2016年12月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2017年2月号

『まんがタイムファミリー』2017年2月号、発売されました。表紙は、ああ、もうお正月ですね。『大家さんは思春期!』、チエちゃんは書き初めをしてまして、その文字は節約! ああ、夢のない言葉! でも、それがチエちゃんらしいわ。『牧場OL』南はお雑煮、お餅を食べまして、しかし、正月太り? 白いパーカー、頭にミカンで、南自身が鏡餅みたいよ? そしてひとり晴着、『月夜にカカオシガレット』の小鞠。ええ、とても娘らしくて素敵です。手にした羽子板には伊万里さんが飾りとなって、ええ、華やかなワンポイントになっています。

大家さんは思春期!』、先輩になったチエちゃんの悩みというか活躍ですよね。下級生とどういう風にコミュニケーションしたらいいかわからない。これ、チエならではの悩みなのではないか、なんて思ったの、この子、普段は年上の人に囲まれて、それも先輩とかいうレベルでなく、前田さん、麗子さんといった大人たちでしょう。さらにいえば、商店街のおじさん、おばさん、お年寄りとの馴染みも深い。反面、年少、ええと、年の近い年少ね、そういう付き合いは薄そうだものなあ。クラブ活動なんかも、この料理部がはじめてでしょう。慣れてないのもわかろうものです。しかし、あの車道側にたって手を引くとかね、なんという素敵先輩! うわあ、これ、チエを憧れてる、というか崇拝? 信仰? そんな後輩からしたら、嬉しい通り越して感激感動ってやつなのかい!? なんて思われて、いや、なんかご利益? そっち? 現世利益? ほんと、チエ、どんだけ崇拝されてるの。でも、チエのあの対応は正しかったんじゃない? なんて思われて、いや、どうなのかな。もっと親しみもって近しくコミュニケーションできるようになるの、目標にしてもいいんじゃないかな、なんて思われて、でもコミュニケーションの発端としてはこれでもいいかもですね。

『妹のおシゴトは時給2000円』、なんかまたおかしなことになってる! 5本指靴下をはいているせいで、兄、いや兄を演じる只野に泣かれる。口答えしたら時給を減らされる。いや、それ、最低賃金割ってるから! しかし、今回、見栄張りミエ子の友達問題、ちょっと路線変更して解決に向かうのかななんて思わされて、あれ? なんか違う? いやね、あのお金ばっかりかかって、なんか薄っぺらい友人関係。スマートフォンの故障でその方面の人間関係から離れて、地味で素直そうな子との友情育む、そんな方向にシフトしたんじゃ? って思わされたわけですよ。しかもリアル妹。いわば妹の先輩に、妹としてのあり方について教わろうという。って、これ、ほんとおかしな話だな。自分でまとめてて、なんかおかしくなってくるぞ。しかしこの衣々子さん。なんか妹として兄に過剰? そうしたもの感じさせて、そしてさらには兄が只野を嫌っている!? というか、この兄、いわゆるシスコンってやつかい? ええ、この子のふるまい、只野には全然通じない、参考にはならなかったっていうのがいい落ちでした。

『かなみ育成中』、もしかしたら大進展!? これまで、イベントだ、恋愛だ、彼氏作るぞ、みたいなこといいながら、おかん属性だかなんだかのせいで、まったくもって微塵もちっとも動かなかった彼女らの状況がですよ、動いた!? 動く!? マジか! 信じられない! 保育園のクリスマスの準備。これが当面のミッション、弟、妹のためになる活動ですよ、そりゃ叶美も頑張るでしょう。そう思っていたら、おや、動いた? いや、最初はなんかおかしな話かと思ったんです。いかにもあやしい風呂敷にいっぱいのおもちゃを包んで担いでいるあやしげな男。子供の敵認定から不審者を見る目にグレードアップする叶美がすごくいい。さらにおもちゃの在庫がないという話を聞いて、憎しみを深める、そんな叶美が素晴しい。いい子だわ。可愛いわ。このあやしい男の正体判明からの流れに驚かされたのでした。おもちゃのすみよしの息子さん。クリスマスにはサンタクロースになって、子供たちにはおもちゃ。叶美たち三人にもプレゼントをくれて、今日ぐらいは子供でいなよ。うおお、叶美が赤面だ。ウソだろ!? これまで、今まで、あんなにあんなであんなやった子やで!? もう、うろたえるレベルですよ。もう、完璧な展開なんじゃなくって!? 結が、さきが大盛り上がり。これ、叶美も悪くない雰囲気で、ああ、叶美さん、先に進んじゃうんですか!? いや、そう簡単には進むまいとも思うんですよね。いや、しかし、これはすごいわ。山の動く日きたる!? 穏やかではいられません。

『広島さん、友達になってください』。いいですね、カープに夢中。お母さんが、タミちゃんが、カープ、カープと騒いでる。あの優勝パレードがよっぽど心に残ったのでしょう。反面、キミちゃんはやたらネガティブで、軽々しくファンを名乗っていいのか。さらには、私が応援することで勝てなくなったら!? いや、後者は私もよく思うので、あんまりこの子のこといえないなあ。なんて思っちまって、ねえ、思いますよね? ない? そんなキミが、カープ優勝の録画を見て、ちょっと高揚しているその様子、いいですね。しみじみと、ちょっとずつ、気持ちが色付いていくキミ。その変化する速度の違い。本人いわく、熱の伝わり方だっていうんですが、いいですよ、これ。絵に、漫画に、その様子がしっかり表現されている、そう思わされました。静かで、しかし実感のともなったキミの共感に対する気持ちの表明。他のね、タミのね、すごくストレートな言葉も面白いんですけど、そこに静かなキミが対照的なよさを打ち出して、とても魅力的でした。キミがスロウで、しかし誠実であるところが肝であるな。そんな風に思わされました。

  • 『まんがタイムファミリー』第35巻第2号(2017年2月号)

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