2006年7月30日日曜日

悪魔様へるぷ☆

  だんだんと毎月の刊行点数を増やしていくまんがタイムKRコミックスですが、ごく初期段階は一冊だけとか出ても二冊とか、そういう穏やかな感じであったのです。一冊の価格が税込みで860円と少し高めのこともあって、この穏やかな出方は私にはちょうどいいと思われたのですが、最近はもう何冊も出る……。けどそれでも複数タイトル買ってしまっているのは、漫画読みというかマニアというかの性であるのかも知れません。

けれど、当初私は比較的セーブしていたのです。面白いなあと思っていても、よほどじゃないと買わないことにしていまして、それで割を食ったのは『悪魔様へるぷ☆』でありました。私はこの連載を結構楽しみに読んでいるというのに、単行本を買わなかった。第1巻を買わなければ、続きも買われない。だから私はこの先もこの本を所有することはないと思っていたのですが — 、先日刊行された最終巻を買ってしまいました。きっとそう遠くないうちに既刊も揃うでしょう。

この心変わりは一体なんでありましょうか。それは、極めて単純な理由で、私は意地を張っていただけなのです。『悪魔様へるぷ☆』購入を見送ったころは、私がもっとも選定条件を厳しくしていた時期であったというだけの話。その後、堤が決壊したかのごとく、山のように単行本を買うようになってみれば、なんで『悪魔様へるぷ☆』を買わなかったかという理由がつかなくなってしまう。後追いでもいいから買えばいいのだけれど、なぜか躊躇してしまっていた。単純に、意地を張っていたのです。

でも、結局買ってしまいましたね。普通じゃない教会で、普通じゃないシスターたちのどたばたとした日常や、ときに展開される心温まるようなエピソードにほだされてしまったためであろうかと思います。いや、一部の辛辣ヒロインたちが唯一の男性レギュラーであるクリム神父につらくあたる様に心ひかれてとか、そういうわけではないですよ。基本的に穏やかのんびり系の漫画であるのに、ときに挿入されるギャグの切れがかなりのものだったり、読者の期待を裏切らず答えてくれるようなお約束の処理がうまかったりと、この漫画特有の面白みに深くはまってしまったせいなのですね。雑誌掲載時には、他の連載に紛れながらも決して埋没することなく、しっかりと印象に残るだけの主張がありました。単行本で読んでみればこの漫画独特の世界観がブレなしに伝わってくるようで、やっぱり買ってよかったなというように思うのです。

第3巻を買ったのはもうひとつ理由があります。最終話、大団円を迎えたこのお話の、後日談なんかがあったら読みたいなと思った気持ちもあったのでした。さて、最終巻を読んで私の望みはたっせられたか? それは今は語らないことにしておきます。

蛇足

マリー様です。28歳や三十路は決して悪いことじゃありません。素晴らしいです、素敵です、完璧です。

  • 岬下部せすな『悪魔様へるぷ☆』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2004年。
  • 岬下部せすな『悪魔様へるぷ☆』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2005年。
  • 岬下部せすな『悪魔様へるぷ☆』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2006年。

0 件のコメント: