画であるのでした。

作者、袴田めらは、ちょっと隙のある、そんな雰囲気をもって話を展開しながら、独特な筆致で感情のゆらめく情景を描写する、そうした作風が魅力で、だから『わたしの大切なともだち』のこの後に期待がたかまります。きっと、私の心をぎゅっと掴んではなさないような、そんな情景が描かれるのだろうと、そうした思いが期待を後押しします。先を急ぎたいとは思わないけれど、結末へ向かうその途中でおこるだろうできごとを思えば、気持ちは少し急いて、そうした気持ちの動いてざわざわとするところもまた、この漫画の力で魅力なのであろうと思います。

2009年5月16日土曜日

『まんがタイムファミリー』2009年7月号

『まんがタイムファミリー』が出て、いよいよ7月。発売日が日曜にかちあったため、一日前倒しされて今日出ました。で、昼過ぎにコンビニにいったら、一冊しか残ってなくて、これは午前で売れてしまったのか、それとも土曜発売の場合は冊数をしぼっているのか。四コマに限らず漫画雑誌は、通勤時の暇潰しみたいにして読む人も多いというから、こういう出荷調整もあるのかも知れません。こと、私のいくコンビニは鉄道会社系の駅前コンビニだから、なおさらそうであるのかも知れません。

『おかいあげ!』は、先月終了した『派遣です!』のおおた綾乃の新作。けれどまだ連載ではなくて、ゲスト扱いです。百貨店を舞台とした職場もの、OLものでありますが、今回は前作と違いスーパーでスペシャルなヒロインではなく、普通の、あるいは普通よりちょっとどんくさい、そういった感じのヒロインです。新人の大丸百花、先輩の高島やひろがメインにいて、そしてフロアマネージャーの伊丹凛がふたりをしめると。パターンとしてはオーソドックスに感じられるけど、おおた綾乃らしい動きの見せ方、話の運びは、読みやすくそして楽しくて好感触です。

ちょっと話はそれて。五百円玉貯金は私もやってましたが、ピタパを導入してから五百円玉の貯まる速度が落ちまして、ちょっとさみしい感じになっています。

ラディカル・ホスピタル』は人の印象について。髭中心で関羽とかダリとかが出るのはすごいけど、ああいう髭は現代ではちょっと見られない感じ。やっぱり機能的でないからでしょうけど、機能的でないからこそのお洒落であるのに。想像と違ってがっかりというのは、ラジオだけでなくアニメ声優なんかもそうでしたが、今は声優さんの露出も増えたし、それに綺麗な人も増えたしで、あんまりがっかりすることってなくなったように思います。

印象についていえば、私もずいぶん悪印象らしく、どうも暗いとかやばい人とか、そういう評価が最初にあるそうで、いやな話だなあ。でももういいや。もう慣れました。

『ふーare you!』では、画期的な熱冷ましの方法が紹介されてましたが、そうか、道理で風邪をひいたら長引くわけだ、納得しました。

『橘さんのトリセツ』。これ、ひょうひょうとしてかなり好きな感じです。エンターキーのくだりは、正直笑いごとでなく現実にはよくある話で、いや、本当。でも、橘さんほど、全方位に機械苦手な人はさすがに現実に出会ったことがありません。だからこそ、魅力的と感じるのでしょうか。田舎においては、皆と立場逆転するってのは面白い。機械ではなく、ああした民具を扱える方が、人間としては魅力的に感じます。もちろん私はからきしだめです。

『ことりコーラス』は、なんか好感触。合唱部ものであるそうですが、明るくて自信もあって歌もうまい細谷カナと、人見知りで自信もなくて、けどものすごく歌のうまい三浦るりのふたり。カナの勢いにるりが巻き込まれる、そんなタイプの漫画のようだけれども、それは同時に凸凹友人ものという感触もあって、よさそうです。

『よめヨメかなたさん』、どんどん面白くなってきました。父と息子が、同時期に同名の妻と結婚するというところはちょっとアクロバティックだけど、けれどそれ以外は予想以上の普通さで、けれど特別おかしなことをしているわけでもないのに面白い。特に息子の妻のほうのかなたさんをメインに扱った今回、テンポもいいし、ネタもシンプルで面白いし、たいへんよかったです。

『東洋に魔女』は、ヒロイン夜子のエキセントリックを楽しむ漫画であると思うのですが、それがただかわりものってだけでなく、「黒板」なんかがそうであるように、思いもしなかったものを見せてくれる、ちょっとワンダーなところ、それがいいのだろうなと思います。

ネコ式生活』、弁当屋のおやじは、それ、わざとだろう。『一緒にかえろう』は春の横着というか気にしなさすぎというか、そのざっくばらんとした性質は大変に魅力的と感じます。『おはよ♪』は、あの再婚夫婦は、両者ともに大切な家族を失くした人であるのでしょうね。そう思うと、ちょっと深い。大きな喪失感に押し潰されそうだった時に、必死で支えあった、いわば同志としての信頼などもあるのだろう。そう思うと、なんか込み上げてくるものがあります。『おかあさんがいっしょ』、私もあんな風にしてピザを食べたいと思うけど、若いころならともかく、今はもう無理だろうなあ。しかし、たまにはピザを食べたい。とんかつののれんはよかったなあ。ああいうの、売ってるの? 『おこしやす』。かきつばたはうちの近所にも咲いてました。

Iris

私のカメラにはズームがついてないから、寄れなくてこんなだけど、季節の花というのはよいものです。ああ、私はそのときひとりでした。でも、別に不仕合せじゃないよ、たぶん。

『田園トリオ』は、オーソドックスでちょっとベタ。きらいな感じじゃない。だから、なにかぐっとくるポイントがあれば、評価もぐっとあがるように思います。あ、いや、眼鏡を出せっていってるわけじゃないです。もちろん女言葉にしろっていってるわけでもないです。そこは誤解しないでいただきたい。

『ぐ〜すかうめ実さん』、お父さんが可愛いなあ。愛娘に気にかけてもらえている。それだけできっと父というものは嬉しくなっちゃうんだろうなあ。で、思いもしなかった展開に、なんと反応したらいいかわからなくなってる娘もまたいいじゃないですか。おそらくは、よくある家族の風景、美しい誤解なんだろうなと思います。

  • 『まんがタイムファミリー』第27巻第7号(2009年7月号)

引用

  • ともち「おはよ♪」,『まんがタイムファミリー』第27巻第7号(2009年7月号),110頁。

2009年5月15日金曜日

TOSHIBA REGZA デジタルフルハイビジョン液晶テレビ Z8000

 テレビを買いました。といっても、私個人で買ったんじゃなくて、家族のものなんですが。とりあえず立て替えておいたけど、いずれ返してもらいます。さて、テレビを買ったというのはもう一週間くらい前になりますかね。ゴールデンウィークの前日に電器店にいきまして、価格もろもろを交渉して、そしてゴールデンウィーク明けに注文したら、その翌々日に届いてしまいました。東芝のREGZA Z8000です。新商品。37型は5月の中旬だか下旬だかに出るというから、それくらいのつもりでいたのに、もう出荷ははじまっていたというのでした。しかし、なぜこの時期、このタイミングでテレビを買ったのでしょうか? それは、いずれ出るアニメ『けいおん!』のBlu-ray Discを、最高のコンディションで視聴するためさ! いや、嘘。ほんとに嘘。いかな私でも、そこまで根性座ってません。

テレビがですね、異音を発するようになってしまっていたんですよ。ブラウン管のテレビだったのですが、ビービーという音がずっと鳴っていて、気になってしかたがなくって、いやな音だなあってずっと思ってて、私はアナログ停波まで買い替えないつもりでいたんだけど、さすがに音を上げたってわけです。また、7月ごろにまとまった金がはいるというので、あ、私がじゃないですけど、テレビ買っちまおうかと。それで調べたら、ちょうどモデルチェンジ時期だ。型落ち品を安く買ってもいいけど、ここは思い切って新型にしよう。というわけで、東芝 Z8000とあいなりました。REGZAにしたのは、外付けハードディスクに録画できるという、その機能性を評価してです。また、映像がぎらぎらと派手な見せ方するんじゃなく、家庭内での視聴に向いたチューニングをしているという話をどこだったかで聞いて、それはいいなあと、そうしたことからREGZAに決めたのでした。

しかし、テレビがきて、生活変わりましたね。画面が大きくなったというのもさることながら、綺麗です。うちはNHKを見る、それもドキュメンタリーなんかを見ることが多いのですが、ものすごく綺麗。自然の風景がきれい。もううっとりするくらいに綺麗。比較にならないだろうとは思っていたけれど、想像以上で、もう、これは戻れない。そう思うほどでした。

しかし画質向上の恩恵は、ネイチャーもの、世界遺産ものなんかにももちろん見られたのだけれど、それ以上にアニメがすごかった。いやあ、以前アニメにBlu-rayって、圧倒的にオーバースペックじゃないですか? なんていってましたけど、いやいや、いやいや、とんでもない。線のシャープに表現され、また塗りの綺麗なこと。メリハリがあって、今まで見てたのっていったいなんだったんだっていうくらいにすごい。アニメこそフルハイビジョンだよな。そう思いました。

今、私の見ているアニメったら、『けいおん!』だけなんですが、『けいおん!』待ちで見る『バスカッシュ』が強烈に綺麗で、また『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のCMが強烈に綺麗で、赤い文字で表現されるタイトルロゴにはうっとりさせられるくらいで、けどさ、なんか『けいおん!』って画質落としてるの? なんかちょっとぼやけてない? TBS-BSだったらどうだったかなあ。いや、ええねん、どうせBlu-ray Disc買うんだから。けど、いや、ほんとうに、画質が上がるということは、まさに世界が違って見えるってことなんだ、心の底から思いました。

REGZA Z8000を買って、もちろんハードディスクも繋いで録画可能にしています。それがまた便利で、今はどんなハードディスクレコーダーでも同じだろうとは思うんですが、毎週、番組を探して録画してくれるものだから、昔みたいにちまちま予約設定する必要なんてないし、また予約するにしても、テレビにばっと番組表を映して、そこからちょいちょいと選ぶだけで録画予約が完了して、おそろしく便利です。また、ほかにメディアを必要としないというのが素晴しく、見たくなったらボタンひとつで録画されている番組を一覧できる。テープを引っくり返して探す必要なんてもうないのですね。もう、本当に便利で便利で、ただこれまでケーブルテレビのセットトップボックスに録画した番組をREGZAに移せないというのが残念で、別の機械を買ったらできるんでしょうが、でもまあいいや、人間あきらめも肝心です。

