2021年3月1日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年4月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年4月号、先日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

今回の八重の心配? 不安? いや、不安にかられているのはみなちゃんか。都会の駅が怖いというのね。怖いとまではいかなくとも不安なのはわかります。普段乗らない路線だと、どの電車が目的の駅に停まるのかとかね、わかんなくて冷や冷やするでしょう?

でもこの子たちの場合、乗る乗らない以前の問題なのか。駅の並ぶ場所、どのマークを頼りに並べばいいかとかわからなくて不安におののく。いや、そこまで!? そこまでなのかい!? それこそ亜紀の姉ちゃんのエピソードみたくね、始発前に並ぶのならそんなに人もおらんだろうし、気にせずそこらにおったらええんとちゃうのん? いや、これ、すでに田舎者の意見なのかな? 都会中の都会だと、始発のホームにも人が並ぶほどにいたりするのん!? ああ、こうした実情がわからないでまごまごしてる自分は、まさしく八重やみなちゃんの体験に気持ちを重ねてるってわけですよ!

はっ、ちょっと八重っぽい思考になってる。危ない人に寄ってしまってる!

この子たちの面白いの、あの想像力の豊かさですよね。八重とみなが都会のホームの情景を思い浮かべながら、シミュレート? するとこね、亜紀が不安になるようなこといってきて、それでみなちゃんが見事に不安に打ち震えるのね。ちょっと気の毒なんだけど、ほんと面白い。で、助け船出すみたいに参加してくる八重が、基本なんの役にもたってない! いやもう面白かったです。

この情景を面白がって見ている大河、これも心の余裕ですね。そして、ラストの地元の電車について語る八重。すごい顔しとる! ええ、これも心の余裕ですね。こういう多様な表情、いいですねえ。

『通勤通学クエスト』

柏木の運転練習。会社の先輩に車を出してもらってというの、つきあいのいい先輩だなあ! ふたりとりあえず車に乗ってからのくだり、本当に面白かった。先輩に見本を見せてもらうっていうんですけど、眼鏡似合いますねにはじまり、すごいですね、うまいですね、素直な感想に気分よくしてる先輩がほんといいんね。この先輩も褒められて嬉しいという気持ち、素直に表してくれるじゃないですか。この漫画は、こういう素直な気持ち、素直な感情が心地いいのだと思う。ええ、男ふたりのドライブ、すごくチャーミング、いい情景でした。

柏木にプレッシャーかける先輩もよかったですよね。かと思ったら、このあたり俺の敷地だから安心してって、ほんと適当なこというの! プレッシャーかけたのも意地悪からじゃない。運転気をつけるようにって注意喚起ですよね。そしてちゃんと気持ちをほぐしてくれる。のろのろでもちゃんと走らせられたら褒めてくれる。

今回のクレスト、クリア判定がめちゃくちゃ甘かったようにも思うんですが、こういうノリもよかった。ええ、楽しそう、自信持たせてくれましたよね。ふたりいいコンビでした。

『とびだせT.O.Z』

宇佐美、青春ですね。リレーで失敗してしまったこと悔やむ彼女。なんとか次の200mでは結果を残したい、落ちつこうとするも、気持ちはどうにも騒がしくって、ああ、どうにかして集中しないと。

そんな時にマナのアドバイスが宇佐美の助けになるの。マナとしてはかなり身を切った発言ではあったけど、それが宇佐美に自分のこれまでを振り返らせたところがよかった。初心に返らせたのだろうなあ。まあ、勝つとちょっと邪念も出てきちゃうわけですけど、これはまあしゃあないかな。でもあの全然思い切れていないウサミポーズ、あれは笑っちゃった。ほんと、この人、可愛い人ですよ。

決勝まで残れたの、快挙じゃないですか。でも強豪とあたる。200mじゃ負けなし、みたらしの亀田と、そして浅葉先輩。このシチュエーションに緊張する宇佐美のために、兄貴が応援してくれるのな。ああ、これも結構身を切る応援だと思うんですが、この人はそういうダメージまるで気にしちゃあいないだろうなあ。むしろ周囲がドン引きだ。

今回の宇佐美の、試練と自覚。勝敗の向こうにある自分自身との対話。自分を知っていくということ。とてもいいエピソードだったと思います。いいキャラクターが揃っていますよね。

『オネェの恋のはじめかた』

胡桃沢時宗、試練が続くよね。好きになった女子、八神桜子の好きなタイプ、とりあえずその外見のポイントが自分とはまるで逆だったっていうから大変だ。この人、自分の見た目、ルックスには自信があるのね。だからこそ自慢の外見で勝負できないのがつらいのかな? いや、翔人にいった言葉、自分だって自分の顔を好きになってもらいたい、それ至言だと思う。そらそうだよな。好きな相手には好きになって欲しいよな。自分は相手の顔、大好きなんだもんな。いやあ、時宗、その発言、心が震えました。

で、それはいいんだけど、実際翔人のはからいで桜子と話すことになってからの時宗、さっきまで自信満々だったじゃない、なんか揺るぎない感じだったじゃない! なのに、それがもうまるで桜子に圧倒されてしまってね、渾身のキメ顔アプローチが純真笑顔に返り討ち! ほんと、この人、桜子にまいってしまってるんだなあ。

でも、時宗が都度、自分の感情の動きにきっちり向きあってるの、すごいと思う。時宗は今は未体験の領域に踏み込んで自分のペースつかめずにいるけれど、落ち着いて物事よく見て、自分のことも省みることのできる、そんな人なんだというの、感じとれるように思うんですよね。大人びた、けどまだ若さも残る、そんなアンバランスさが魅力になっていますよね。

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