『まんがタイムきらら』2021年4月号、昨日の続きです。
『ぎんしお少々』
しろと一緒にいったリベンジ遠足の情景、母が写真に残しておいてくれました。その写真を自分のスマホにて眺め、しみじみ懐かしんでいるすずですよ。幼い頃の自分たちを見ようと拡大してみたところ、ふと目についたのが、どこかで見たことのあるような人……。まほろ? ほんまか。もしやと思ったら、ほんまにそうやったんか? いや、まだ確実な情報ではないですよ。
今回はすずたちから見たもゆるについて、みたいなエピソードでしょうか。すずと塾時代の先輩かなめとの会話にのぼるもゆるのこと。かなめ曰く、霊感少女なのだそう。あー、そういやそんなこといわれとりましたな。ちょっと皆とは違う、そんな雰囲気漂わせている子で、でも実際のもゆるはというと随分違うよね。
もゆるの姉、まほろと話してた時に、私の知ってるもゆると乖離がある! 姉がえらいこと驚いとるのが面白くって、でもって噂されてくしゃみしてるもゆるさんですよ。そこからのこの子の言動見れば霊感少女だなんてまるで思えないってのがね、ほんとおかしいんですね。バイト先にしろ来店で、もうぐいぐいぐいぐいいっちゃうの! ミステリアスのかけらもない、小さなワンコみたいなもゆるです。
『打ち明けごとジレンマ』
盛大に遅刻してしまったちーちゃん。夢の中ではいい雰囲気だったカホとの仲だけど、現実にはなかなか思うようにはいかなくて、それどころか目前に迫る学力テスト対策が喫緊の課題。カホに頼み込んで勉強を見てもらうも、どうにも集中できないちーちゃん。見捨てられこそしなかったけれど、真面目に取り組まないとこないだバレた中二病ノートを音読されてしまう。
やっぱ、秘密ってやつは知られてしまった時点で弱味になるんですね。
本題じゃないんだけど、返ってきたテスト結果。証明問題に食ってかかるちーちゃん、そら点数つかないわ……。と思いながら、昔、自分も似たようなことやったよなあと思い出すなど。生きるということは誤りを重ねることで、振り返るとそこには苦い思い出が死屍累々なのですよ。ちーちゃん、君はひとりじゃないよ。きっと、この雑誌の読者にはそういうのがゴロゴロいます。
さて今回は、ずっと優位に立っていたカホの秘密が明らかになりました。放課後、ちーちゃんと別れひとり行動をとるカホを追跡してみれば、駅のトイレにて変身、眼鏡、ハッピ、ケミカルライトを両手に装備。劇場前にて同じ格好をした女子たちから隊長と呼ばれるその姿は普段のそれとはまるで違って、いやあ、素敵ではないですか。劇場内ではステージに立つ推しに対して全力応援。いやもう、秘密ってやつは知られてしまった時点で弱味になるんですよ!
弱味握られてちょっと焦るカホ、なんだか可愛かったですね。ええ、これにて一勝一敗の引き分けイーブン? いい感じにバランスとれてきたかも知れないです。
『そらコミュニケーション』
朔の憂鬱。はたしてなにごとかと思ったら、お稽古が嫌なんだって。習い事? と思ったら、それどころじゃないな。朔の家、箏の家元で、いずれは朔も母の跡を継ぐことに!? お稽古が苦手すぎてじんましんが出るほどというのですが、ああ、朔、箏が好きじゃないのかな?
みたいなこと思っていたら、いやまったく違った朔の本音。今回、ほんといい話だったと思ったんですよ。
朔を迎えにきた母に連れられて、稽古の見学にいくことになったテンペスタ。はたして彼女が見た朔は普段の彼女とはまるで違った姿、振舞いを見せて、着物姿で現れたかと思うとその言葉も淑やかで、奏でる箏もしっかりとしたもの。おおいに混乱するテンペスタだけど、疲れ果てて眠ってしまった朔を休ませながら母から聞かされた娘のこと、ええ、朔は箏を嫌っているのではないのですね。それどころか、家元を継ぐということを自身受け入れて、むしろ自ら望んでさえいるというんですね。
この朔の境遇が、いずれ女王になるテンペスタには他人事ではなくて、この互いに共感しあえる相手を見つけたといえばいいのでしょうか。自分の感じていた重責を朔も同じく感じていた。そして朔からかけられた、自分の努力を認める言葉。ええ、テンペスタには心に残るいい出来事でありましたね。ソラにはせんりがいるように、テンペスタには朔が、理解しあえるいい友達となっていくのかも知れませんね。ええ、いい話でした。
- 『まんがタイムきらら』第19巻第4号(2021年4月号)
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