『まんがタイムきららキャラット』2020年12月号、先日の続きです。
『まちカドまぞく』
これは核心に近づきつつあるのかな? 桃の記憶にはいり、かつてこの町に起こったことを知ろうという試み。姉、桜の家に住んでいる那由多誰何なる人物。この人、実にほがらか、明るく、チャーミングなんだけど、どことなく不穏さにじませてくる。あたかも桜の理想、魔族と魔法少女が一緒に暮らす秘匿された町というコンセプトに共感しているように見せているけれど、欲してるのは魔族の戸籍だよね? それ、魔族を根絶やしにしようとしてるんじゃないの?
この疑問、おそらく誰もが感じてることなのではないかと思う。そして、当時の桃はこの人の裏に気づかなかったんだろう。それでグシオンにであって、名簿を手にいれて……。
どんどん不穏さ、危機感が増大していくこの状況。なんとかこの危機を回避しとほしい、そうは思うけれど、もうこれは確定してしまった過去なのでしょう? ということは桃にしてもシャミ子にしても介入などできようもない。ああ、おそらくは酷いことがおこるのだろうなあ! ちょっと気持ちが落ち着かない。次回起こるだろうこと、それを思うとちょっとハラハラしてきます。
『RPG不動産』
琴音を訪ねてきた妹ふたり、鼓と響。琴音にいうんですよ、一回死んで生き返ったってどういうこと!? ああー、そうだ、そうだよ、琴音、一度死んで生き返ってた。しかもそれ、結構な時間差があったから、家族にはまず死んだって連絡があって、数日してから生き返りましたって……。これ、感情が追いつかんよな。というか、家族皆が寄り集まって涙に暮れているその場面見せられたら、こちらも気持ちが落ち着かない。うん、これはつらい。泣けてこようというものでした。
姉が死んで生き返ったというのも驚きだけど、改めて知らされたドラゴンとの争いの仲裁をしたという事実。しかも英雄扱いされてるっていうのね、これ、またも驚きですよね。しかも復活できたのはたまたまっていうの。身内の、家族の話として聞くにはちょっとスリリングすぎますね。
今回、妹たちにいろいろしてあげたい琴音の気持ちと、なんだかんだいって姉のこと大好き、喜ばせたいし見守りたいし、でもちょっと素直にはなれないそんな年頃? そんな妹ふたりの心遣いが嬉しいエピソードでした。そっと残していった見守り精霊。またいつか琴音にピンチがあった時には、このふたりも駆けつけてきてくれそうです。
『あやしびと』
みぞれの姉、ふぶきが登場。生徒会長でひとり生徒会。あまりに優秀すぎるため、すべての役職をひとりでこなしてしまう。そんな彼女の秘密……。もしやみぞれのことを嫌っているのかい!? 冷たい表情、あからさまに妹の存在を無視していて、みぞれと二人で生徒会? そんなの耐えられないとの言葉に傷つくみぞれが悲しい。
ここで生徒会室にひとり乗り込んでいくアヤがいいですよね。本当に腹を立ててるってのがわかるその横顔。でもふぶきの秘密、その本当のところを知ることになってしまって、それで命狙われることに!?
あのアヤの驚き顔、前代未聞の表情でしたよね。すごかった。さらには自分がふぶきの、いつか殺すリストにはいってると知らされるのな、やべえ。でもってここからですよ。アヤのピンチにサトリ校長が介入。待って? 突然のバトル展開なの? 校長ロリかっこいい……。
しかし、これ、どう収束させるんでしょう。とりあえずアヤはこの姉をいなさないといかん感じしますよね。うまいこと乗り切って、この姉と仲よくなってほしい。そうしないとふぶきの出番が少なくなっちゃう! ええ、いいキャラだと思うんですね。もっとどんどん出て欲しい、そんなキャラですよね。
『恋する小惑星』
文化祭シーズンを迎えて、今年のジオカフェはどうしよう。その会議でどんどこアイデア出していくみら。次々却下されるんだけど、なにかこうして面白そうな発想出してくるのは頼もしいですよね。なんせ、こういうで一番こわいのは、なにもアイデアが出ないってやつですから。
そんなみらのやりたいこと。班ごとにバラバラにやるのではなく、皆で一緒にやりたい。そのアイデア出しに桜先輩とモンロー先輩の助けも借りて、おぼろげだったやりたいことがだんだん明確になっていく。そしてきら星チャレンジでの経験から導かれてアイデアが具体的にかたちを成すところ。ああ、ただみらひとりがやりたいことをやるんじゃない。部の皆の気持ちがひとつになる、その意味がくっきりと輪郭を持ったように感じた瞬間でした。そして多様な分野、多彩な興味をまとめるよすがとなるもの、それが地図。ああ、ここにイノ先輩がその存在感を増すというの、感動的でありましたよ。
冒頭の会議では主に聞き役にまわって、自分の思うところを主張しなかったイノ先輩が、その興味、発想をとめどなくほとばしらせる。これ、本当に素晴しい変化だったと思う。みらの発想、みらの望んだことというのは、誰もが主役である、そんな場、そんな活動だったのかもなって思わされたのですね。ああ、イノ先輩、輝いています。眩しさに目がくらみそうですよ。
- 『まんがタイムきららキャラット』第16巻第12号(2020年12月号)
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