思いがけず便利だったのは、今すぐニュースでした。局を設定しておいたら、ニュースを自動で録画しておいてくれまして、ボタンを押すと最後に録画したニュースを見ることができるという機能。これがもう意外に便利で、ちょっとニュースを見たいと思ったときに、とりあえず当座の最新ニュースを見ることができる。時間待ちする必要もないし、ニュースやってないかとチャンネル次々切り替えて、なんて手間もいらないし、よくできてるなあと、感心するばかりでした。

とりあえずの感想はこんなくらいでしょうか。ああ、液晶について。Z8000からノングレア液晶でなくなったので、映り込みがあるんじゃないかと気にしてる方も多いみたいですが、うちの環境においてはまったく気にならない程度です。って、この間までブラウン管だったんだから、あんまり参考にならない意見かも知れませんけど、でも暗い画面であっても想像以上に映り込みは気にならなくて、だから私は光沢液晶でよかったと思っています。

引用

2009年5月14日木曜日

論理少女

 この漫画の存在に気付いたのは、第2巻が発売されて、平積みになっているのを見たからでした。だから、今からふた月ほど前のこととなりますか。平積みにされているだけでなく、ポップも用意されていて、そこにはどことなくとろくさそうな眼鏡女子が! でも、買わなかったよ。ヒロインが眼鏡ってだけで、買うなんてありえないよな! その店で買えばペーパーもついてきたんだけど、それでも買わなかったんだ。しかし、その後別の書店でサイン入り第2巻を発見。おおお、これは買うべきか? と思ったけど、踏み止まった。すごく単純な理由。手持ちがなかったのです。だから、ちょっとした賭けをしたのでした。次、その書店に『コミックエール!』を買いにきたときに、サイン入りの2巻が残っていたら買う、残っていなかったら金輪際あきらめる。そして私は、賭けに負けたのでした。そう、サイン入りの2巻が、1冊だけ、残っていたのでした。

買って、そして気になる第1話の続きを確認して、いやね、私の買った店では第1巻の第1話、途中まで試し読みできるようにしてましてね、で、若野君のルービックキューブ対決の結果が出るという直前でストップ。おーまい! とは思ったけど、あの結論は私でもわかりました。多分小手調べってことなのでしょう。

『論理少女』は、論理少女と呼ばれる芝いつき、眼鏡の彼女のふたつ名こそがタイトルとなっていますが、主役は彼女ではありません。主役は、津隠中学校に転校してきた少年、若野祐。どことなくぱっとしない彼は、ここ津隠市ではやっている津隠問答にやられてしまう。その場その場で、即興で問題を出し合うという遊びにまきこまれて、賭け金ふんだくられて、しかしそうした状況を黙って見ている芝いつきではなかった。彼女は生徒会長としての威信をかけて、津隠問答を悪用する連中を成敗する。彼女の武器は論理。設定された条件を頼りに答を導くだけでなく、出題の隙をついて状況を有利に運ぶ、規定されていなければインチキだってオッケーという、津隠問答独特のルールを盾に、連戦連勝を続けるいつきの魅力にまいりながら読むのがよい漫画であります。

いや、けど、実際、若野君は読者の代理人なんだと思います。シャーロック・ホームズにとってのワトソン君といったらいいでしょうか、彼の凡庸さがあるからこそ、ホームズ、じゃないや、いつきの論理の冴えは光り、またその解説も得られるわけです。論理に自信がある読者なら、いつきによる解決がなる前に、自力でチャレンジするのも一興でありましょうが、私は論理はからきしなので、もう完全にいつき頼りです。で、そのいつきが、なんでそんなに? といぶかしく思ってしまうほどに、若野のことを気にいっている模様で、あれこれと使役する。それはもう夢のようなのではなくって? いつきいわく、若野はそのカンのよさを認められている、という話ですから、主人公がまったくの足手まといになっていないというのはよいところかと思います。ピンチがある。え? いつき、負けちゃうの? そう思わせて、しっかりピンチを切り抜ける。そうした時に、若野のちょっとした気付きであるとかが役立ったりするんですね。ちくしょう、いいポジションだと思います。

さっき、悪人を成敗する、だなんていってましたが、それだけでなく、いつき以外にもいる天才少女たち、彼女らがライバルとしてかかわってくるところも面白く、第2巻はいつき対7人天才少女、頂上決定戦の様相を見せています。こうした美少女もりだくさんという外連味も面白いなと思ったりなんかして、まあ、ちょっとやりすぎと思わないでもないけど、それで若野がちょっともてちゃったりしてね、で、いつきがちょっとふくれたりしましてね、なんだそりゃ、なんて思わないでもないけど、でもわりかしいい感じに話は動いていきます。論理ゲームばかりじゃうるおいがないでしょう。私はそもそもパズルとか、頭使うのが面倒くさくてやってられないたちなので、だから論理ゲームをベースに置いて、そこに美少女満載、ライバルとの対決、そして勧善懲悪といった味付けがほどこされて、それで楽しく読めるといった風になっているのです。

しかし、この論理ゲームですが、こういう問題を作るのは大変だろうなと思います。複数解の扱いとかね、許可されるケースもあるけど、条件によっては不可となっていることもあって、しかし通した答に別解があったらどうなる? で、論理に長けた人ってそういうの見付けちゃうもんなんだ。だから、問題作る人は大変だろうなって思うんですね。あんまりに無理無茶強引にならず、けれどありきたりな、いやどうしても完全オリジナルみたいにはいかないだろうとは思いますが、けれどある程度論理ゲームやパズルに興味感心のある人に、なかなかやるじゃんと思わせるような冴えた問題を用意していかないといけない。このあたりは、推理ものと同じような難しさを抱えているように思います。

でも、私はさっきからいっているように、論理とか理屈とかからっきしだから、問題に不備があっても気付きません。で、その場で指摘されなければ、通るのが津隠問答のルールでありましょうから、だから私はきっと津隠市では生きていかれません。それはそうと、芝いつきが1位でスーパーヒロインというのはかまいませんが、というか当然そうであるべきだと思いますが、ミーナ・センが6位というのはちょっと解せません。まあ、単に好みの問題で、ちっとも裏に論理があるなんてことはないんですが……。まあそうしたことはさておいても、優秀な女性が好きだという私には実に向いた漫画であることは間違いなくて、いやもう、芝いつきは最高です。

  • つじ要『論理少女』第1巻 (シリウスコミックス) 東京:講談社,2008年。
  • つじ要『論理少女』第2巻 (シリウスコミックス) 東京:講談社,2009年。
  • 以下続刊

2009年5月13日水曜日

『まんがタイムラブリー』2009年6月号

13日は『まんがタイムラブリー』の発売日。『ラブリー』は、今なんだか誌面刷新の最中であるようなのですが、今月はさすがに覚悟していたからか、先月ほどに戸惑うようなこともなく、スムーズに読むことができたように思います。けれど、思い返してみれば、はじめて買ったころの『ラブリー』の雰囲気に戻りつつあるような気もしないでもない、そんな気がして、それは多分レディーズコミック誌に掲載されそうな漫画の存在がためかも知れません。

『夏生ナウプリンティング』は、印刷屋で働く人たちを扱って、わりと面白いです。今回の消しゴムで消す話、紙ヤスリを使うという話、聞いて知ってはいるのですが、あらためてこうして読んでみても面白い。いろいろな仕事の現場にきっと存在するだろう、その仕事に固有の話、そうしたことを知るのはやっぱり面白いものだと思います。だから、こうした情報が出尽くしてからが勝負なのかと思います。

うさぎのーと』は針羽の可愛いこと! しかし針羽が可愛いのはいいんだ。それよりも、片岡がおそろしく可愛く描かれてるというのは凶悪だなあ。あれは迷うわ。いや、ほんまのはなし。

『たたかえ!WACちゃん』は、台詞の一部を抜き出してみたら、あやしいやら、あぶないやら。あたしやります(男と)!! とにかくヒロインが自衛隊に入らないでは話が進まないから、なんとかして逆転合格するんだとは思ってたけど、実際ああいうことってあるんだろうかって思ったりもしたんですが、まあいいや気にしない。スーツ大好きの私は、ちょっと今回のヒロインにほだされかけたけれど、やっぱり共感しにくいということは変わらず、けどこういうヒロイン像はレディーズコミックにはわりかしあるように思います。浮き足だったこの人が、今後の訓練でどんな風になっていくんだろうと思うと、ちょっとそれは面白そうかも知れないと期待させます。

パニクリぐらし☆』は耳が痛い。いやもう、こないだ棚を増やしたところですから。けど、あれでもどうも焼け石に水っぽい。そうやって、大量の物とたたかってみてわかったんだけど、整理されている家、部屋っていうのは、そもそもものをため込まないのよ。捨てるのよ。けど、捨てられるならあんなにはならないわけで、けど兄貴はあれらのものをどうしたのだろう。捨てた? そうでないのなら、片付けの秘訣というものをうかがいたい。いや、ほんと、マジで。とりあえず私は、いつか家を一件、収納目的で買わねばならないのではないかと怯えています。

『ハルの見えない望遠鏡』は、まだはじまったばかりだからなんともいえないけれど、雪女のお嬢さんと村の人たちとの交流が描かれる? ちょっと期待してみようと思います。

『ミニっきえにっき』。こういう人情っぽいのを描かせたら、ナントカはすごくよい、そんな風に思ったのは、ミニ様の両親の馴初め話を読んだからなのか。母の日の情景、ミニ様の境遇を知って、素直にやさしくできない少年の不器用さ、あれはよいものがあります。なんで、小学生男子ってああなるんだろう。ツンデレ? 知らんけど、でもなんでああいう風にしかやさしさを表現できないんだろうって思います。今回のインパクトは、サラ、フレッドの親父さんでしょうか。なんで、あの人だけ無闇にリアル志向なの? しかし、ミニ様は本当にいいこだと思います。そりゃサフォークも泣くよ。ミセスコリーも泣くの? いや、本当にいい話だったと思います。

『いとしのフェルナンド』もよかった。うそつきなのかなんなのか、いったことが思わず本当のようになってしまって、そしてそれが落ちにまでちゃんと繋がって、うまかったなあ。アンナの不安と、不安ゆえの情緒不安定から発せられた嘘と、そしてそれを本当にしてしまうフェルナンドの不思議と、そして解消される不安。面白かったし、それだけではないよさというのが感じられたように思います。

『ココロノミカタ』は、絵の可愛さ、魅力を抜きにすれば、ミカタ、ええとちいさなお猿、猿? 彼の一生懸命話してるところや、それがちっとも通じてないってところ、あれが面白くて、好きです。さっきの飲み物もっとないのかな ウマかったんだけど…とか、なんともいえない味がありました。

『縁側ごはん』は、地味に好きだったのが、なおさら好きになったように思います。しかしあのキー坊は学生だったっけ? なにして生活している人なんだ? 雨の日に食べるお弁当はどんなのがいいだろうと、実際にいろいろ作って試してみる、趣味人なんだかマイペースなんだかわからない。けれど、そののんびりとした様子はたいへんによいと思います。ところで、あのお稲荷さんは三角のじゃないんですね。柱のコメントがなかったら、きっとなにかわかりませんでした。

『三日月すぱいす』は相原さんの可愛いこと! 結構好きな漫画ですが、なんで好きなのかっていわれたら、相原さんが可愛いからだ、それ以外になんと答えたらよいものか。細見くんのむくわれなさというのも面白さだと思いますが、それはまだ相原さんのキャラクターを越えるものではないと思います。

『蝴蝶酒店へようこそ』はアネモネの可愛いこと! どうにもこうにも食えないオーナーの秘密、人を食ってるという秘密が明かされる!? と見せて、いやあ、やっぱり食えない。人が悪くて、面白いなあ、好きだなあ、この漫画は続いてくれたら嬉しいなあ、そう思います。

『ヒーロー警報!』は、最後の最後まで、ああした話に持っていくことはないのではないかと思っていたから、思った以上にストレートなラストに逆に驚いて、けどHは友人にめぐまれてるなあ、といっていいかはちょっと自信がありません。しかしラストの、Yどころかかおりちゃんにまでうなずかれてしまっているという、そこがあわれだけど、それはそれだけ理解されているってことだ。本当、いい友人にめぐまれてるなあ、Hは。

スタミナ天使』、完結。最後まで天河は変態を貫いて、あっぱれ、というか、諭吉様、えらい男前なんですが……。時間は、前回から一気に進められて、高校はとうに卒業、さらに数年が経ちましたというくらいの時期ですね。諭吉は卒業論文のテーマを思案して、緑は警察学校に入っていて、そしてふたりは別れて暮らしていて。こうした状況を説明する中に、天河の酷い仕込みが笑いを誘うのですが、しかしそれよりもふたりはどうなったのだろう、それがずっと気掛りだったものだから、最後のページ、あれには言葉もなかった。いい話だったと思います。あの、貧乏時代の諭吉と緑の関係があって、金持ち復帰後の関係があって、そしてこのラストがあって、この漫画がはじまった当初には思いもしなかったほどの広がりに、すっかりひきこまれてしまいました。描かれなかったことに思いをはせては、涙が出そうになる。本当、いい話だったと思います。

しかし、天河、意外といいやつだったかも知れません。彼は彼なりの愛情やらなんやらで、ふたりを見守ってたのでしょうね。そして、武内くんは、徹頭徹尾いいやつであり続けたように思います。結構、ひどい目にあわされるポジションではありましたけど。

エナポゥのコラム、テレビにバンド出演するくらいにまでなっていても、バイト生活は続いてたっていう実際が、現実のきびしさを感じさせます。私も頑張ろう。

『だんつま』は、シビアに見えるふたりのロマンティストな側面が見えてちょっと面白かったのですが、裸エプロンというのがどういうものなのか、具体的に描いてもらわないことには、ちょっとわからなくて困りました。365日カレーは私にはちょっと辛い、からいじゃなくてつらいね、かも知れないけれど、自分の好物である麺類だとしたらどうだろう。365日うどん、素麺、パスタだとしたら? うん、わりといけそう、というか、嬉しいかも知れません。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第6号(2009年6月号)

引用

  • 花津ハナヨ「たたかえ!WACちゃん」,『まんがタイムラブリー』第16巻第6号(2009年6月号),46頁。
  • 乙佳佐明「ココロノミカタ」,同前,112頁。

2009年5月12日火曜日

リスランタンプティフルール

 『リスランタンプティフルール』は、『コミックエール!』第1号の誌面を飾った漫画のひとつでした。そう、私が気に入らなかった漫画、つまらないと思った漫画がないといった、そのうちのひとつが『リスランタンプティフルール』であったのですね。実際、いいなと思った漫画でした。女子校もの。当時、大はやりしていましたね。外界と切り離されたかのように清浄で、そして古風なしきたりなんぞが残る、そうした学園を描いて、たおやかな少女たちの交流するその様、関係性に憧れなどを抱きましたか? いや、実は私、はやってたのは知ってるんですけど、ブームにはのっとらんのです。でも、それでも漫画をいろいろ読んでれば、知らず知らずのうちにそうしたものにも触れるわけで、『リスランタンプティフルール』もそうして触れたもののひとつでありました。

『リスランタンプティフルール』は、第1号の気にいった漫画群においても、なお一層にいいと思った漫画でありました。ですが、それは女学校ものであるからというよりも、その描かれた世界から感じとれる表情がよかったのだと思っています。繊細というより神経質、ナーバスと表現したいような表情、少々気鬱な色もないではない。でも、そうした表情が好きなものだから、この漫画はよかった。晴れた日であっても、どこか霞みのかかったような、そうした風景の持つ美しさだと思います。あるいは、澄みわたる空の高さに悲しくなってしまうといったような、けれど憂えるなかに愛おしいと思える感情もあり続けているというような、悲しいから美しいのか、美しいから悲しいのか、そういった風情があるなと思ったものです。

都野ナンナの通うお花のお庭の学園のならわしは、お花のお庭、リスガーデンに咲く花を、選ばれた学生たちがお世話するというものでした。選ばれた彼女らはリスランタンと呼ばれ、また自分の世話する花の名前をもって呼ばれます。ライラックをまかされたナンナなら、プティライラックというように。フランス語と英語がまじってるのが気にならんでもないけど、細かいことはいいのよ。プティは英語でも使うしさ。それより、選ばれた存在であるリスランタンたちは学園における憧れの的であり、それはリスランタン同士でも同様で、そしてまた同時に嫉妬を向けられることもあります。そうした感情の交差するところに生じるドラマが大変によいと思ったのです。

嫌われれば落ち込む、自信をなくすことだってあります。けれど、それが誤解だとわかって、あるいはそうした負の感情も受け入れたうえで乗り越えていける強さを身につけて、そしてふたたび笑えるようになってという、感情の浮き沈みの描かれる、それがこの漫画のよさでした。神経質、ナーバスといったのは、あまりに彼女らが敏感に反応してしまうからで、けれどだからこそ一喜一憂する感情の波立ちは鮮やかと感じられました。読んでいる私の感情にも触れるがように思われたのですね。私に冷たくした先輩の真実、そこには嫌いという感情なんて露ほどもなく、むしろあったのは好意だった。そうした、感じやすい少女たちの胸中に揺れ動く感情がとても魅力的、すごくいいなと感じられる本であるのでした。

引用

2009年5月11日月曜日

32GIRL

『32GIRL』を買いました。『32GIRL』は、『サーティーガール』のヒロイン、リリコさんの婚家である湯神家の長女加奈子をヒロインとする同人誌であります。描いた人は、原作がカワイシンゴ、漫画が岩崎つばさ、って、オリジナルメンバーじゃないですか! これは買わなくっちゃだわ、というわけで購入しました。同人誌即売会は、ちょっと遠くていかれなかったので、とらのあなの通販にお願いしまして、よかった、なんとか売り切れるまえに入手することがかないました。しかし、本当にありがたいことですよ。自宅にいながらに情報は入手できるし、注文もできるし、いい時代だなあって思います。そしてもうひとつありがたいこと。それは、湯神加奈子の活躍をこうしてまとめて読める機会が得られたという、そのことでありましょう。

湯神加奈子の活躍が読めて嬉しいというのは、そりゃもう、私は加奈さん大好きですから。しかし、初めて出会った時には、お姉さんと呼んでおかしくないような歳であったこの人が、気付けば私より年下になっているっていう、なんだろう、この理不尽。いいなあ、漫画の登場人物は年をとらなくて……。こういう馬鹿なこといってる自分が一番理不尽であるということは、自分でもよくわかっているので、そっとしておいてください。

湯神加奈子のなにがいいのか。長身で美人だからか? 32歳の若さで課長に昇進したという、その有能さがよいのか? うん、それらもいい。否定しない。だけれども、この人のよさは、職場においては表に出さない純情であるところ、なのだと思っています。ちょっと甘えんぼう? 寂しがりや? それでものすごくおしゃべり。『30GIRL』では、暴走する義妹リリコがとにかく目立ちまくるので、一歩後ろに退いているって感じ、はしないけど、そんな加奈さんが主役として活躍するってんだから、こりゃ読まないわけにはいきません。

『32GIRL』は、『30GIRL』がそうであるように、四コマの連続でショートエピソードを描くタイプの漫画です。ちょっとした事件があって、そしてそれを解決する、その顛末がとにかく爽快で面白い。そんな『32GIRL』第壱話は、加奈子が思い人、秀島治久の働く花屋に押し掛けて無給でバイトしているときに持ち込まれた案件、花を届けてほしいというところからはじまって、けどここから先はネタバレになるから書きません。だから感想だけをぽつぽつと。

リリコに負けず劣らず暴走する加奈子、その様子はやっぱり爽快でした。やってることは、かなり過激で強引で無茶なんだけれど、そうした暴走の原動力、その行動の根っこには、持ち前のおせっかいがあって、これはもう人情ものといってもいいのかも知れませんね。要求されたこと以上のことをやってしまう。それはたしかに勝手な親切心、余計なことだったのかも知れないけれど、でもそれでも、本当にその人たちに必要だったことをやってのけて、いい話でした。無茶な行動ははらはらとさせてスリリング、とても面白くて、そしてその後にじんと心に沁みるシーンが、言葉が、気持ちがやってくる。ああ、加奈子さんはいい人だなあ。友人への好意がにじみ出るようだ。そんな風に思う。けど、いい人なのは加奈子さんだけじゃなくて、あの町内の人みんなだ。今回、『32GIRL』では、そのうちのひとり、加奈子さんにスポットライトが当てられたのだ。そして、スポットライトを当てられたその人は、いわば縁の下の力持ち、狂言回しとして働いて、見せ場には別の人たちのエピソードが光っています。この、活躍のはてに主役が一歩退いて見せ場を譲るという構図、『30GIRL』にもそういうところがあるのですけど、そうしたところがとてもよいなあ。でしゃばってるように見えるんだけど、肝心要ではすっと身をひいて奥床しい。なんだか、かっこいいね、とってもエレガントだ、そう思うんですね。

メインの話は32GIRL。そしておまけに32-15GIRLが描かれて、そちらは本当に小エピソード。けれど、その小さな物語もほほえましくて、日常におこるささやかな事件。最後にはちょっとした事故になってましたけど、そうした事件を通して気付くことがある。そうした情景が、はっとさせるような印象を残して、素敵でした。

あと、これはネタバレ。フライングVは女の子に似合うギターの筆頭格だと思っています。けど、間近に見ると意外とごつくて、びっくりするギターでもあります。ちょっと欲しいギターではあるんだけど、そんなにギターばかり増やしてもしかたがないので、我慢しています。って、欲しいものいっぱいだな。

今、『32GIRL』は品切れしてるみたいだけど、願わくば補充されて、欲しいと思う人の手に渡ればよいなあ。そのように思っています。それが本にも読者にも作者にも、一番いいことだと思うから、そのようになったらいいなと思っています。

  • 岩崎つばさ,カワイシンゴ『32GIRL』32GIRL,2009年。

2009年5月10日日曜日

『コミックエール!』Vol. 12

 好きだったのだ、『コミックエール!』。男の子向け少女マンガ誌なる、どうにも評価しづらいキャッチフレーズをひっさげてリリースされた、そんな雑誌であったのですが、買ってみれば、これ結構いいじゃん、というか、本当にいいよ。すっかり気にいってしまったのですが、いかんせん、売っているところが限られていて、漫画に力を入れているような書店くらいでしかお目にかかれません。そうした状況も手伝ったのでしょうか、『コミックエール!』は昨日出たVol. 12をもって休刊となりました。休刊とはあるけれど、おそらくは復活する日はこないでしょう。ああ、さびしいなあ。好きな雑誌でした。いい雑誌でした。アンケートがのどにくるなど、文句もないわけではないけれど、けれど、読んで楽しい、ほろりとくることも多かった、本当、面白い漫画と出会えるいい雑誌でありました。

だから、感想書く前に、最初にいっておきます。漫画家さんはもちろん、この雑誌に関わられた方たちは、よい仕事をされた、そのように思っています。お疲れさまでした。

純真ミラクル100%』は、モクソンのツアー終了、打ち上げやって、そして恋愛的感情にも一段落がついて、しかしちょっと不安にさせるような引きがあって、それは以前の親レーベルへのモクソン引き抜きとかの伏線が動き出すってことなんでしょうかね。それはともあれ、影の薄かった二宮さん、微妙に嫌われものですが、この人の、ただ単純に表現のしかたがあれなだけで根は悪い人じゃない、というかむしろいい人っていうところがもう読者にはわかっちゃってるから、なんか不憫というか、けれどなんか可愛いというか、彼には頑張って、モクソンにぐーっと接近しちゃったりして、そして玉砕したりしちゃって欲しい。おそらく、彼の見せ場はこの後に用意されていると思うので、期待したいと思います。

モクソンは『まんがタイムきららフォワード』に移籍です。なんか、『フォワード』が素敵なことになりそうな予感がします。

『さんぶんのいち。』、微妙な三角関係になっている柚、葵、楓の恋愛状況を描く漫画であるのですが、微妙というのは女の子葵が女の子柚にただごとではない恋心抱いているって感じで、それで妙に楓を、ああ、楓は男の子なんですが、彼のことを敵視したりしてね、で、そうしたところに昔葵をいじめていた海都が現れて、そして葵は海都に対する恐怖をいまだ拭うことができず……、という話が決着。この決着によって、状況は葵ペースに傾いて、いい感じだ。この、葵の、わりと汚ない手を使ったりするところ、とてもいいと思っていました。なんか意味不明だったり、けれど一途だったり、そういう屈折したところが、まっすぐだったり素直だったり朴訥だったりする人の心に絡みついて、そこにドラマを作るというところ、それがいいんでしょうね。

『さんぶんのいち。』も『きららフォワード』に移籍です。なんか、『フォワード』がステキなことになりそうな予感がします。

魔法少女いすずさんフルスロットル』は番外編? 余話って書いてます。志半ばで倒れた放送部員にかわって、いすずさんたちがお昼の放送をやりましたっていう小編で、短い中にキャラクターの個性つめこんで楽しい雰囲気、いい感じでした。

いすずさんの落ち着き先はまだ決まってないみたいで、また改めてお知らせしますとのことなんですが、いったいどこでそのお知らせを受けたらいいの? まあ、公式サイトでしょうね。

『あなたにとって、わたしにとって』は仙石寛子らしさに溢れた漫画。なんか散文で語られるような、そんな雰囲気があって、朴訥とした表現は、そのまま登場人物たちの不器用な気持ちをあらわしているようで、結構好きなんですよ。コミックスも買ったんだけど、ここに書きそびれたまま今にいたる。ちょっと陰鬱といえば陰鬱、けど暗くなりすぎることもない。メランコリーが心地いい漫画で、それは今回の観覧車の話も同じで、なんだか愛おしい、そんな気持ちのわいてくるようなところが素敵です。

恋愛ラボ』は、マキの家族が登場。姉さんが出て、そしてパパ。お前の父ちゃん ランジェリー!!! しかし娘溺愛の父が、あまりにあまりな娘の真実を知って、ショックを受けるという、しかも姉でショック、妹でさらにショック、もうパパがあわれであわれで、けどそのショックを受ける父が抱きしめたくなるほどキュート! そして希望を胸に塾を訪れたマキ、彼女は宿敵ともいえるヤンに再会、そして再び私の初めてを奪われることとなって — !

ころげまわりそうになるほど面白かったです。取り乱すマキの可愛さ、そしてマキに目を奪われた智史にむっとするリコの可愛さ、そしてヤン! 彼はいいな。彼はいいよ。この勢いで、どんどんひどい目にあうんだろうか。ただでさえ誤解されてたのに、それどころではない状況に陥って、ヤンの明日はどっちだ!? ヤンの明日は、夏頃から『まんがタイムスペシャル』で読めるとのことです。

『あまだれ!』、完結。なんかちょっと恋愛を勘違いしてる女子、すずと、なんか彼女にふりまわされたすえに好きになっちゃったという野比くん(田中俊平)の恋愛が、不器用ながら不器用なりにとりあえずかたがついて、そしてふたりの合作同人誌が出品される同人誌即売会。クライマックスにおけるすずの大ゴマは見事でした。よかった!

御伽楼館』。よかった。感動した。以前私は、美しい姿をしている人の本質が、自分にとって望ましいものでなかったとしたら、そのとき愛はどうなるのだろう、継続可能なのだろうか、という話をしたことがありました。『御伽楼館』、「夢見る乙女」は、あたかもその問に対する答でありました。そうなんでしょうね。愛が深まれば、その思いは姿の問題などたやすく超えていってしまうのでしょう。そもそも私の問のたてかたが間違っていたのでした。本質とは、姿かたちではなく、そのうちにあるものであり、あのとき私は本質ということばを使いながら、本質を問題にしていなかった。反省しました。深く反省しました。

『御伽楼館』、終了です。あえて完結と書かなかったのは、もしかしたらいつかどこかで再び、なんてこともありそうな気がしたからで、そうなればきっと私は嬉しく思うだろうな。期待はしません。けれど、楽しい未来を夢見ることくらいはいいんじゃないかと思います。

『凛 — COCORO-NAVI Another View』は、アダルトゲーム『こころナビ』を下敷にしたものらしく、ちょっと描かれる状況が錯綜していていまいちわかっていなかったけれど、今回できっぱりしっかりはっきりとわかって、仮想世界で出会った兄妹が、兄妹であることに気付かず恋に落ちて、そして気付いてしまって、その顛末はコミックスを待て! って、うわあ、えーっ! でも、ちょっと『こころナビ』ってゲームには興味も出てきて、まだ入手可能である模様。まだっていうのは、どうも調べてみたら2003年リリースのゲームだそうで、だからちょっとシステムは古くささ感じさせるとか、そんな話なんですが、けれどそれでも好きだという人は多いようで、やばいな、これは私も好きだっていうひとりになれそうな予感がする。どうする? どうする!? いっとくか!?

ちょっと迷ってみます。けど、この漫画でちょこっとネタバレくらっちゃってるわけだからなあ。それでも大丈夫、いっちゃえ、と自信を持っていえる人がいたら、もう一押しで買っちゃうと思います。つうか、この会社、ものすごく寡作ですけど、大丈夫なのか? あぶない、これはレーベルのファンになる危険もあります。

『片恋い迷子』は、口裂けさんの恋愛に決着がついて、しかしこの人の漫画の、異形、妖怪、なんでもいいのだけれども、人ならぬものが人と恋愛するというプロットは、自分は愛されないと思っている人の気持ちを、異形を用いることですくいあげようという試みなのでしょうか。今回の口裂けさんの話を読んで、とにかくそのように思われて、ほら、例えば、愛されない理由として、眼鏡で暗くてチビでやせっぽちで、スタイルもよくなくて、だから私は誰からも振り向いてなんてもらえないんだ、とかいうヒロインがいたとしても、世の中にはそういう女子がどストライクというようなやつもあるわけですよ。眼鏡、いいじゃないか、暗い、素敵だよ、チビでやせっぽちって、最高じゃないか! スタイル? 巨乳なんて窓から投げ捨てろ! みたいな。ところがそれがゾンビだったり、口裂け女だったり、あるいは人であっても、辻斬り血塗れ女子みたいな、とにかく、どうだこいつは愛せないだろう、みたいな極端な例をふってきて、しかしそれでも誰かがあなたを愛してくれるよ、あなたの苦しんでいることはわかるけれど、私は、僕は、そんなあなたが好きだよ、そうしたカタルシスを、愛を与える側、受ける側、双方から描こうというのがこの人の漫画なのかなって思ったのでした。

