『らいか・デイズ』でブレイクしたむんこの竹書房における連載が『がんばれ! メメ子ちゃん』でありまして、けれど私は名前は知れど中身は知らず、だから今回の単行本を読んではじめてどういう漫画であるか諒解したのです。OLものだったんですね……。私はてっきり子供を中心としたファミリーものと思っていて、けどファミリーものにしてはカバーデザインが解せません。なんでトンボがついているんだろう? それにCMYKの段だらはなんなんだ? 読んでみて疑問は氷解しました。そうかあ、DTP部門につとめる新人OLの話だったんか。名前にしても、手書きで××子だったのが、写植で間違えられてメメ子にされたわけでもないようです。で、さて、感想はといわれると、いやちょっと微妙かも知れません。
面白いか面白くないかと言われたら、はっきり面白かったと答えるところなのですが、なんか一味足りないかなあという感じがしたものですから、感想は微妙だなんて煮え切らないことをいっています。子供に間違えられるほどに小柄だけれど、才能があって努力家でもあってというメメ子と、メメ子を取り巻く人たちの織りなす日常ドラマと諒解したらいいのだと思うのですが、まんまメメ子が子供じみてるというのはどうしたもんかと……。それに、まわりの対応もまんま子供に対するのに似ていたりというのもどうかなあと。ほら、猫かわいがりしたりとかさ、なんかゆうべきこともゆえへんとかさ、いや別にええんやけどさ、けどなんか職場ものという感じの漫画じゃなくて、みんな大人になりきれてないというような、そういう釈然としなさが残ったんです。
だから、これは私の読み方が間違えているとしか言い様がないのだと思います。これがもし、メメ子というキャラクターに対する私の印象がもっと違ったものであれば、きっともっと素直に楽しめたのだろうなと。クールさよりも甘さ、シビアさよりも穏健さ、そういうほんわかムードを無条件で楽しめるコンディションであったらば、きっともっと私はこの漫画を好きになれたと思います。けど、今はちょっとそういう気分じゃなかった — 、そういうことだと思います。
もしかしたら、私はむんこに初期らいかにあったシビアさを期待したいと思っているのかも知れません。けど今の流行はその逆であるようだから、その穏やかで和気藹藹とした雰囲気を楽しんでしまえというのが多分正しくて、けれど、これほどまでにハッピーな印象の漫画が求められている背景に、現実の生活のシビアさあるのだとしたら — 。もしそれが本当なら、やっぱりメメ子はこうでなければならないのかも知れないな、そんな風にも思います。
- むんこ『がんばれ! メメ子ちゃん』第1巻 (バンブー・コミックス) 東京:竹書房,2006年。
- 以下続刊
0 件のコメント:
コメントを投稿