2021年3月31日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年5月号、昨日の続きです。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

保健室に寄ろうとしたしずねが聞いてしまった、日奈野先生がやめちゃうという話。ああ、これはきっと誤解だな、先生を、学校をやめちゃうと誤解しちゃって、それで騷ぎが大きくなってみたいなパターンだ。しずね、ちゃんと確認するんだ、そうしたら誤解は解けるから!

と思ったら、しずねはえらいですね、ちゃんと先生に確認しましたよ。そうしたら先生がそれを肯定しちゃって……。

いや、いやいや、一番肝心ななにをやめるのか、聞けてませんよ! ほんとこれでしずねがすっかりショック受けちゃって、思い出されるのは転校初日から保健室にお世話になった思い出話。ずっとプレッシャーに思っていた転校、さらには不眠も続いていてというしずねに安心できる場所を、空気を提供してくれたのが日奈野先生でした。

今回の話は、やっぱり結局全部は誤解だったというんですけど、それでも先生に感謝の気持ちを感じていたというしずねの気持ちは本物だったなあって。それだけに別れはさみしく、けれど悲しむばかりでなく先生にきちんとお礼をしたい、そうきっちり気持ちを固めるこの子を見れば、ああ、成長してるんだなって思われて、そこからあかりと一緒に作った寄せ書き、そこでも先生のこと、なにが好きだとかちゃんといろいろ考えてるの、ほんといい子だなって思いましたよ。

そうしたしずねたちの心の優しさ、それがとても美しい話だったと思います。これはそれだけ先生が、この子たちの気持ちのよりどころになってるってことでもあるのでしょうね。

『恋する小惑星』

面白いことになってきましたよ。

みらが部長に選任されました。満場一致というのがよかったですよね。でも、皆がそれぞれ、自分以外はあおに投票するんじゃないかって思っていたの、これが面白くて、安定と信頼のあお、対して希望と可能性のみらって感じがしますよね。そうかあ、みんなみらが引き起こすかもしれないなにかに夢を見たかったんだな。

そんなみらが最初に提案したのが、部内の班分けの廃止でした。ああ、これいいなあ! そう思ったのだけど、瞬間部内に走る動揺! そんなに!? そんなにか!? 君ら、それぞれ得意はあるけど、一緒に活動するうちに他分野にも興味持って、ぐんぐん活動の幅を広げていってたじゃん。

みらは、きっと自分自身のこれまでを振り返ってみて、広がっていく興味、繋がる気持ちと気持ちを知って、その可能性をもっと押し広げたくなったんだろうな。いやもう素敵な提案だったと思います。

そしてまた素敵だったのが、結論を出すまでの数日で皆がいろいろ考えて、みらの提案を受け入れるにいたったということ。やっぱり可能性に期待するところあったのでしょうね。ナナチカちゃんふたりの会話なんかもね、変わりゆくことへの期待が見えてとてもよかったのですよ。

『紡ぐ乙女と大正の月』

ああ、唯月が寂しそうにしています。紡がですね、このところ雪佳にかかりっきりで、きっとあの子は意地悪でやっている、それはわかっていながらもあえて雪佳に関わっていこうとするのは、その先に雪佳と唯月の仲直りできるかもしれないという望みがあるから。けれど、これがはたして唯月のためになっているのか。それがなんともわからないからもどかしい。

けれど今回は、雪佳が決して悪い子でないということがうかがえて、またそれが紡にとっての希望ともなっているのだけど、それを雪佳本人に話してしまったのはよかったのか悪かったのか。軟化していたとは思えない雪佳の態度が、より一層にかたくなになってしまい、ついには唯月の楽しみにしていた舞踏会のその日に、それこそ唯月のずっと感じ続けていた寂しさを乗り越えるためのよすがであったろう、一緒に踊ろうという紡との約束、それを目の前で反故にさせようとするにいたっては、ああ、ああ、あんまりじゃありませんか。

あまりのことに言葉もない唯月。ここで次になにかをなそうとするのはいったい誰なのか。雪佳のあまりの狼藉に旭が出るのか、紡が出るか。あるいは唯月その人でありましょうか。

この苦境を越えればきっと日の目を見ることもあるだろう、そう思っていただけにこの状況たいへんに心苦しく、ああ唯月の気持ちを思えば傷ましさここにつのり、胸苦しくもあろうというのです。

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