2006年11月4日土曜日

0からはじめましょう!

 『まんがタイムきらら』にて『ねこきっさ』に出会って以来、ととねみぎをひいきにしております。かっちりちんまりとしてかわいらしい絵に、若干ブラックなギャグが妙にマッチしているととねみぎの漫画は、一体どうして私の好みにあったというのか、それがどうもうまく言葉にならないものだから、これまで避けてきた模様です。当然書いていると思っていた『ねこきっさ』で検索してみたところ、なんと検索結果が0。あれー? もしかしてなんかの間違いで記事が消えたのかと思って、各巻の発売日前後を目視で探してみたのですがそれでも見つからず、本当に一度も書いていなかったようですね。なんてこったい。こりゃ本当に0からはじめましょう! ではないですか! ……いや、ごめんなさい、つまんなかったですね……。反省してます……。

ととねみぎでなにか書こうとして結局書けずに終わるのは、多分私がこの人の漫画から突出したなにかを感じとることができずにいるからなんだと思います。キャラクターはかわいいですし、個性化もうまくできています。ギャグもいい感じに小ネタからブラックジョークまで多様に繰り広げますし、全体を緩く繋ぐストーリーにも面白みをうまく加えているしで、世界観をそつなくまとめて、その範囲でうまく読ませると、そういう感じがするのです。けど、これが! というようなポイントを私にはうまく見つけることができず、だからうまく表現することもできずにいると、そういう状況にあるのです。

だってね、確かに面白いのですが、読んでみろ、読めばわかるからっ、みたいなこといわれても困るでしょう。それに、ルーシアちゃんがかわいいんだよー、みたいな話になれば、読者様の中にお医者様はいらっしゃいませんか? って聞いてまわらないといかん気にもなろうというものです。

素直なところを素直にいうと、漫画に出てくる一人一人の嗜好であったり目標であったりがうまく整理されて表現されているところがよいんだと思うんです。これをもってキャラクター付けがわかりやすいといってもいいかと思うのですが、このおかげか、漫画全体がすかっとして風通しよく、さっぱりとした明るさが読後に残るのです。私は多分、この感覚が好きなのです。さっきいってた、ルーシアちゃんうんぬんにしても、彼女のキャラクターがさっぱりさばさばとしたものだから私は好きといってるのでありまして、だから私がととねみぎの漫画に感じるよさというのは、まさしくこの爽やかな風合いによるのだと思います。

読んでいるあいだは、面白く、笑って、読み終わればさらっと離れることができる。これをあっさりしていると取るか、すっきりしていると見るかは人次第だと思います。少なくとも私は、このべたつかない感じが好きで、そしてこの感触は『0からはじめましょう!』からも同じく感じ取れます。

幽霊や死というネガティブなネタを扱いながら、むやみに暗さを追求するのではなく、あくまでも明るいままでいるという、この感覚は悪くない。じめじめとした湿っぽさや陰鬱さはすっかり払拭されていて、こんな幽霊なら友達に何人か欲しいもんだよと、そう思うくらいのすがすがしさなのです。

蛇足

日下部神無がよいですね。クールなところが魅力的です。次点はトイレの花子さん。

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