ポッドキャストがなんとなく生活に馴染んで、真新しさとか話題先行とか、そういう評価はもう過去に押しやられそうになっていますね。私は、ポッドキャストばっかり聴いていると好きな音楽が聴けなくなるから、数えるほどしか購読していないのですが、今日、めでたく新たな購読ポッドキャストがひとつ増えました。それはなにかといいますと、16SHOTRADIO。かの一世を風靡したファミコンの偉人、高橋名人のインタビュー番組なのであります! この番組がはじまるというニュース、私は『MYCOMジャーナル』で知ったのでした。RSSで購読するニュースヘッドラインに、「高橋名人の逮捕疑惑がついに晴れる? - TFM、名人のポッドキャストを配信」との刺激的な一文を見つけて、こうなったら読まないわけにはいかない。そして読んでみれば、ポッドキャストを聴かないわけにはいかない。というわけで、購読をひとつ増やしたというわけです。
高橋名人は、まさしく時代の寵児でありました。「ゲームは一日一時間」という標語を日本全国津々浦々に浸透させ、ゲームに夢中の子供たちばかりか、ゲームに批判的なお母様がたの心も捉えた、本当、ファミコン史、ゲーム史を語るうえでは外せないビッグネームであります。
でも、私は特に高橋名人のファンだったとか、そういうわけでもないんですよね。ハドソンのゲームは持ってたけど、だって最初に買ったゲームが『マリオブラザーズ』と『ロードランナー』です。その後『ボンバーマン』も買ったしで、ハドソンは嫌いなメーカーじゃありません。でも、高橋名人といえば一秒間十六連射。連射が攻略の要になるゲームといえばシューティング、ですよね。でも、私、あんまりシューティングは好きじゃなかったんです。どちらかといえばアクションより、それに当時大流行したロールプレイングに傾倒していて、シューティングはほとんどやっていません。『ツインビー』とか持ってましたけどね。『グラディウス』とか『沙羅漫蛇』好きでしたけどね(これら、全部コナミ製ですね)。
シューティングをほとんど遊ばず、つまり全国キャラバンには参加するはずもなく、さらには高橋名人の映画を見にいったこともなく、アニメ『Bugってハニー』も見なかった私ですが(あれ? ゲームはやった覚えがある。なんでだろ)、それでも、なんと高橋名人の名を冠したゲームを持っているのです。それは『高橋名人の冒険島』。原始時代を彷彿とさせる世界において展開される横スクロールアクションゲームで、高橋名人の武器は石斧。途中で魔法の火に持ち替えたりして、またスケボーに乗ったりしながら進んでいくこのゲーム、難しかった。
有名なゲームでもってこのゲームを説明するなら、スーパーマリオタイプというのがいいのだと思います。スーパーマリオは4面で1ワールドを構成していたけど、高橋名人は3面1ワールドじゃなかったかな? ジャングルを抜けたり、地底に潜ったり。あるいはすごい坂道を、転がる大岩避けながら走り抜けたり、趣向を凝らした面構成がスーパーマリオとは違う面白さを打ち出していました。
高橋名人の教え「一日一時間」を守らず、私はかなりこのゲームを遊んだのですが、でも結局クリアにはいたらず、でした。難しいんですよ。何度も何度も死にながら、けれど不屈の精神で先へ先へと進むのですが、最終面までたどり着いておきながら、どうしても最後のボスを倒すことができなかったんです。結局スーパーマリオがクリアできたのは、ワープができたからなんだなあと思い知りました。ワープを駆使すれば、十分でクリアできるスーパーマリオ。対して、何時間もかけて最後の面にたどり着いて、疲弊した精神を奮い立たせながら最後のボスに立ち向かわなければならない高橋名人の冒険島。でも、この当時のゲームはクリアできないのが普通だったんですよ。今みたいに、誰でもクリアできるようには作られてなくて、だからゲームがうまいやつっていうのが光っていたよね。誰もクリアできないゲームが、そいつの手にかかるとあれよあれよと先に進んで、隠されていた謎も明らかにされて、そして私たちは、彼の威光にひれ伏すのです。
けど、私の回りには『高橋名人の冒険島』をクリアしたという人間はいませんでした。残念ですね。エンディングどんなだったんだろう。こればっかりは心残りですが、当時クリアできなかったものが、今クリアできるとは思えません。きっと私は、そのもやもやを心のどこかに隠しながら、これから先も生きてゆくのでしょう。
ところで、「ゲームは一日一時間」をキーワードにしてGoogleで検索すると、私のサイトがトップ表示されます。わお、あの曲解に満ちたアジ文がトップにくるのか。参ったなあ、こいつはいけねえや。でも、このキーワードで二万件もヒットして、よっぽど知られたフレーズだったんだなということがわかりますね。
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