2006年7月18日火曜日

ヤダモン

 本当ならば到着次第ここに紹介してもおかしくなかった『ヤダモン』DVD-BOX第2巻。それがどうして、こんなに遅れたのかといいますと、実に単純な話でして、BOX第1巻をまだ全部見終えていなかったものですから、どうにも第2巻に言及しにくかったと、そういう次第なのです。ですが、休みの日に少しずつ見ていったBOX第1巻、この短い連休でついに見終わりましてね、そしたら早速BOX第2巻に突入ですよ。ああ、BOX 2には私の好きな短編があるんですね。6枚組の最初の2枚が短編集になっていまして、一話完結型の短編が収められています。これが実に素晴らしい。今日は一話だけ、みたいなつもりで見始めて、もう一話、あと一話だけ、ってついつい先を先を見ようとしてしまって、わたしゃ酒飲みか? でも、本当にそんな感じに先を見たいと思わせる、魅力的な話がいっぱいなのです。

しかし笑ってしまうのが、私、どうも特徴的な台詞に関しては、イントネーションをばっちり覚えてしまっておりまして、一体なんべんくらい見たんでしょう。この調子だと、当時はきっと台詞まで覚えていたとかそういう口ですよ。でも、実際、こと短編に関しては、覚えるくらい見ましたものね。というのもですね、十分で見終わるわけですから、とにかく手ごろなんですよ。ちょっと時間に空きがあって、なにをするにも中途半端ということってありますが、そういうときにすごくぴったりはまるのがヤダモン短編でした。ちょこっと見る、楽しい、嬉しくなる。けど、すべてのお話が仕合せだったり嬉しかったりするわけじゃないから危険なんですけど、でもたとえそれが悲しい話だったとしても、心にしんみりと残るものがあって、それが素敵なものであるというのは間違いないのですから、やっぱり短編はよいなあとそんな風に思うわけです。

短編は、中編(五回続き)ができない週、つまり相撲中継のある月に放送されておりまして、つまり各中編に差し込まれるかたちでの放送だったのです。だから、本当はこうやって短編だけとりだしてみるようなものではなくて、その時々の中編に関係していたりしますから、中編を見る、ちょっと短編を見る、中編に戻る、また短編を見る。そして、短編末期作品(かの名作「タコタコ上がれ!」はここに!)から「いつでも飛びたい」を経て、大河へとなだれ込むのが多分いいのだと思います。「いつでも飛びたい」の、仕合せな日常に別れの予感を漂わせた構成は、明らかに怒濤の大河展開を見越していて、私たち視聴者は知らない間に、あのハードに展開して見せる大河編への覚悟を済ませていたのです。

『ヤダモン』後半の大河展開を一気に見通すというのはさすがに不可能でしょうが、もし可能なら私はそれをやってみたいと思う。もしそれができたとしたら、心の動揺も、感動も、なにもかもが想像できないような振れかたを見せるのではないかと思います。そして、DVD-BOXが手もとに揃った今、自分の考える理想の視聴形態を追求することもできるわけで、ああ、なんという仕合せな状況でしょう。ちょっと前までは、こんな状況を身近にできるなど、思いも寄らぬことでした。本当に仕合せなことだと思います。

VHS

CD

書籍

  • 面出明美『小説ヤダモン』上 ちいさな魔女がやってきた! (アニメージュ文庫) 東京:徳間書店,1992年。
  • 面出明美『小説ヤダモン』中 砂の迷宮 (アニメージュ文庫) 東京:徳間書店,1993年。
  • 面出明美『小説ヤダモン』下 地球の詩がきこえる (アニメージュ文庫) 東京:徳間書店,1993年。
  • SUEZEN『ヤダモン』前編 (アニメージュコミックス) 東京:徳間書店,1993年。
  • SUEZEN『ヤダモン』後編 (アニメージュコミックス) 東京:徳間書店,1994年。
  • ヤダモン』第1巻 (アニメージュコミックススペシャル — フィルム・コミック) 東京:徳間書店,1992年。
  • ヤダモン』第2巻 (アニメージュコミックススペシャル — フィルム・コミック) 東京:徳間書店,1992年。
  • ヤダモン』第3巻 (アニメージュコミックススペシャル — フィルム・コミック) 東京:徳間書店,1993年。
  • ヤダモン』第4巻 (アニメージュコミックススペシャル — フィルム・コミック) 東京:徳間書店,1993年。
  • ヤダモン』第5巻 (アニメージュコミックススペシャル — フィルム・コミック) 東京:徳間書店,1993年。

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