今回の話は、愛を受ける側の物語でした。このようにしか愛を描けないのだとしたら、それはなんと不器用なことだろう、そのように思うのですが、しかし不器用でもよいと思うのだからしかたがない。いろいろなんか超越しているみたいに見えた口裂けさんの、最後の最後に割り切れなかったこと。その、受け入れることを怖れているのか、意固地に突き放そうとしながら、それでも突き放し切れなかった、そうしたときのこの人は確かに美しかったな。そんな風に思いました。

『おとうとくんといっしょ。』、先月の『おねえちゃんといっしょ。』の逆バージョンですね。以前は弟視点、今回は姉視点でひとつの出来事を追って、よいですね、こういうの好きです。これはあわせて読みたいなあ。まあ、前号の『エール』を出してきたらいいんだけど、でももっと読みやすかったらいいなあ、って、誰か単行本にまとめてください。きっと喜びます。

この人は、人の気持ちを丁寧に描いて、いい。そんな作家だと思います。

『あめのち』。これは読み切り。雨女と雨男の不器用な恋物語。って、『エール』のキーワードってもしかして不器用なんだろうか。それともたまたま私の不器用センサーが過敏になってるだけ!? 松下徹子が雨女になる条件、それがために気持ちが相手に知られてしまう。こういうギミックは、話をコンパクトにまとめて展開させるにはいいと思う。けれど、それよりも気になるあんちくしょーが他の女の子を見てるような気がして、それでもやもやしてみたり、挙句のはてには思うところをぶちまけちゃったり、そのばたばたしちゃってる、そうした徹子さんが魅力的でした。

『夏のかげろう』は、ロリコンに狙われた中学生の話。ちょっと違うけど、まあ結果的にそんな感じ。気持ちが離れていく、そんな思いがして、寂しかった夏。楽しかったはずのことが、突然に色褪せてしまったように感じられた、そんな夏の終わりのできごと。離れたかと思われた気持ちはふたたび触れ合って、それは変わりゆく季節のまだ変わらずにあろうとする、そんなはざまの頃に生じる気持ちなのかも知れず、そしてその曖昧である季節の光景が胸に訴えてくるのですね。まあ、ゆっくり変わっていくのがよいよ。私にとってはとうに過ぎさってしまった季節に生きる彼女らには、そのようにいってあげたくなる。そんな話でありました。

『サトリップ』。四コマ漫画ならぬ、一ページ漫画。美術部に所属する女の子三人がヒロイン。いつもは彼女らも、それなりに頑張って描いたりしてるんだけど、今回は鉛筆を削るだけで終わって、このふわふわと地に足がついていないような感覚が好き。続かないのか。残念です。

『ひみつのはなぞの』。従姉から女の子と思われてた男の子の奮起する話。従姉は、ちょっとした事件から男そのものを怖いと思うようになっていて、可愛い男の子あきらちゃんはいかにそのハードルを越えようとするのか。その越えようとする方法が実にダイナミックで、わお、こんなに大きくしちゃうんだ。そして、そのチャレンジに対するレスポンス、意外なところから返ってきたものだから、やられたって思って、そしてちょっと感動した。いい話じゃん。ギミックも面白かったけど、残った印象は、ギミックのためだけではなかったと思います。

『赤い糸は見えているか』。これも読み切りです。これもまた不器用枠。その不器用のあらましは、気持ちの一致しそうで一致しなかったことにひっかかって、けれど実はそれでも通じているんだよっていうようなものでありました。悪くない。よかった。チャレンジを打ち負かしてしまうヒロインっていうのがいいです。それも、嫌だからとかではなく、なんかもやもやするものがある、いい加減わりきってもいいかなあって思いながら、それでもわりきらずにきたという気持ちが意地みたいになって、そしてわりきろうかなと思ったそのときに氷解するっていう、そのプロセス。いきつきもひっこみもしない、サスペンドな状態、面白かったです。

『ホーリー★ホーリー』、修道院にてかくまうこととなった王子様と、彼を助けようと奮闘するシスターの話。ちょっと荒っぽいと思うところもないではなかったけれど、しかしそれは最後には気にならなくなって、なんだかこういうところも、そして話の流れも、正統派少女漫画ってな感じではありませんか。よかった。

かくして、『コミックエール!』ともお別れ。これがしばしのお別れならよいなと、ここでも嬉しい未来を夢見ておきたいと思います。

引用

  • 宮原るり「恋愛ラボ」,『コミックエール!』Vol. 12 (『まんがタイムきららキャラット』2009年6月号増刊),101頁。

2009年5月9日土曜日

『まんがタイムきらら』2009年6月号

『まんがタイムきらら』、買ってきました。2009年6月号。表紙は『けいおん!』。アニメも人気で、実にいい感じ。なんか、『けいおん!』効果でギターやベースが売れてるらしいと聞きますけど、実際のところ、私も欲しくなってますからね、ベース。最初はタカミネのPB17(色はNSで)あたりが欲しいと思ってたんだけど、で、いつかうまくなったらフレットレスのPB35にバージョンアップするんだ、なんて思ってたんだけど、今は、具体的には今年の4月に入ったころから、Jazz Bassが欲しい。どうせならAmerican Standardかなあ。色は3-Color SunburstかCandy Colaがいい、なんて思いながら、まあ買えないんですが。『けいおん!』の次は『うらバン!』がアニメにならないかなあ。『うらバン!』だったら、もう楽器はあるから、こんなに心惑うことはないわけで、それに自分もなんか参加できそうじゃないですか。ああ、次は『うらバン!』だ、みたいな風にならないかなって祈っています。

『けいおん!』は京都に修学旅行。うん、京都ってだけで無駄に盛り上がるな。京都を象徴するスポットとして選ばれたのは金閣寺。あとは楽器店、そして宿、以上で帰宅。まあ、京都は、いつものバンド活動みたいなものと思ってくださったらいい。つまり、あんまり出てこなかったっていうね。ちょっと残念だったけれど、さわちゃんが魅力的だったからよかったです。そして唯からは二年越しのムギへのお礼。ああ、しかし、いいお嬢さんだなあ。

ゆゆ式』は、なんだかゆずこがえらく可愛いなあ、具体的にいうといつもの300%増しくらいで可愛かったのはなぜだろう。今日の部活テーマは馬でした。あの、イーってするのはフレーメンといって、フェロモンを匂おうとする行動なんだそうです。でふたりがいーっとして、富士山と四国になっているのかいないのか、それが問題です。いや、しかし、あれは可愛かったなあ。

『天然あるみにゅーむ!』が、ウエストまわりにちょっと肉が余っているのがマニアックでよかったです。でも私はエコ派です。『ふおんコネクト!』はちょっとびっくりしました。この芸風は好きな人はもうたまらんだろうなあ。嫌いな人はとことん嫌いかも知れないけど。しかし、立体装丁はだめだと思うんだ。薄いということがより価値を高めることもあるんですよ、交流さん。でも仮に立体装丁で市場に出たとしても、私はよく訓練されたオタクだからそれくらい屁でもないよ。『PONG PONG PONG!』、いつも以上に余裕をなくしてしまっているリコ、いつも以上に素敵でよかったです。けど、あの大オチ、チェンジってのはないだろう。私は断然リコの方がよいです。だからもっと尊大に、横柄にいってください。

『ネズ巫女ちゅー』は、世界が変わる話。そう、確かに色がなくなる、っていうか、ものを見ていても、なにも見ていない感じ。全部が素通りみたいな感じがして、それは食べるものも飲むものも、全部一緒ですね。ほんで、表情がなくなって、周囲を心配させちゃいけないと思って表情つくろうとするんだけど、変わってないらしいのね。もう、なんだか、懐かしいなあ。意味もなく泣けてきたりしてね、なにがあったわけでも、なにを思ってるわけでもないのに、涙が流れてくるんだ。いや、もう、懐かしいなあ。『キルミーベイベー』、扉のふたりはなお可愛く、そして内容は面白く、のり弁はひどい。お母さんひどいです。

『メロ3』の前に、nonoteの情報が入って、収録されるのは『もんぺガール小梅』と『ファミレス☆スマイル』と『君がボク/僕がキミ』の三作みたいです。これはもう楽しみです。そして、『メロ3』。木ノ子の可愛さがどんどんアップしていきます。しかし、あのぶっきらぼうな妹もよいなあ。もちろん家庭科の先生も素晴しいです。この漫画は、主人公ハーレム状態と思わせて、実は彼は主人公というより傍観者で、しかもハーレム状態に気付かないという、なんかむくわれているのかそうでないのかわからないという、そういうところが面白いなあと思えて、なんだか達観してしまっているようにも思える、あの兄さんが大好きです。

きつねさんに化かされたい!』が最終回ですよ。あああ、さびしい……。変態や駄目な人がとにかくたくさん出てきた漫画でしたけど、そうした人たちも普通に受け入れる、そんな保健室の光景は、変態で駄目人間である私にも心地良かったということなのかも知れません。しかし、先生はなんで自分は除外してらっしゃるのでしょうか。実をいうと、なんだか台無しな感じのするラストがくるんじゃないかと思っていたものですから、思った以上の正統的ラストに驚いて、しかしそれ以上になんか一段落がついたという、そんな感じのほうが強くって、ああ、さびしい……。けれど、それはそれだけこれまでの時間が楽しかったってことだものなあ。しみじみとそう感じながら、お疲れさまでした。好きな漫画でありました。

こどもすまいる!』は、萌えポーズ、もう萌えでイイよ、その屈辱が君の魅力を下支えするのだと思います。『境界線上のリンボ』はちょっといい話でした。『三者三葉』は、照さん、丸くなられたなあ。張り切る西山さん、その頑張ろうとする姿が尊いじゃありませんか。そして、だんだんに距離が縮まっていく、そんな予感がして、それは照さん、西山もそうだし、そして葉子様、辻妹もそうで、ということは、ちょっと待って、双葉には兄貴が!? なんてことでしょう。それはそうと、妹の呆れ顔は、新たな魅力発見であります。こういう顔、好きです。『二丁目路地裏探偵奇譚』はやっぱりショコラの身内でした。お姉ちゃんと呼ぶ、その呼び方が可愛いな。

