『まんがタウン』2021年4月号、発売されました。表紙は『派遣戦士山田のり子』。昨今の時世を反映してテレワークでありますね! のり子がノートパソコン手にweb会議の途中であるようですよ。でも、この人しゃべらないけど、ちゃんと会議できるのかな? この他に『新クレヨンしんちゃん』、新連載の『淑女の笑顔は崩れません』、『意味がわかると怖い4コマ』のカットがございます。
今月は新連載が2本です。
『淑女の笑顔は崩れません』
その生い立ちから感情努力その他もろもろを笑顔の下に隠すようになった鳳来寺歩華。なにがあってもニコニコ。誰になにを頼まれても、どんなに仕事が忙しくても、また同僚がへばって手がとまってしまってても、常にニコニコ。これは果たして優れた特性なのか。歩華は社内では評価高く、人気もあるみたいですが、なに考えてるかわからないとか、一線引いて心を開かないとか、そういうこともいわれたりしそうなタイプではありますよね。
こうやっていつもニコニコして、つらさとか表に出せないでいると、メンタルヘルス面で問題発生しそう。そんなこと思っていたら、本人もある程度意識してるようで、会社の人にも深入りしないとか、苦手は苦手とちゃんと意識してやんわり距離を取るようにするとかね、自衛している感じ。やっぱりしたたか? 新しく異動してきた同僚、林聖との関係も、向こうはわりとぐいぐいくる感じではあるけれど、歩華はあくまでも一線引いてますよね。
今回は顔見せみたいなエピソードでした。実は意外と自分を守って他者とは一線画している歩華と、他者のプライベートに踏み込むことも躊躇せず問題解決能力高く社交的な聖。タイプの違うふたりの出会いを描き、そして今後名物コンビとなっていく、そんな予告をした初回。このふたりの関係の変わっていく様、これ序盤の見どころになりそうです。
『意味がわかると怖い4コマ』
これは、すでに単行本も出て人気を博している漫画が『まんがタウン』でも連載することになったってわけですね。内容はタイトルのとおり。さらっと、けれど意味深に描かれた不穏さ匂わせる4コマの、その匂わされた不穏をいかに読み解けるか。その読み解こうとする行為が漫画の面白さを引き出すタイプの4コマであります。
読み解けた瞬間に、ああなるほどとなる、ちょっと昔の流行語だとアハ体験みたいな感覚を得られるので、欄外の作者による解説を極力読まず、しばし考えるみたいな読み方をしてるんですけど、一般に皆さんはどんな読み方をされてるのでしょうね。さあ読み解きのお題を用意したよ、君にはわかるかな!? みたいな作者の挑戦に、ライフで受ける! みたいな感覚で読んでるわけです。これってこの漫画の趣旨には反してたりするんかな。
あ、わかった、ゾワっときたわ! みたいな感覚じゃなくて、あー、そう? やっぱり!? この解釈でよかったんやね! みたいな感じになってて、なんだろう、ちょっとした読み解きチャレンジみたいな楽しみ方しています。
『食欲しか勝たん!』
なにを置いても食い気の勝るアイドル、通称こころんが今回渇望していたもの、おでんなんですね。三人組のMVを撮るため、雪の積もるゲレンデ? にやってきたというんですが、とにかく寒い、寒いとどうしても温かい食べ物が欲しくなって、ああー、おでん食べたい。そこからずっとおでんに支配され続けるのこころんがおかしくって、なんとかしておでんを頭から追い出したい。でも油断するとおでんに屈してしまう自分がいる。雪玉作るつもりが雪おでんを黙々と作り続けていたことに気づいた時のあの表情。無意識なのか! いやもう、この子、重症です。
みかみーが作った雪だるま、土がちょっとまじっちゃったりしてね、それうっとりと見るこころん。雪だるまが可愛いからじゃないのか。がんもどきに見えるのか。それをぎゅっと抱き締めるその様子、ほんとすべてがおでんになってるこの子。いやもう、この調子で毎回なにかしらの食べ物に支配され続けるわけだな。大変だ! でも、なんだろう、こんなでもいいように誤解されて、結果オーライでうまくいっちゃうのが面白いと思います。
いつかこころんの胸のうち、正しく理解する誰かが現れたりするのでしょうか。もしそんな人がいるとしたら、きっと同属だと思います。
- 『まんがタウン』第22巻第4号(2021年4月号)
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