『まんがタイムきらら』2021年4月号、昨日の続きです。
『夢見る!ルネサンス』
終わった、終わってしまいました。空へと吸い込まれるように浮かび上がったリーチャがいうんですよ。16世紀に帰ります。帰ってしまうのん!?
これ、レンの見た夢だったというのですが、当たり前みたいに21世紀日本に順応しているリーチャ、今16世紀イタリアに帰ったら逆に大変だろうなあ。電気もない、テレビもなにも今当たり前に私たちが享受している便利なものがまったくない。夜はロウソクの光ですよ? 食事だって今みたいなんじゃない。いやもう、リーチャたち、もう生まれた時、場所に戻るのは不可能だと思うんですよね。
けど、そういう便利不便が理由ではない。リーチャがここに残りたい、この時代を生きたい理由は、友達のレンだっていうんですね。将来の夢を考えてるというレンがね、そばでずっと見ていてほしいっていったその言葉。絵描きを目指しているリーチャとともに、それぞれの夢を叶えて、時に協力しあったり、そういうことを夢見ているといわれて、もうね、リーチャが喜んでしまっているわけです。
リーチャの絶対帰らない宣言で終わったこの漫画。レンと出会って、これまで素敵なものを見つけてきたリーチャは、これからもレンと一緒に素敵なものを見つけていくのだろうな、そう思わせてくれるラスト、じんとくるものがありました。
素朴で素直なこの漫画、好きでした。素敵な笑顔でしめくくってくれたこと、嬉しく思います。
それはそうと、この世界に順応しているエマのあの葛藤、めちゃくちゃ面白かったです。ああ、この子もこの時代に生きるしかないようですね。
『ゆえに、アイドル革命』
こちらもいつかくる別れを思わせてくれて、ちょっと切ない感情、胸に兆しました。
祭典の打ち上げのためにケーキを作っているCHU♥IN GAMの皆。その材料の買い出しにリリノアと一緒に街に出るのですが、その帰りに聞かされたこの子のこと。100歳を超えるこの子は人間ではなく、それゆえに狙われてきたという。この子の父も母も、そうした理由でリリノアのもとを去らねばならなかったりしたのでしょうか。疲れて眠るリリノアの父を、母を呼ぶ声。それが聞くだに悲しげで、今となってもこの子が寂しさを抱えていることがわかる。それだけにこの子にとって今一緒にいるCHU♥IN GAMの皆がどれほどに大切かもわかろうというもので、しかしリリノアはいつまで彼女らと一緒にいられるのか。ええ、『夢見る!ルネサンス』がまれびとを迎えた側の物語とすれば、この漫画はまれびととして迎えられた人たちの物語。いずれこの世界を去り、もとの暮らしに帰ることを目標としている。別れが物語に内包されているんです。
それをリリノアも意識していたんですね。いずれCHU♥IN GAMの皆は自分のもとを去る。ニホンへと帰っていってしまう。誰もが自分のそばからいなくなる。その不安にさいなまれ続けていたリリノアに、ユメの言葉が力強かった!
おっさん、男前やなあ! いやもう、この世界に転生してしまったこと、もうすっかり受け入れてしまってるんだな。未練があろうとどうだろうと、この世界にいるしかない。腹を括ったからこそか、力強い発言にぐっと気持ち掴まれて、もう最高でした。ユメの株、わりと上がり傾向ですけど、今回もがんがん上がりましたよ。
My Private D☆V
『デスサイズぷるるん』のさふぁ太です。
めっちゃわかりやすいのきましたよ! やっぱり競泳水着女子が1番! とのこと、めっちゃダイレクトにくるやつだ!
イラストももちろん競泳水着女子ですよ。描かれたのは斜め後ろから見るプールサイドに腰掛けた女子と、そしてその向こうに見えるプールからあがってくる女子。ふたつのポーズ、角度と、見せるポイントをあまさず盛り込もうとするかのように工夫された構図、配置でありますね。なるほど、作者にとってクるポイント、それはここなんですな、というのがひしひし伝わってくる。その力の入りよう、見るほどにエネルギーの放射を感じるわけですよ。
回を重ねて、わりかしひねったものも多くなっているMPD☆Vですが、こうやってド直球くると、なんか清々しくさえありますね。ええ、すごいド直球。全力投球でありました。
- 『まんがタイムきらら』第19巻第4号(2021年4月号)
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