『らぶ、はじめました。』は、やっぱりスカートは短かくないと駄目ですか? 私は長い方がずっといいと思うんですが。昔から、そして今も。鏡に向かって「キレイ」「カワイイ」と唱えるというのは、地味に効果があると思います。で、自信がついたら、それが魅力を下支えするから、実際にちょっと可愛くなったりするんですよね。いい仕事でありました。『SweetHome』は扉がなんて魅力的なのだろう。というのは置いておいて、しかし、お姉さん、可愛いなあ。というか、姉的魅力とはちょっと違うように思いますが。『からめるマフィン』は、正直どんなだったろうと思いながらのリハビリ中なのですが、面白かったです。しかしコースの名前ひどいですね。というか、先生も可愛いなあ。同じ人のことを、知らず知らず話題にして、その見る人が違えば受ける印象も違ってくるという、羅生門的状況、こういうしかけ、好きです。

『ねこきっさ』、って、あれ? ちょっと待って。今まで、一度も『ねこきっさ』に言及したことなかったっけ? うわあ、意外。好きな漫画なんだけどなあ。けど、ルーシアちゃんがかわいいんだよーとはいってるのか。最低だな。しかし、その可愛いルーシアちゃんは今月いいとこなしでした。でも、その酷い目にあってるところもいいっていうか。そしておやっさんも酷い目にあわされる、その酷い目というのが本当に酷いという。その酷さがよかったです。

まーぶるインスパイア』は、もうすっかり癖になっています。あのみりきの一連の流れはもはや様式の美といっていいほどだけれども、あれを他人事のようにして笑えない人もあるのではないかと思います。はい、私がそうです。しかし、なんだかやりたい放題な感じになってまして、それでまたそれがいいぞもっとやれってな感じでして、本当、このハイテンションは癖になります。で、パソコン買った暁には、るくはが四面ロ歌の最後の枠を埋めるというのですね。そうかあ、パソコン買ってからが本当の戦いであるのか。その時がきたら一体どんな風になるのか、その日が待ち遠しいけど、けど、きっとものすごく展開遅いんだろうな。でもって、その遅さもまた癖になるんですよ。

My Private D☆Vは『アットホーム・ロマンス』の風華チルヲさん、っていうか、本当にチルチルって呼んでいいの? 本当に呼んじゃうよ? チ……、チルチル?

うん、予想はしてました。けど、予想を超えていました。それはイラストもそうなら、文章もそうで、お前がいうな、といわれそうな気がしますが、あえていわせてください。すごく長い! で、高密度。素晴しい畳み掛けにございました。けど、この人は汗と匂いが好きなのか。いや、それは漫画読んでたらわかるような気がします。雨の中[中略]ほほえむ萌え、それもわかるような気がします。私[中略]…は確実にわかります。

私は残念ながら、スポーツ少女的萌えにはぴんとこないのですが、けれど最近少しずつ変わってきつつあるようで、スポーツしてる人もいいなあって、感じるようになりました。だから、これは経験の量であるとか質の差なんでしょうね。だから、いつかその汗や匂いの魅力というのもわかる日がくるかも知れません。

それはそうと、その28歳[中略]脇が、体育教師なの? なのに眼鏡!? す、素晴しいな! って、私も対象年齢なら何でもいい奴であるのかも知れません。ああ、この場合は年齢が問題ってわけではないですけどね!

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第6号(2009年6月号)

引用

  • ざら「ふおんコネクト!」,『まんがタイムきらら』第7巻第6号(2009年6月号),53頁。
  • 娘太丸「こどもすまいる!」,同前,121頁。
  • こととねお試しBlog: 0からはじめましょう!
  • 風華チルヲ「My Private D☆V」,前掲,217頁。
  • 同前。
  • 同前。
  • 石見翔子「かなめも」,前掲,37頁。

2009年5月8日金曜日

『まんがタイム』2009年6月号

昨日は『まんがタイム』の発売日でした。連休明けての最初の出勤日。いつもよりちょっと早めに起きて、余裕を持って出発。駅前のコンビニで『まんがタイム』買って、電車乗って、また日常に戻ってきたと実感しながら職場へ向かったのでした。ところで、そのコンビニというのは四コマ誌に関してはちょっと優秀でして、芳文社の四コマ誌は多分全部買える。竹書房は『まんがライフMOMO』が買えないかも。双葉社は『コミックハイ!』が買えない? けどこれって四コマ誌じゃないよね。おそらく日本でも有数の四コマ誌品揃えを誇るコンビニだと思うのです。でも、これ、多分私が買い続けてきたからなんだと思うんです。一度でも違う店で買うと、翌月からは置かれなくなるんじゃないか。そんな心配しながら毎月雑誌を買っています。

『まんがタイム』2009年6月号は、野暮なおっさんに始まって、粋、粋、飛ばして、粋と続く、そしていちびりに着地するっていう、変則のリズムが面白いというかなんといいますか。ここは野暮には言及せずに、最初の粋は小説家、『だって愛してる』、畑中氏は実際かっこいいのかも知れないな。すれっからしのニヒリストぶっているけれど、その内面にはウェットな感情を隠していて、しかしそれを表にだらだら出したんじゃ粋じゃない。次の粋は『ニッポンのワカ奥さま』、江戸っ子は初鰹に粋を感じたっていうネタがありましたが、そういえば出だしは青葉、あとはほととぎすがあれば完璧でしたね。初鰹にしても青葉にしても、ただそれが初物というだけで珍重したってわけでなく、生活のはしばしに季節を感じて、それを楽しもうという、その心意気が粋だったのでしょう。しかし、ワカさんの焼き鳥屋での一コマ、楽しみに貪欲である、しかし押し付けがましくないっていう、その姿、それが粋だと思います。そして『ラディカル・ホスピタル』、粋っていうのは、大げさでなく、けれど気の利いて、お、これはいいねと思わせる、そうしたセンスであるのかも知れませんね。べたべたとせず、さっぱりとして、所作ふるまいからが身綺麗と感じさせる、そうした見せ方、生き方が粋、ってやつなんでしょう。

関西では、粋にあたる表現って、どういうんだろう。しゃんとしている? ちょっと思い付きません。けど、その反対はわかる。いちびり、ですな。それこそ『わさんぼん』の主人公、ああいうのがいちびり。なんや、あいついちびりやがって。えらいごんたがきよったもんやで。そういって、京都だといけずする。ゆうか、多分東京でも野暮は嫌われるもんやと思いますが、それは関西でもおんなじで、いちびりは嫌がられます。その点、草太はいちびりでも、まだ愛されてるなあ。主人公補正なのか、ばたばたごちゃごちゃうるさいだけで、阿呆なだけで、悪いやつやあらへんからか。どうかはようわからんけれど、まあ、こういうのんは苦労したらええと思います。

『はこいり良品』は商店街の将来を憂えてみたりして、しかし本当に商店街とか歩いてみたら、このお店大丈夫なんだろうかと心配してしまうようなことってあります。すごく人のいい奥さんが店番されてたりしましてね、あるいは古書店のおやじさんといろいろしゃべってみたりしましてね、なんかそういう交流が嬉しかったりするんですが、けれどそうした非効率は効率の前に消えていくんでしょうか。スーパーもいいし、大型の郊外店もいいけど、ああした商店がやっていけないという世の中ってちょっといやだと思います。

天子様が来る!』では、ユキジが哀愁漂わせて、なんかほのかな哀れさがしみじみとした笑いを誘います。あの、いそいそとお茶の用意なんかしちゃってる姿、ささやかなしあわせを感じているんだなあって、あのコマだけでわかります。だからこそ、あの落ちでの落胆は、哀れで哀れで。いつかユキジがうちにくることがあったら、おいしいお菓子を出してあげるよ。

みそララ』は想像していた以上に正攻法で取り組むことになって、けれどそうした無理矢理にアクロバティックにもっていかないところ、それがこの漫画のよさなんだろうなって思います。すとん、すとん、といちいち納得のいくような、発想と頑張りがあるから、それがどういう結果になろうとも、それでもよかったよねという気分になれるのだと思います。そして、きっと今回は、最後の最後、結果も、ああよかったねというところに落ちるだろうと予想して、それはつまりあの困りものの店長がみごと攻略されればいいと思っているってことです。そして、その攻略されるということは、店長の満足感にも繋がる。誰も損しない、誰もがいいと思える結果が出る。それはもう本当に爽快なことであるなあ。ところで、あの箱の失敗談、わらったけど、多分、これは現実にあったことなんでしょうね。現実だときっと笑えないと思います。笑ったとしても、ひきつり笑いが関の山ってとこでしょう。

『ウルトラ金ちゃん』は、銀ちゃんがなんだか色っぽくて、でもこういうこというと、なんだかすごい罪悪感があるから、黙っておきたいと思います。ザクロがザクレロに見えたというのも内緒です。

『プチタマ』は、あのいつも怒っている印象のあるお母さんが、めずらしく失敗したりして、ああやはりたまりの母であるということなのか。あの、溶けたアイスクリームはものすごい甘さでしょうね。一度経験すると、次からアイスクリームを食べるのを躊躇するようになる、そんな強烈さがあります。

『ハコニワ』は、新しくやってきたお母さんは死神、だから常識をあまり知りません、という設定がよくいきていたと思います。単純だけど、面白いと思うところがあって、うん、四コマ漫画は単純で面白いというのが一番いいと思うんだ。

『男子のための人生のルール』は、怪獣消しゴムのモデルになってる怪獣が、なんとなくわかるようにできてるところがいいですね。からすやさとしはこの怪獣相撲を平成の、21世紀の今になってもまだやってるそうです。まあそりゃいいんですが、私は賭けごとは嫌いです。あの眼鏡の女の子みたいな人は好きです。

『それぞれの夏』は、なんかすごい脱力感があるのですが、絵からも、内容からも、けれどそれがよくマッチしていてよかったと思います。野球一本というのは、基本的に野球を見ない、しない私にはちょっときびしかったけれど、それでも面白かったです。ユニフォームに料理の材料が書いてある、あのばかばかしさはよかったです。

『おかんでGO!!』、おかんもギターです。薔薇柄の、ちょっとそいつは悪趣味じゃないかと思うようなギターですが、けれどおかんには妙にマッチしているように思います。ヘッドの向きが逆、つまりレフティをひっくり返して右用にしてるのは、きっとおかんがジミ・ヘンドリックスファンだからなのでしょう(冗談抜きで、そういうモデルが存在しました)。『放課後のアインシュタイン』で先生が弾いているギターは、多分レス・ポールカスタム。まあ、そんなことはどうでもいいのですが、背水の陣を敷く先生に胸打たれたのは私も同じです。ところで、超恐竜展って、今、国立科学博物館でやってるやつ!? と思ったら、本物は大恐竜展でした。いってみたいなあ。面白そうだなあ。

