2021年3月4日木曜日

『まんがホーム』2021年4月号

 『まんがホーム』2021年4月号、一昨日の続きです。

『座敷童子あんこ』

あんこのルーティーンが、基本寝て食べて食べて食べて寝るみたいな生活じゃないですか。これ、太るよなあと思ってたら、次のページで丸々太ってるっていうの、もう信頼と安心の展開ですよね。そら太るよなあ、と思ったけど、よく考えたらあんこはしょっちゅうこんな感じだった。

しかし今回の最大インパクトは、卒業式の情景ですよね。胃毛面くん、相当なイケメンっぽい。その彼が第二ボタンもらった、第四もらったから、右袖、左袖となんだか不穏な話になってきたぞと思ったところに、ナイスボディさらしながら登場してくるの。うおお、なんだこのシュールそのものな情景。めちゃくちゃ面白かった。この絵面のインパクト、加えて胃毛面くんの揺ぎない表情がすごい。いやもう、歴戦を感じさせる勇姿でした。

『スナックあけみでしかられて』

ホワイトデーのお返しですね。果物屋さんの値引き攻勢につられて買ってしまった大量のイチゴ。ワインに漬け込んだサングリアは店では出せないからと、ホットワインにしてみたり、お酒が駄目な乃里ちゃんには大人っぽさあしらったイチゴメニューを提案してみたりと、このお客さんにあわせたアレンジしてくれるの、このお店の人気の理由なんだろうなって納得させられるものありました。

乃里ちゃんのちょっと背伸びしたい気持ちがいいですよね。でもって、自分用のメニューを皆にもというところね。気持ちに余裕ができましたか!? それで皆からチーママと呼ばれてるのがおかしかったです。

鈴木先生にはちょっと厳しい乃里ちゃんだけど、やっぱりお酒が駄目だった鈴木先生のこと心配して、これまで疑ってたのを悪く思ったりね、でもって帰り道での会話、この子の垣間見せる大人びた言動、それがねなんかよかったなって。なんか相互に理解をかわした様子。それがなんかよかったんです。

『歌詠みもみじ』

中学生の頃の受験模様描かれて、ああ、まりなさん、今通ってる学校、必死で勉強して受かったんだ。みんなと同じ高校にいきたい一心で、D判定からA判定まで、がっつり上げてきたんだなあ。

中学生の頃の皆の雰囲気、今と結構違うのが新鮮でいいですね。まりなは肩あたりで髪を切り揃えてるし、千恵は結構なショートだし。でもあんまりもみじは変わってないんですね。

頑張って、模試で結果を出しつつも決して油断することなく積み上げて、それでも体調という要素がまりなの頑張りをふいにしそうになったところ。ああ、受験は厳しいなあ。どれだけ準備に余念がなくとも、こうした不調がつまづきとなることもある。一回限りのチャンスというのがあかんのだろうなあ。なんか救済などあればいいのに。なんてこと思って読んでいたのだけど、まさかここでまりなが受かっていなかったとは思わなかった。ここからの、現実を受けとめようとつとめて振る舞うまりなの健気さ、同情は求めない強さ、それはとても美しかったです。

今回は、まりなの努力の軌跡がしっかり描かれていたからこそ響いた、そんな風に思います。今も当たり前みたいに一緒にいる3人だけど、こうしたドラマもあったんですね。だからこそのいい友達なのだと思わされたエピソードでした。

『うちの秘書さま』

ホワイトデーのお返しですよ。はじめは御曹司だからって金にあかして高価なものを買うなんてことはしないんですよね。ちゃんとお返しする相手のこと考えて、背伸びせず自分のできる範囲でプレゼントを選ぶんです。考えた末に辿り着いたハンドクリーム。その匂いに相手のこと思い出して、これにしようと決めるくだりなど、はじめの相手への思いやり、普段からしっかり見て聞いて匂いまでも覚えて、この人にはなにがいいかきちんと選べるの。素晴しい細やかさだと思いました。なんか御曹司のわりにケチくさいみたいな感じで、クラスの女子からは不評なはじめですけど、この人は実家抜きにしても結構な優良物件だと思うんですよね。ええ、ほんと、いい子だと思うんです。

で、それだけに山田が残念賞! 見た目はまともそうなのになあ、愛が重い! というか、加減がない! それ、はじめもドンびきするレベルなんだ。あと発想が変態チック。選んだプレゼントとそれにした理由を聞いたはじめの感想がきもいですよ!? でもまあ、そんなに発想は悪くないとも思うんですけどね。実用品で、実際無駄にならず、かつ大げさすぎない。発想が変態っぽいのはいわなきゃわかんないしな。とか思ってたら、メッセージカードで自爆するってんですから山田くん、残念賞!

いやほんと、ホラーを感じます。山田は加減を知らないといかんタイプだけど、愛が暴走しちゃうんだろうなあ。見た目、雰囲気は常識人っぽいのになあ。ほんとすごかったです。

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