『まんがホーム』2021年4月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかが、卒業ですね、アカデミックドレス着ましてね、手には卒業証書。この落ち着きある風貌、すごくらいかという子にマッチしていて素敵なイラストであると感じます。『孔明のヨメ。』、孔明、月英夫妻も同様にアカデミックドレス。ガウン越しに見える月英の華やかな着物、それが素敵です。『ぼくの上目遣い』あづさは着物に袴です。あの右手に持った卒業証書の筒、その持ち方にもこの人のらしさが現れていて、すきっとした凛々しさ、よいですよ。
今月は新作、ゲストが2本です。
『若王子主任は後輩ボイスに抗えない!』
見た目に凛々しい若王子凛。仕事もばっちり、誰からも一目置かれている、そんな人なんだけれど、心の癒やしはイケボイスなんですね。スマートフォンにイケてるボイスを詰めて、休憩のたびにエネルギー補給をしています。
そんな若王子に訪れた出会い? 岸川なる若手を指導することになったのだけれど、この彼がこれまた美声の持ち主で、見た目にはおとなしそうな青年だというのに声が最高。一発で落ちる若王子のあの表情。すごかった。
でもわかりますよ。大学の頃の友人で、すさまじく声の美しい女性があって、声がいいっていうのはただその声質ではなくて、空間に響きが満ちるのね。あまりの声のよさに、話してる内容が入ってこない。今まさに若王子はこうした状況に置かれているわけか。
しかしこの漫画、恋愛ものみたいに捉えていいんかな。若王子は岸川の声に翻弄され、そして岸川というと見目麗しく振り向き横顔もかっこよくキマる若王子に心打ち抜かれてるやんか。
ふたりともに、ちょっと理由は違うけど、自分の気持ちを隠そうとしているわけですが、これいつか漏れるんだろうか。声が、見た目がバリ好みというの、どれだけ隠し通せるものか。いやもうこいつはちょっと面白そうです。
『ウメボシオニギリ』
飼ってる犬の名前がオニギリなんだ。ひとり暮らしの大学生、イナホの飼い犬オニギリは、イナホのこと大好きで、イナホが実家を出るとなったときにくっついて離れず、ついにはついてきてしまったというんですが、だからといっておとなしくイナホのいいつけ守るわけでもないんだ! これ、犬の犬らしさってやつなのかな。飼ってないからわかんないんだけど、服をボロボロにしちゃったりして、怒ろうと思ったら必死で逃げようとして、ああー、ウメボシっての、これなんだ。散歩から帰りたくない犬がなっちゃうアレでしたか。オニギリに関しては、ちょっと違う理由でなっちゃうみたいですけど!
絵、いい感じですよね。きれいにまとまって、わかりやすく、丁寧に人好きするキャラクターにしあげてきている、そんな感じがします。第1回といっていいのかどうかはわからないけど、ばっちりキメてきてるキラキラご近所さんとか、いかにも今後イナホに関わり持ってきそうな人とか出てきてるじゃないですか。
今回はイナホとオニギリの関係や、大学でのイナホの様子、イナホのひととなりですね、それを主に伝える内容。けどさっきいってたご近所さんとか、いろいろ話を、あるいはイナホの人間関係を広げていく余地を見せています。ここからどういう発展見せるか、ちょっと続けて読んでみたいかもと思わせるゲスト回でありました。
『天国のススメ!』
いい話ですね。幽体離脱したまま戻れずにいる女子高生。太一いわく、幽体迷子っていうんだ。バレンタインデーに思い人に気持ち伝えるつもりが、ええと、事故? 自室で転んで頭打ったのか。たいしたことなくてよかった、といいたいけど、自宅での転倒がもとで亡くなる人多いからね! この人、結構ヤバい状況だったのでは!?
ともあれ、このお姉さんの好きな相手。背が低いのを気にしていてというのがね、太一の状況とかぶるのですよ。背の低い男子として、背の高い女性から気持ちを向けられて嬉しいものなの? 参考にと太一に聞くんですね。
遅々として進まないように見える太一と十子の関係。十子が太一のこと好きなのはもうあからさまじゃないですか。対し太一は十子のことどう思ってるの? その答が、言葉としては明確にされなくとも、耳打ちされた幽体のお姉さんのあの表情でありありと伝わってくるの、これはすごくよかったわあ。
さらに後にお姉さんと再会。おお、進展してるやん! この後日談見られたのも、またよかったと思うのです。
『恋はリベンジのあとで』
おおう驚いた。泉は石田からつけまわされてると思ってる。石田からしたら、うかつにも遭遇しちゃってるだけだっていうのに、泉はもしや好かれてるのではとちょっと浮かれちゃってたんだろうなあ。だからといっていいものか、地に足つかぬ泉はいつだって間が悪く、石田の気持ちを斟酌しないまま地雷を踏み抜いちゃう。はたしてこの関係、進展などするのか? 話の立て付けとしては、石田と泉の関係に収束していくんだろう?
今回、石田から泉に、むしろ距離を置きたいと明言されましたね。楽しい思い出があったわけじゃない。改めて親交を持ちたいとは思えない。これ、かなり強めの拒否ですよ。それで泉、ストーキングも誤解と理解して、それで泣くのか。驚いた。泉がここまで気持ちを石田に傾けてたというの、正直意外だったと思ったんですね。
確かに少し前からそんな風だった泉だけど、石田にはちょっと疎遠になっているとはいえ恋人がいる、だというのにそこで自分と石田との関係が好転する可能性を夢見てたんだなあ。
で、ここで、お前のそれは都合のいい夢想にすぎないと現実が突き付けられた。はたして泉はここからどう考えどう動くことになるのか。いや、まだ夢想に片足つかってるぽいところ見せてますけど、これまでどおりではいかんということがわかって、少なからず今後の行動に影響するんじゃないかなあ。いや、しなかったらどうしよう。泉はほんと、予測不能ですからなあ。
- 『まんがホーム』第35巻第4号(2021年4月号)
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