『視界良好』は、姉成田秋奈が好きですが、それは眼鏡だからじゃなくて、みつあみだからでも、セーラー服だからでもなくて、そのはきはきとして明るくてはつらつとしている、そうしたキャラクターにひかれているのだと思います。ちょっと凛々しい感じのお姉さんってところがまたいいのだと思います。

『サーシャはなでしこ』。ベタな話なんだと思う。どこかで見たような、経験したような、そんな感じがする。けどそうしたところがいいと思っているのかも知れません。お弁当の話はよかったです。めりはりがあって、テンポよく、台詞にたよらず、面白さを感じさせてくれて、よかったです。

『ラブじゃらし!』は、姉妹ふたりで暮らしてるのかと思ってたら、なんとお母さんがいるっていう、そいつはにゃんズでなくとも驚きだ。なんだかちょっと『にこプリトランス』思い出したりしましたよ。

『安堂友子の生きてます日記』、お母さんの歯が怖いです。あれは、今はやりの肉食系とかいうやつですか? 肉じゃなくて、チョコ食べてますけど。そして『PEACH!!』。ヒラメ食べたくなりました。台湾式広能も可愛いけれど、おさんどんする割烹着広能はもっと可愛いです。しかし、すっかりちっこくなっちまいましたね。

  • 『まんがタイム』第29巻第6号(2009年6月号)

2009年5月7日木曜日

もののふことはじめ

 思い返せば、じわじわと面白くなってきたのでありました。神堂あらしの『もののふことはじめ』。新居の庭に行き倒れていた侍一匹。飢えていたところを助けられた恩義に報いんと、殿、奥方様、若君と、慕ってくる仙之丞の可愛さよ。殿様風にいうならば、ういやつじゃ、ってなところでしょうか。しかし、残念ながら時代はまさに現代。テレビは薄型、携帯は女子高生どころか小学生のちびっ子でさえ持ってるような、そんな時代でありますから、仙ちゃんはどうにもこうにも浮いてしまう存在で、そうしたカルチャーギャップを楽しむ漫画といったほうがいいのでしょう。殿は高校の先生、奥方は元生徒の専業主婦。仙之丞の言動にはらはらして、なんせご近所の目もありますから。でも、最初こそは迷惑な押し掛け同居人、いや、押し掛け家来か、であった仙之丞も、だんだんに芝浦のうちになじんできて、そしてその仙ちゃんのなじんでいくテンポで、私もこの漫画を面白いと思うようになっていったのだと思います。

しかし、最大のターニングポイントは、奥方の妹君、千歳どのと仙の邂逅であったのではないかなと思うのです。ちょっぴりおきゃんな女子高生に仙は一目惚れですよ。この時を境にして、仙は、非常識な言動で周囲を、殿や奥方様を困らす人から、千歳どのという存在に振り回される人にバージョンアップした。ついでに、その可愛さもレベルアップした。実際、それまではオバケのQ太郎的ポジションであった、つまりは家族の一員であった仙が、千歳どのとの組み合わせで躍進したのだろうと思います。『もののふことはじめ』といえば、純情お侍仙之丞が、女子高生千歳に心ひかれるその様を楽しむ微ラブコメ、そんな風に変化したんだと思うんですね。それは表紙に描かれた、仙と千歳どの、そして若君ちあき様、この三人がメインの絵からも感じられるように思います。

しかし、それでもやっぱり殿、奥方があっての『もののふことはじめ』であります。奔放なお戯れをなさる殿、まったくのいいがかりなんですが、笑っちゃいましたよ。というか、笑わずにはいられません。どんな時代からきたのか、そのへんいまいちわからない仙ですけど、仙の常識、つまり殿は側室を持っても当たり前とかですね、そうした現代では通用しない常識でもって、がつんと誤解をふりまいてくれるような、そういうところが面白くて、しかもその誤解っていうのがわりと致命的というか、その状況でそれは最悪だというね、そういうところを的確に突いてくるものだから、面白くって、よかったなあと思うんです。いや、誤解とは限らないか。あえて黙ってることを暴露したりね、仙としては助けようとしたんだろうっていうんですけど、残念ながら嫉妬深い奥方様には通用しなくって、もっと窮地に陥ってるから、っていう、その塩梅がね、よかったなっていうのです。

奥方様について少々。まだ奥方様が生徒だったころ、あんまり私の好みじゃない。今のほうがずっと魅力的だな、っていうのはどうでもいいとして、最初従順に見せて、今となっては有無をいわせない、そんな勢いと剣幕で殿を押さえてしまってるってとこね、けどなんのかんのいってラブラブだっていうとこね、そういうところは素敵だなって思いました。というか、『もののふことはじめ』に出てくる女性って、みんな多かれ少なかれそんな感じであるな……。だから、仙の慕う千歳どのも、きっといずれは般若のようになるのでしょうよ。けど、その般若にもさせてしまう情の深さ、それが見えるところがいいんでしょうね。

引用

2009年5月6日水曜日

Let It Be

 連休も今日で終わり。今年の連休は、うちに籠ってのひとり合宿。エレキギターを弾き、サックスを吹き、アコースティックギターを弾き、そして歌う。充実した数日。各楽器ごとに持ち時間二時間、合間に三十分ほどの休憩が入って、けど多分、もっと弾いてたと思う。楽器持ち替えるたびに音階をいちからやりなおすというね。もう、どんだけ音階好きなんだっていうね。メトロノームは58に合わせて、この若干遅めのテンポで、しっかりと意識しながら弾くのがいいんです。音階が終われば、エチュードやって、しかし練習するのはいいんだけど、それを披露する機会はないっていうね。もうがっかりです。なんなんだろうなあ。がっかりですよ。

連休最終日、ふと思いついて、『イマジン』を歌いたいなって、ジョン・レノンのImagineですね、それで楽譜がなかったかなあと思って探してみたら、なくてですね、かわりにHey JudeLet It Beが見付かった。古い高校の教科書に載っていたもので、こんなことなら中学のも残しておいたらよかったよ。結構気のきいた選曲されてるもんなんですよ、教科書って。そういえば、高校の実習にいったときは教科書買ったけど、中学の実習にいったときってどうだったっけ。忘れました。買ったんじゃなかったかなあ。もう覚えてないなあ。

Imagineを歌いたかったけど、なかったので、Hey JudeLet It Beを歌ってみて、このどちらもいい歌で、けどHey Judeは最後えんえんリピートしてF. O.なんて書いてある。フェードアウトですね。これ、生身じゃちょっと無理です。だからもっぱらLet It Beを歌って、そしたら本当にいい歌で、歌詞も平明でわかりやすく、それでいてとても深くて、なにか啓示のようなことを歌っています。苦難の状況にあるとき、母メアリーが現れて、それがあるままにしておきなさいという。今置かれている状況をあえて変えようとするのではなく、それを受けいれて、継続しなさいと受け取ったらいいのか、あるいはすべてを神さまに委ねて、あなたはあなたのなすべきことをなしなさい、そう捉えるのがいいのか。おそらく聴く人によってそのとりようは違ってくる、そんな歌だと思います。そして、その感じたことがその人にとっての正しいことなのだと思います。

私はこの歌を、ビートルズによるものと、それからニック・ケイヴによるものの二種類持っていて、後者は映画『アイ・アム・サム』のアルバムに収録されていたものなのですが、サラ・マクラクランのBlackbird聴きたさに買ったこのアルバム、実によい演奏が多くて、ニック・ケイヴのLet It Beもそうなんですね。語るようにして歌われる、その表現はビートルズのものとはまったく違っていて、静かにしてシンプルな伴奏にのせた歌の表情の豊かなこと、しんみりと思いをつのらせる、美しくて、感動的な名演です。真に力のある歌、歌手は、多くを必要とすることなしに、ただそのありのままで、人の心にはいりこんで、豊かにする。そのように思わせる、そんな歌なのです。

12 inch Analog

2009年5月5日火曜日

みんなのPython 改訂版

 私は、趣味ではプログラムは書かないのですが、仕事では書くことがあって、けれど自分はプログラマですといえるほどのものは書きません。じゃあどんなプログラムを書くのかといえば、Excelに通してしまったために値が変更されてしまったCSVを手当てするプログラムであるとか、CSVファイルを読んでログインIDとパスワードをメールで通知するプログラムであるとか、そういったものを書くんですね。ちょこっと、隙間みたいな時間で書けて、うまく作ってやると、あとあとも便利に使えそうな、つまりは繰り返しやることがわかってる作業を楽にする目的で、あるいは人の目だと見逃しをやらかしてしまいそうな、けれどやること自体は単純な(いいかえればつまらないが量だけはしこたまある)作業を確実にやっつけたいときとかに、プログラムは役立ちます。

さて、プログラムとひとくちにいいましても、言語が違えば作法も変わってきます。そのため、自分にあった言語を選ぶのが大切です。また、作法が自分にあっているというだけでなく、自分の使っているプラットフォームに対応しているかどうかも重要です。例えばWindowsしか使わないという人だったらなでしこあたりが最適と思われますが、残念ながら私は自宅ではMacintoshを使っているため、なでしこはあきらめざるを得ませんでした。

職場ではWindowsを使い、自宅ではMacintoshを使う、そんな私にマッチした言語はPythonでした。Pythonの特徴は、プログラムのブロックを表現するのに、タブ(インデント、スペース4つが推奨)を用いることとよくいわれます。Perlなんかでは波括弧({})を使いますが、Pythonはインデントの深さでブロックを表現するから、誰が書いたプログラムであっても、そこがブロックであるとわかる。こんな具合に、言語自体が持っている規約がプログラムを読み易くするのに貢献するから、人の書いたプログラムであっても、また自分が昔書いたプログラムであっても、スムーズに読んでいくことが可能です。まあこのあたりは、Python Japan User's GroupのPythonの紹介あたりを読んでいただくとして、あるいは今日紹介しようとしている本、『みんなのPython』の著者である柴田淳氏のBlogPythonがプログラミングの学習に向いているたった一つの理由を読んでいただくとして、それで面白そうだなと思ったら『みんなのPython』買っていただくとして、いや、本当にPythonはお勧めです。もちろんなでしこでもいいんですけど。

私がPythonを愛用しているのは、エリック・レイモンドがすすめていたから、ということもあったのですが、他にもいろいろ理由があって、まずは先程のインデント、こうした言語の仕様から適切なプログラミングの作法を学ぶことができるのではないかという期待があって、そしてweb上に公開されているまとまった和訳ドキュメントの存在です。体系的なリファレンスがあるというのは、プログラミング言語に限らず、なにを学ぶにしても重要なことで、自分の手にしている情報が新しいかどうか、信頼できるものであるかどうか、それがはっきりしているだけで学習の効率はあがります。この点、Javaなんかも素晴しい。リファレンスに加えて、Eclipse IDEあたりを使うと、Javaの作法についてもがんがんつっこみ入れてくれて、すごく勉強になります。って、どんどん話がそれていくな。

Pythonはドキュメントが充実しています。Pythonでわからないこと、調べたいことがあったら、まず標準ドキュメントを読みにいくというのがならいになっています。もう何度アクセスしたかわからない、それくらいであるのですが、しかしこれらをしっかり全部通して読んだこともまたないのですね。いやあ、あれは辞書みたいなものだと思ってまして、わからないことが出るまでは読まない。そんな横着をしているせいで、時にまわり道をするようなこともあって、例えばそれはこんな具合です。

Excelで開いたため値が変更されたCSVが持ち込まれたときの話です。0埋めで桁がそろえられているデータの0が全部とんでしまった。それに対し私は、0埋めをする関数を書きまして、それはこんな具合。

def touch_len(s, digit=6):
if not isinstance(digit, int):
raise TypeError('need int as digit, got %r' % ¥
type(digit))
while len(s) < digit:
s = '0' + s
return s

文字列を渡すと、0を追加して指定の長さ(デフォルトで6桁)にして返してくれる関数です。けど、同様のことをしてくれる関数(正確にはメソッド)はPythonが標準で用意していて、つまり私は書かないですむ関数を書いたってわけなんですね。今回の関数は短いものだったからいいけど、これがもっと長くて複雑でややこしくて面倒なものだったら、どうでしょう。すごい回り道です。やらなくてもいい苦労です。私は面倒は大嫌い、しないといけない苦労も避けたい、そんなタイプです。だから、苦労、面倒を避けるためにも、ちゃんと言語の仕様は知っておいた方がいいなあ。そう思ったのでした。

『みんなのPython』を買ったのは、ちゃんとPythonを知りたいと思ったからでした。けれど、この旧版を買わなかったのは、その存在を知った時点ですでにちょっと内容が古びはじめていたからでした。だから、今回の改訂はすごくありがたかったです。発行はつい先月の11日。扱われるバージョンは、現在主流である2系の最新版である2.6です。私は常に最新版をと思っているので、ちょっとしたプログラムを書くさいには3.0.1を使っていますが、CGIには2.6.2を使っているから、まだまだ有用です。出ていると知った翌日にはもう買っていました。それでちびちび読んでいる最中です。知らなかったこと、知りたかったことがいっぱい書かれています。それも、わかりやすく、親切に、丁寧に書かれていて、プログラムなんてしたことない、っていう人にもきっとわかる、そんな丁寧さはちょっとまどろっこしいと思わないでもないのだけど、いずれその丁寧さに感謝する日がくるはず。ちゃんと理解できてないようなトピックにぶつかった時に、まどろっこしいなんて思ってごめんなさいと謝るのですね。

けど、プログラミング言語なんてすすめられても、日常に使うようなことってあるか? そういわれると、人によるかな、というしかないでしょうね。例えばですね、このBlogから四コマ漫画に関係しそうなページを抽出してリストを作るとかね、あるいは自分のサイトのリンク集にデッドリンクがないかチェックするとかね、あるいは更新履歴を残さない、過去ページも残さない、そんな漫画家のサイトを定期的にチェックして、更新されていたら内容をダウンロードするとかね、応用しようはいくらでもあろうかと思います。私はどれもやってませんが。コンピュータに関することで、こんな風にやりたいんだけど、いいソフトがないんだな、と思うようなことってあるかと思います。それがあんまりに高度なことだとお手上げでしょうけど、ちょっとしたことなら、こうしたプログラミング言語を使うことで解決できたり、作業、手順を簡略化できたりするっていうことは結構あるものです。そうしたときに、Pythonが力になってくれるかも知れませんよ。

2009年5月4日月曜日

『まんがタウン』2009年6月号

ゴールデンウィークのおともに四コマ誌。今日の『まんがタウン』で一段落ですね。休みに発売日が重なって前倒しになった三冊、いや二冊か、『ホーム』は発売日どおりでした、一日一冊のペースで読んで、今日で三日目。雑誌感想もとりあえずの打ち止めです。

『クレヨンしんちゃん』は、正直なところを申しまして、あんまり好きな漫画じゃありません。けど、今回の石の話、とてもよかった。確かにベタで、こうなればこうくるだろうという、そういう予測にきっちりはまる、そんな話であったのですが、あの晴れやかなボーちゃんの笑顔、あれ見たら、そんなことはどうでもいいじゃないか。これは、望まれるまま、望ましいかたちに落ち着いて、よいと感じられる漫画であったと思います。

うちの大家族』は、あゆむが三バカから一歩リードかと思いきや、結局全然リードできていないという、そんな話。というか、彼らの基本の立ち位置考えると、一歩リードとか最初から思わない。なんつって にゃははははにはやられました。とばしてるなあ、みゆみ。

『天下無双!恋メガネ』はとってもよい表紙、じゃないや、扉ゴマ。私は、こういう直視する表紙が好きです。これまで誰にも知られてこなかった? 天華のモテないという秘密、それをちょっと共有できるような相手が出たってことなんでしょうか。この人が定着するのなら、それはとてもいい関係なのではないかと思います。それはそうと、最初の柱の煽り、笑ってしまいました。応援します、なにをかわからんけど。

そんな2人のMyホーム』は、おやじさんがかわいそう。いつになくかわいそうな輝君。妻への愛の深さが偲ばれて、なんかちょっとつらいとさえ感じられる回でした。おやじさん、かわいそう。

『中華なOLめいみん。』、エレベータの扉をこじ開けるメイミンが、なんていうんだろう、ヤクルトの空き容器とかで作れそうなシンプルさで、可愛かった。『OKAMI — おかみ』は、ふたりの関係性は少し進んで、けれどおかみ退場というわけにはならんのですね。状況を動かしつつ、環境を変えないためには、これくらいがちょうどよかったってことなのかも知れません。

『70's 愛ライフ』は注釈がふるってます。

1970年代には、街中で野良犬をしばしば見かけた。また、飼い犬の無駄吠えが現在より格段に多かった。

たしかに、私の知る昭和もそんなだったように思います。学校帰りに野良犬と遭遇したり、またサイレンや時報のメロディベルに合わせて吠える犬があっちにもこっちにもいて、そうか、あれは昭和の風景だったのか。『三色だんご』は、市川さんの蜜月が終わり。しかし、この人の女運の悪さは惚れ惚れさせるものがあるな。あの人の方が私より素敵? って聞かれて、どう考えてもどっちも素敵じゃないよな。

ほほかベーカリー』は、店長の可愛い期間が終了です。しかし日本勢が完敗ってのは解せない裁定です。『だめよめにっき』はフルカラーに復帰。扉ゴマはヨメとツマコが衣装を取り替えっこして、なんとヨメが眼鏡だ! けど、ツマコが好きです。本編においてもツマコの魅力はとどまるところを知らず、ほほか店長の可愛い期間は終了したけれど、ツマコの可愛い期間は絶好調開催中である模様です。しかし、レーシックってあらためて説明されると、すごく怖いな。

『子供失格』に描かれるもろもろは、私の思うところを反映するかのようで、このシニカルさは最高です。けど、萌えないメガネ女子大原さんが萌えないっていうのはおかしい。私、彼女に萌え萌えですが。萌え萌えなんて具体的に言葉にしたの、生まれてはじめてじゃないか? なんかすごくみっともない気分だぞ! 『だらだら毎日のおでかけ日和』は、確かにこうして描かれると、その街に興味が出てきて、自由が丘ですか、ちょっといってみたいかもって気になります。しかし、今回の見どころは、動物苦手といいながら、ちょっとさわれて嬉しくなってるダンナ様でしょう。め、眼鏡だからじゃないよ?

『龍天寺夫妻の生活』、友人のよっこはいいたい放題だな。あんなオヤジとちゅーとかしたり!! って、あんなオヤジがタイプの人も世の中にはいるかも知れない。まあ私も、あのオヤジとちゅーするなんてごめんでありますが。あ、それは、ロマンスグレーなおじさまならオッケーってことじゃない。私は、直接繁殖につながらない相手とカップルになりたいと思う組ではないはずです。『光の大社員』、すずなサン出現ですっかり鳴りを潜めたと思われた係長のぬううッは、ひとりでいるときに発揮されてるのですね。係長の買い求めた本、『忍術とおもしろ手品』は学研のひみつシリーズ『忍術・手品のひみつ』を彷彿とさせて、ああ、ちょっと懐かしい。

『よせ☆あげ』、ライバルが継続して登場して、それはかわりものというか、極端な人がまた増えたってことなんですが、けれど嫌いな感じじゃない。というか、結構気にいっています。いや、別に3枚装備だからとか、そういう理由でじゃないよ? 『みねちゃんぷるー』は、今日も雅が可愛かった。というか、どうしても中学生ということを忘れてしまいがちです。さて、だいたい峰は家事とかできるの? いや、それは結婚の必要要件じゃない。どっちか得意なほうがすればいいのよ。って考える私は、かなり男女共同参画論者寄りです。

かりあげクン』、パンジージャンプは素晴しいな。そして見どころは、きれいなかりあげであります。

  • 『まんがタウン』第10巻第6号(2009年6月号)

引用

  • 重野なおき「うちの大家族」,『まんがタウン』第10巻第6号(2009年6月号),23頁。
  • 吉田美紀子「70's 愛ライフ」,同前,91頁。
  • 山田まりお「三色だんご」,同前,101頁。
  • たかまつやよい「龍天寺夫妻の生活」,同前,167頁。
  • 松山花子「子供失格」,同前,119頁。
  • 岩崎つばさ「みねちゃんぷるー」,同前,202頁。