2016年12月25日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2017年2月号

『まんがタイムきららフォワード』2017年2月号、昨日の続きです。

『なでしこドレミソラ』、いい感じに課題を作ってきましたよ。佳澄の家で合宿をすることになった面々。そこで思わぬ出会いがあって、それは憧れの邦楽器バンド、AWAYUKIのリーダー、淡路雪菜さん。陽夜は音を聞いただけで、あわゆきさんの音だ、気づいて駆け出していくし、ええ、この子の入れ込みようがうかがえようもの。そして美弥も興奮しちゃって、ああ、この子にとっては憧れの三味線奏者ですわな。手本である、目標でもある。そんな人との出会い、きっと刺激になったことでしょう。さらには淡路の前で演奏することになって、ああ、皆の音が綾を織り成して、重なり、流れていく、その景色の美しさ。美弥の技量の足りないことも、その絵の面に表されて、ああ、豊か。美弥の自分の未熟を痛く感じ、ぐるぐる頭の中、いろんなこと思ってる、その気持ち、わかる気がするわ。これ、多分、演奏したことのある人なら、ああ、わかるわ、ってそんな共感、きっとあると思う。そしてそのアンサンブルに主旋律、陽夜が加わって、ああ、広がっていくね、そう思わされたところで、淡路から指摘されることがあった。ええ、これまでは、初心者の美弥、引っ込み事案の香乃、仲間に加わるまでに紆余曲折あった恵真などなど、この子らの問題や課題、それが描かれてきました。そして今回は、ひとり壁に直面してこなかった陽夜に課題が示されて、ああ、いいね、こうした指摘は貴重でしょう。これまでいろいろと悩んだり乗り越えるべきことに挑戦してきたりした彼女たち。ついに陽夜にその順番がまわってきた。ええ、この問題を自らのものとして受け入れ、乗り越えることで、彼女らのアンサンブルは本当になるのだろう。その予感がさせられる展開。とてもいい、大切な問いが投げ掛けられました。

『放課後のアルケミスト』、料理探求部を名乗りつつ、その実態は錬金術の研究にいそしんできた面々。その活動についにメスが入りますよ。風紀委員会。粛清だなんて物騒なこといってますが、なるほど、錬金術師が大暴れする世界です。風紀委員会だってそれなりに強権を奮ったりもするのでしょう。しかし、これ、ちょっと出落ち気味ですよね。だって、粛清だっていったすぐ後に、警備用ホムンクルスの存在が示唆されるわけですよ。敵意を向けたら迎撃するのだという。ああ、風紀委員会が危ない! さあ、いつ迎撃されるのか、どう迎撃されるのか、ハラハラしながら読んでたら、ああ、そうか、これ、まだ素材の段階。例の錬成鍋にいれてぶっ叩かないといかんのだな。ええ、風紀委の横暴に腹をたてた牧島の策ですよ。そのホムンクルスを、のうのうとその風紀委の目の前で錬成させるんだから人が悪い。ほんと、悪いやつだなあ。しかも、そのホムンクルス、結構たちが悪い。攻撃しても攻撃しても再生してしまう。って、これ、別に倒さなくてもいいのか。撤退したらいいのか。でも風紀委、撤退しないんだ。この子らも面倒だな。風紀委と料理探求部の共闘。というか、この漫画、ちょっとしたバトル漫画だな。とりあえずみんな普通の学生じゃない。なかでも普通じゃないのが山田で、ええ、今回も見事に山田による破壊が、やらかしが炸裂しましたね。ある意味ダイナミック。この思いっきりやらかす、その奔放さは、なんだか細かいことはどうでもいいや、そう思わせる威力ありますよ。

夢喰いメリー』、メリー、再始動ですよ。古いヒーローのお面を見て過去の記憶に遡っていったメリー。彼女と夢路の出会い。あるいは幻界に生じた異常、その発端が語られてきた、この一連の流れ。その先に、メリーが夢路と出会ってその胸に灯したもの。夢路がいなくなると寂しい、そう感じるようになった彼女の変化。門番としての義務、責任と、情を思いを知ってしまった。そんな彼女と夢路の関係、その接点としてヒーローの面があったということが語られたのですね。ああ、現界では夢路とレガレクスの戦いが続いている。押されている。ふたりともに押され、傷つき、いよいよ倒れるのではないか。ジョンの助けも届かない! そんな危機にですよ、メリー、現れて、その帽子からのぞくのは、かつて夢路とメリーを繋いだヒーロー、フォワードマンの面! ああ、ヒーローだわ。この漫画は、ヒーローをヒーローとして描く。強大な敵を前に、決してひるまない夢路がヒーローなら、そのピンチに駆け付けるメリーもまぎれもないヒーロー。今、ヒーローの帰還に、夢路、メリーの逆転を期待せずにはおられない。かつてヒーローに憧れ、そして今ヒーローを体現する、彼彼女の活躍を夢見ないではおられません。

『45分間の魔法使い』。突如来訪した謎の女。繊月理に用があるという。復讐だという。その女の繰り出す魔法。迎え撃つ理。その魔法を駆使した戦いは、空間を縦横に飛び回る理、それを追う謎の女の土魔法。見た感じ、あんまり鬼気迫る、そんな風ではなく、また柚木などは魔法の飛び交う戦いを前に、感涙にむせぶというのですから、なんでしょうなあ、なんか平和だよね。ええ、平和でした。謎の女、とっておきの水魔法が功を奏する! 文字どおり足をとられ、泥濘に沈む理! ああ、足をとめられてしまえば、もう勝ち目はないではないか。理のピンチ! そこに飛び込み、身をていして先生をかばおうとする茅子! ああ、いい子だねえ。しかし、ほんと、この漫画が緩くてよかった! やっぱりね、そうなんじゃないかなって思ってたわけですけど、謎の女、やっぱり理の友人で、桜楓、大学時代の同期だっていうんですね。ひとり面白い人が増えました。優秀でかつノリのいい、そんな人。これからの魔法の授業、なお楽しいものになりそう。そんなこと思わせるとともに、その夜、語られた理の魔法の教師になろうとした理由。ああ、ただ魔法を普及させるためではなかったのだ。この理の人情、人柄に触れるかのようなお話。皆の距離、ぐっと縮まるの感じさせられましたね。

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