2016年12月30日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2017年2月号

『まんがタイムオリジナル』2017年2月号、先日の続きです。

『ぎんぶら』はバイオの星でのお話です。果物の品種改良に意欲的に取り組んでいるというんですが、なんだか方向性があやしい。名刺がはさめるポケット付き携帯キウイ、って、その意味不明さもすごいけど、それを発想する作者もすごいよね。そして本編に入ればさらに微妙ないし扱いに困る果物出てきて、これ、皮が勝手にむける桃はいいとして、中身は最初から分かれているって方向じゃいけなかったんですか? 一長一短なものが多い。パーフェクトってないもんだ。そんな感想が登場人物からも語られてますけど、ほんと、よさそう、そう思わせる長所を提示して、あ、これ、あかんそう、そう思わせる短所を後に出す、その長短の組み合わせがうまいんですよね。しかし、あのスイカ。あれ、カテゴリーとしてはサイボーグなんじゃないでしょうか。ほんのりとブラック、あやしげで危なげな雰囲気が醸し出された今回。いや、今回も、っていうべきかな。市長のダークグリンの、わかってて危ない領域に踏み込んでる感が最高でした。

『歌詠みもみじ』、大晦日から新年に変わる瞬間、もみじたち仲良し三人は一緒にジャンプしましてね、ああ、若いっていいことだな! 神社にお参りにいけばクラスの皆と出会って、おっぴらに出歩ける特別な夜です。近場のスポットともなると、友達と出会う機会も多くなりますでしょうなあ。ええ、昔の自分のこととか、思い出されます。背の低いもみじの苦難、うん、大変そう。あの必死そのものといった顔、もみじには悪いけどいい感じ。そして合流したお友達、まみ、あゆふたりの友情も美しかったです。うん、楽しそう。しかし、もみじ、普段はそうと意識しないんですが、ちんまり可愛いせいでしょうか、結構皆から可愛がられてますよね。そして最後に千恵の活躍。ああー、あの時の千恵の離脱、ここに繋がってたんですね。よくできてる。それにちゃんと連絡いれるいい子たちですね。

『北斎のむすめ。』、栄が画号をつけようとしています。それで他の絵師の画号を参考にするんですが、いや、栄は別に参考にする気とかなさそうだけど、親切に皆がどしどしアドバイスくれてるって感じだな。そうそう、北斎の画号の変遷、引っ越しとともに有名ですよね。なんか、およそ江戸を感じさせないような奇矯なものもあってびっくりさせられます。師匠から一字もらって本名からの一字とあわせる。なるほど、国芳も広重もそうなんだ。皆の本名もしっかり紹介されて、覚えなくていいよ! って、北斎先生、酷いな。ここで栄の画号のヒント出ましたね。途中まで忘れてたんですよ。そうだよ、北斎の娘といえば応為だよ。知ってたよ。由来とともに知ってたよ。けどこの漫画ではさらに一捻りして、なぜ応為に決まったか、そこまで面白く見せてくれた。ところで再登場の吉之助。ああ、この人、お栄とどうにかなっちゃうの? いや、栄の様子見てるかぎりそんな風にはなりそうにないんですけど、でもどう転ぶかとかわからんからなあ。ええ、楽しみにまいりましょう。

『部屋にマッチョの霊がいます』、木葉の食生活が貧しい理由、判明ですよ。なるほど、アニメのグッズにお金を投じている。ブルーレイディスクが高くって、って話なんですが、わかる。すごくわかる。同時に、木葉のアニメが支えになってるっていう話。不健全だなあ、みたいにも思うんだけど、わかる。うん、わかる。そして職場での木葉です。ちょっとキツい三枝さんと休憩おなじになって、木葉、すっかりペース崩してる。別に悪い人じゃないんですよ、三枝さん。見た感じ、さばさばしてるだけって感じですし、むしろなんか変に気をまわしたりしない分、付き合いやすい人なんじゃない? とか思っても、木葉が苦手だっていうんならしゃーないよなあ。と思ってたら、レジにて、トラブル発生ですよ。常連であることを連呼するお客さん。カバーをかけろとガミガミギャンギャンいってきて、三枝さんがうまいこと引き継いでくれたんだけど、木葉、きっと三枝さんを怒らせたとかいって、ちゃんと話もしないで帰ってしまった。木葉、あかんたれだわ。マッチョ幽霊、アッコの気持ちもわかる。そりゃもう筋トレさせるってもんですよ。でも、この筋トレで解決しようというアッコ。少なくとも木葉に関しては余計なこと考えて深みにはまること回避させてるわけで有用ですよね。そして三枝さんも全然怒ってなんかいなかったし、むしろあのお客さんには難儀していた。前からこんなだったって、なのにそんな人に木葉泣かされてしまってるの申し訳ないって謝ってくれて、ああ、木葉、よかった。ちょっと世界が広がったじゃん。ほんと、木葉、放っておけないこの子。アッコさんいてくれて、またバイト先でもいい人とめぐりあえて、ほっとさせられます。

  • 『まんがタイムオリジナル』第36巻第1号(2017年1月号)

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