2016年12月29日木曜日

『まんがホーム』2017年2月号

『まんがホーム』2017年2月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、らいかが振袖晴着で、手にひよこ。ええ、酉年でありますから、ですね。着物のお嬢さんはらいかの他に、『まなびやユーレイ』から、そして『孔明のヨメ。』からも登場でありますよ。楯山ヒロコ、最新作! として『週末親子』の告知カットもございます。

『週末親子』、新作であります。漆黒の衣に身を包み。そんなこと考えながら黒いパーカー着ている女の子。はたしてこの子はなにをしようというのか。なんと、妖怪お父さん起こしなのだそうです。休みの日、ゆっくり朝寝を貪ってるところにダイブして起こしにくる、そんな妖怪。小学生か。名前はユカ。朝ご飯も作ってくれて、ホットケーキに炒飯と豚汁。できるものをどんどん作るスタイル。そして午後は父娘で近所の公園にいって、そのほのぼのとしたやり取り。途中、一緒になったパパさんに、娘さんいくつかと聞かれて小5のところを小3って答えちゃったりね、ああ、細かいことは気にしないのかなあ。そう思っていたら、ああ、訳ありなのですね。週末だけ父娘をやっている。しかしそれがなぜなのかはまだ語られず、ええ、こんなに仲のいいふたりなのに、なぜ? というか、本当に父娘なんだよね? とそうしたところも気になって、ええ、しっかりひっかかり作る、そんな第一話。なかなかにいい出だしではないでしょうか。

『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』、のあが酷い! 冷蔵庫にシャボン液のボトル入れておいて、パトラが飲むんじゃないかと面白がって観察していた。どうしてそういう危ないいたずらするの! れあに怒られて、ほんと、のあ、怒ると怖かったりみたいなこといわれてきたけど、これはいよいよパトラに対して気を使わなくなってきた? その本性を露にしてきた? だとしたら、そうそう悪いことではなかったりするのかな? また、のあが悪くなってきた分、れあがいいお姉ちゃんしてくれてるから、バランスとしては悪くないかも知れません。今回は、そのれあのいい表情ですよ。パトラにシャボン玉を教えてくれた。地球の遊びは面白いってはしゃぐパトラに、このまま地球に住めば? ああ、いい笑顔。ふにゃっと柔らかで、優しさの影に憂いも感じられる。そんな彼女らのひととき。いずれくる別れを意識しながらの日常の様子。なんだか切なくもあり、そしてれあとパトラふたりのお昼寝、あのしあわせそうな様。たまらないものありますね。ねえ、もう終わっちゃうの? もうすぐ最終回なの? ホルスの見るパトラの絵日記。もう、しみじみと王女の日々を愛おしんでいることがうかがえて、ホルスならずとも、目を細めて見ずにはおられない、そんなよさありましたよ。

『マツ係長は女ヲタ』。なんか個性的なお嬢さん、登場なさいました。いきなりの、キャー、セクハラよー!! マツ係長のデスクにエッチな本置いてます! エッチな本というの、『週間セクシー』なる雑誌なんですが、いったい誰がこんなことしたというのでしょう。いや、これ、どうせカラワンがらみの記事だかが載っとるんですよ。当たりでした。しろたんのグラビアが載ってるらしい。セクハラ疑惑、それ私のと言い出せなかった係長をウメ君、自分が泥かぶるかたちで助けてくれて、いやあ、ウメ君、忠臣ですなあ。ともあれ、しろたんのグラビアについては、需要あります……? え? ストーンじゃ駄目? いいやん、ストーン、可愛いやん。うん、マツ係長、ゆうたげて。ストーン、シルエットが美しいやん。アイドルのファンの悩みどころ、これが面白かった。おじさん向け雑誌みたいなの買うのに女性は抵抗あるとか、逆に男性は女性誌、ティーンズ誌を買いづらいとか、ねえ、ほんと、もう、気にすんなよ! 冒頭のお嬢さん、マルちゃん、この人、面白いですね。ちょっと決め付けが強いところありますけど、ウメ先輩、女に興味ないじゃないですか! いや、それ、どういうこと!? というか、ウメくん、梅太って名前なのか。彼女にフラれる様子が活写される! 酷い! いや、どちらが!? 彼女!? ウメくん!? ウメ君かなあ。職場におけるマルちゃんの追求の厳しさから、ノイローゼ気味になる同僚が出たり、そしてマツ係長、カムアウト!? かと思いきや、ウメ君の発言がまたマルちゃんに誤解されてるみたいで、ほんと、ここの人間関係もいろいろおかしいなあ。そしてやっぱりウメ君、マツ係長から狙われていて、ええ、もうアイドル活動、ああ、ファン活動ね、頑張りましょう? ねえ、きっと楽しいですよ。

『孔明のヨメ。』、士元が訊ねてきましたよ。種を取りに、というんですが、どうも本題は徐庶からの手紙、こちらでしょうか。今は軍師やってる徐兄。手紙には襄陽の市場価格についての問があって、穀物や酒の値段は上がってないか? 特に動きは見られない。しかしこの問に、なにか違う真意をうかがうのが孔明なのですね。ええ、曹操の動き、禁酒令の意味するところを知りたく思っている。そして孔明は、その疑問にすらすらと答を用意して、うおお、すげえ。でもって、この説を士元も違う側面から補強していく。ふたりの推測に対する答は数日したら出て、曹操、北へ向けて出陣。ああ、こうした戦、紛争、もろもろの動き、今の時代にもあちこちでそうした出来事あるわけですけど、凡人の自分には事があってはじめてそうと知ることができるにすぎない。もしこれが孔明のような才ある者なら、市場はじめ様々な情報をもとに、どこで、誰が、なにを狙っているか、そうしたことも見抜けるのかも知れませんね。この漫画に描かれる孔明や士元のような歴史を見る視座。すさまじいものであるなあと、我が身を振り返って思うのですよ。

敗者復活戦!』は月穂サマ、桑原先生が対面です。はたしてどうなる? もうね、まったくはずまない話。なんとかコミュニケーションはかろうと苦慮する桑原先生に対し、月穂サマのつれない態度。すごい。びっくりするレベル。隠れてこの様子うかがってる榎本、夕記もヒヤヒヤですよ。月穂サマと桑原先生の関係、あらためて確認されましたね。月穂は2番目の姉。すなわちふたりは姉妹。似てない姉妹だなあ。現状をなんとかしたいと思う妹に、なに考えてるかようわからん姉。10分と区切ったら、なにがあっても10分で終わりなのか。すごいな。でもって携帯の番号を交換するふたり。登録名がメガネとオバサン。仲悪いな! いや、でも、メガネ、可愛いな! これ、どんどん話が、状況が動いて、ハラハラがとまりませんね。桑原先生は、ちょっと夢見ちゃってたかな? みたいに傷心だし、さらには月穂サマ、長姉を巻き込む方向に舵を切って、というか、それって挑発!? 挑発ですか!? 桑原先生、月穂サマの様子を探ろうと、夕記、ニーナにコンタクトとろうとするものの、夕記は榎本の産直野菜に浮かれて、これまで見せたこともないような表情してるし、ニーナはニーナで聞き出せそうにないときた。ええ、この漫画、繊細な人、気を使う人ほど苦労するタイプの漫画だ! いや、辻灯子の漫画はいつだってそうだったような気がする! ええ、面白くなってきましたよ。桑原先生、うまくこの状況を乗り切って!

  • 『まんがホーム』第31巻第2号(2017年2月号)

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