2005年10月4日火曜日

らいか・デイズ

  主人公春菜来華は子供からも大人からも頼りにされるスーパー小学生。絶大なる信頼を勝ち取りながらも、ちっとも偉ぶらないいいやつ! 正義に厚く、弱気を助け強気をくじき、けれどもちっとも杓子定規でないクールな少女! というのが最初の印象だったのですが、途中からずいぶん可愛いところが出てきてしまいました。ちょっと古風でずれた嗜好がほほ笑ましく、そして恋には後れを取りっぱなし。完璧でありながら完璧でないところがらいかの魅力なのであろうかと思います。

初期らいかを読んでいた頃、本当にうまい四コマ描きが出てきたなあと、そういう感想を持ちまして、だって、絵柄はシンプル、ネタもシンプル、けれどひねりが効いて、皮肉も批評も小気味よく、これはあれだね、山椒は小粒でぴりりと辛いってやつだ。そう、らいかはまさにそうした透徹した完成者であり、そして孤高であるがゆえのさみしさも知った個人であったのですね。

だけど、その最初の頃の、超越して孤独なヒーローであったらいかも私は好きでしたが、弱点をさらけ出してしまっている今のらいかはもっと好きかも知れません。普段は大人びている癖に妙に子供っぽくて、甘えん坊で、好きなものといえばチャンバラ時代劇とかちょっと変で可愛いキャラクターとか、そういうギャップがたまらないです。恋愛ごとはからきしだめで、ませた友達に振り回されるばっかりで、けれどそういうところが憎めないのだと思います。らいかの友人連中にしても、読者である私にしてもですよ。

私は漫画としては、当初の硬派なスタイルを好むのですが、ですが今のわいわいと楽しくやっているスタイルの方が、ずっとらいかが仕合せそうに見えるから、だから今の方がずっといいと思います。普通の小学生をやっているらいかの方がずっといいと思うから、今の路線で続けばいいなと思います。

  • むんこ『らいか・デイズ』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2005年。
  • むんこ『らいか・デイズ』第2巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2005年。
  • 以下続刊

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