2006年7月19日水曜日

30GIRL.com / サーティーガール

    『サーティガール』はずいぶん昔に話題になった漫画で、いやあ、私も見にいきましたよ。ん? 見にいった? どこに? って、もう読者の皆さんにはお分かりとのことかと思いますが、30girl.comっていうサイトがあるのです。そこに連載されているコミックが『サーティガール』。カワイシンゴ原作、岩崎つばさ漫画で、powered by HITACHIですよ。キッチン回り、バス回りを豊かにする日立アプライアンスオイダキ.コムのイメージキャラクターであったリリコとジョーズが独立してWebコミック展開! その話題のWebコミックが書籍形態でリリースされたのが、この『30GIRL.com』及び『サーティガール』というわけです。

なんで二種類あるのかは聞かないでください。私も知らんのですから。

双葉社版(『30GIRL.com』)と白泉社版(『サーティーガール』)は基本的に同じ内容です。ええと、2巻の頭までかな? が同内容の収録で、けれど切り口が違うから、30girl.comを味わうなら、両方を買うべきでしょう。版型が違うから自然レイアウトも変わってきて、また人物紹介の内容も両方違ってるし、それに日立のカタログ表紙に登場したリリコさんのカラーグラビアがあったりなかったりするから、好きなら両方買っとけ、って勢いです。

なお、私の好みでいうと、人物紹介やグラビアの点でいうなら双葉社版がいいかな、けど漫画を読むなら白泉社版の方が好きだな、そんな感じです。

『サーティガール』を漫画として評価するなら、踏み込み浅めのあっさりした口という感じになるんじゃないかと思います。でも、とにかくよく動くキャラクターが主人公をやって、またその主人公に負けない個性的なキャラクターを周囲に配置して、かしましい面々のどたばた繰り広げるコメディが読んでいて本当に楽しい。コミック版にはときにキャラの内心を説明するようなコマがカットインされるんですが、そうしたフィーチャーもさりげない面白みを加えて、結構好きな雰囲気に仕上がっているお気に入りの漫画です。

でも、多分、これってキャラクターに入れ込んで読んだほうがもっと面白い、キャラクター型漫画でしょうね。元気な主人公、よくしゃべる義姉、よく食べる義妹、そしてこわもてクールな義母。他にも個性的なのが数名。ちょっと類型的だけど、岩崎つばさの描き方のためか、あんまり類型的とは感じないで済んでいます。こうしたキャラクターを把握すると、その途端に漫画の面白さレベルが跳ね上がります。でも、最初のころは妙にわかりにくいんですよね。キャラクターの把握もすぐにはできないし、人間関係も微妙にわかりにくいし、けどこの点双葉社版は各キャラクターの解説に基本情報や他のキャラクターについてどう思っているかというのが箇条書きにされていたから、わかりやすくてありがたかった。双葉社版をいっぺん通して読んで、人間関係その他設定をざっと把握した後に、白泉社版に突入する。そうしたらきっとずっと面白いと思います。そして読んで読んで、その後にお気に入りのキャラクターでもできたら完璧じゃないでしょうか。ええ、私、この漫画、一度読みはじめると止まらなくなって、全巻読んではまた読み返してみたいなモードに突入してしまうのです。

そんな私のお気に入りは、町内三馬鹿三十代を構成する、湯神家長女加奈子です。どこがいいかは、双葉社版人物紹介を見てくださったらわかります。もう、完璧じゃないですか?

  • 岩崎つばさ『30GIRL.com』カワイシンゴ原作脚本 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2004年。
  • 岩崎つばさ,カワイシンゴ『サーティーガール』第1巻 (ジェッツコミックス) 東京:白泉社,2005年。
  • 岩崎つばさ,カワイシンゴ『サーティーガール』第2巻 (ジェッツコミックス) 東京:白泉社,2005年。
  • 岩崎つばさ,カワイシンゴ『サーティーガール』第3巻 (ジェッツコミックス) 東京:白泉社,2006年。
  • 以下続刊

0 件のコメント: