『まんがタイムきららMAX』2021年5月号、昨日の続きです。
『私を球場に連れてって!』
野球に馴染みがないもので、クライマックスシリーズってのがどうもピンとこないんですよ。両リーグでペナントレースやって1位になったチームが日本シリーズで戦うことになってたのが、たしかはやくリーグ1位を決めてしまった方のチームがダレて日本シリーズで勝てないとか、あと消化試合になったら客入りが悪くなるとか、そういう理由でクライマックスシリーズができたんでしたっけ? 日本シリーズ進出を賭けて追加で試合を勝ち抜く必要ができてしまって、これ1位をとっても安心できないよなあ。実際のところ、2位3位チームは日本一になれる可能性が残るわけだから嬉しいだろうけど、1位チームにとってはいいところないよなあ。
なんてこと毎年思ってたのですが、ここにレオナ、猫子ふたりからの力強い言葉、クライMAX中止しろ! を聞くことができて、やっぱりなあ! そうだよなあ! 1位チームファンはそう思うよなあ。安心、じゃないな、なんだろう、納得感があったのでした。
ペナントレース1位はアドバンテージ1を得ることができます。というんだけど、全然安心できない展開に、思考がとまる猫子? 荒れるレオナに煽るファル子と、いつもどおりのような気もしますが、ほんと大騒ぎで面白い。
2戦目を迎えても皆の様子尋常でなく、そうか、レオナ、猫子だけでなくファル子も眠れなくなってるのか。でもって試合がはじまれば、腰が抜けるレオナ、放心しているファル子、いやまあわかるけどさ、ほんとこの気持ちの持っていかれ方よほどのことで、でも熱心なファンはみんなこんな感じなのかもなあ。
しかし謎なのはタマですよ。煽りあうレオナとファル子にわくわく? え? 殴りあうふたりが見たいの? 謎です。ほんと、ラストの一コマなど、めちゃくちゃいい顔しとるの! この子の嗜好、謎です!
『瑠東さんには敵いません!』
今回はめずらしく瑠東さんが受け身なのでは!? 瑠東の家にお呼ばれした和村が妹連れてやってきた。いつもよりちょっと可愛い和村、はきはき元気でちょっと見栄を張っちゃう妹の百々も可愛くて、いやしかしなんの集まりかと思ったら、瑠東の料理の予行練習、和村に試食してもらおうっていうんですか。
自作のオムライスの出来に納得できない瑠東のリベンジ戦に百々も加わるところ。エプロン姿を姉に可愛いっていってもらいたかったんだな、これ。うずうずしてるところとかいいよなあ。でも、ユメたんには勝てない! 泣くほどか! 泣くほど悔しかったか! この姉妹のやりとりおかしかったなあ。ほんと百々はお姉ちゃんのことが大好きなんだねえ。
瑠東が受け身もしくは劣勢って感じたの、和村と呼ぶと百々も対象になる。だから名前で呼ぶことに? ってとこで、どうしても千紘といえない! 照れるのか、いつもそんなのしれっとやってるじゃんか瑠東さん。一転強気に出る和村もおかしくって、なんか嬉しかったんかな。いい友達になってるんじゃないのかな。なんて思いながらも、和村は瑠東のいろいろ、その背景やら思いやらをうかがっとるんですな。
そしてラストに瑠東を妹扱いした和村。ここで攻守逆転じゃないですか。ここはしれっと名前呼びしてやりましょうよ。そうしたらきっとアドバンテージは和村のままだったのに。ここぞという時の一押しが弱いですね、和村さん。
『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』
うお、今回はイトちゃんがメインか。無表情なイトちゃん。無茶をいう桔香のこと、しれっといなして従属させている、そんなイトちゃんの普段は見せない表情が描かれて、ああ、素晴しい、とてもいいお話でありました。
ひょんなことから、桔香の姉とお出かけすることになったんですね。ショッピングモールいきまして、タピオカ初体験してみたり、いろいろ見てまわって、おしゃれして、遊んでと、その様子、ぱっと見には楽しんでるようには見えなかったけど、いや、イトちゃんはこれほんと嬉しかったんだな、楽しかったんだよ。
イトちゃんもお姉ちゃん。それでいろいろ遠慮したりしてるところがあって、でも桔香の姉と一緒にいたら肩肘張らず気持ちを緩められる? 最初は皇香に対しても遠慮を見せていたイトちゃんが、だんだん気持ちを開いていく様子がとてもよかった。気持ちの少しずつほころんでいくところ、表情こそは大きく変わらないものの、その感情の動きが細やかに描き出されて、ああ、この作家の面目躍如たるものを感じました。桔香に接する皇香を見て、こんな姉になりたいって思った? 憧れや羨ましさのまじったその眼差しに、この子のこれまで表に出してこなかったものが見えたと感じられて、より一層に好きになったのでした。
- 『まんがタイムきららMAX』第18巻第5号(2021年5月号)
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