2020年10月18日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年12月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』

翼さんがお悩みです。アニメの脚本、チェックしないといけないのに、文字ばっかりは苦手なんですって。全然読めない。音読しようとすると、途中から脚本離れて自由にやっちゃう。それで琉姫やら小夢、かおすにまで頼んで読んでもらうんだけど、そうか……、かおすちゃん、読むのうまいのか。さらにはアニメ制作の流れ? 現場について詳しくて、翼にびしばしアドバイスするどころか、悪夢のせいで怖れを抱いてしまってる翼に、そんなことない、大丈夫と、じゃんじゃんアニメ関係者の過去インタビューやら記事やら映像やら出してきて背を押しちゃうってわけですよ。

いや、いやいや、かおすちゃん、自分のことでなかったらやたら有能なのね!? ほんと、今回はまるであばあばすることなく、適切、的確、前向き、有能。なんで、それを自分の時にも発揮できんの!?

でも、こうしてそれぞれが苦手持ってて、得意持ってて、時に助けあえるというのはいいですね。かおすもいつまでも助けてもらってるばっかりじゃないんだっての心底よくわかって、この子の成長、喜ばしいかぎりでした。

『エンとゆかり』

ゆかりの決断、それが周囲にじわじわと影響を与えていっているんですね。冒険者の道を選んだゆかり。対しチリは迷いを抱えていて、ああ、ゆかりの向かう先には今の自分はいない。その切なさをしみじみ感じているあのシーン、静かでしみる。素敵な情景でありました。

この漫画はなんか不思議ですね。異世界の、まるで私たちの暮らす現実とは違う、そんな社会、背景、文化、テクノロジー。かと思ったら、リングなんかがそうですが、私たちの世界の実感と重なるものも多く描かれていて、今回のチリの悩みなどもそうなのでしょう。

残念ながら私たちの世界では、そうそう冒険者の道を選ぶという機会はありません。ですが、大好きな友達とまったく違う進路を選んで、就職とかね進学とかね、それで疎遠になってしまうのではという寂しさ、不安を感じることはあるわけです。今回のチリなどはまさしくそれなんだろうなあ。だから、異世界とはいえ、ファンタジーの世界のこととはいえ、彼女らの感じていることを、どこか自分に身近なものとして受け取ることができる。共感ってやつですか? 親しみといえるかも知れませんね。ええ、チリの悩み、迷い、その思いに共感したのです。

『ななどなどなど』

ヤバい女、高山萌。偶然を装って、気のある子、るるに接近を繰り返す。バイト先、るるとの遭遇可能性が高くなる立地が理由で選んだのか。さらにはさりげなくまちぶせ。うひー! でも、この熱意、思い、るるに通じてないのは悲しいよねえ。萌のバイト先にいってみようか。そう思いながらも、いったら迷惑にならないかとかいろいろ、るるが悩むわけですよ。ほんと気持ちが通じていない! このコミュニケーションロス、この漫画のテーマのひとつなんかもですね。

バイト中の萌、これいいですね! クレープ屋さんの制服、めちゃくちゃ可愛いじゃん。でもってここからのやりとりいろいろ、萌、しあわせなのはいいんだけど、やっぱり根本的に気持ちが通じあっていないよ? ポジティブ萌とネガティブるる。今のところるるのネガティブが勝ってように感じる。というか、萌のポジティブは萌ひとりで完結しちゃって、るるに届いてない! ああー、ディスコミュニケーション、コミュニケーションロスですわ、これは。

今回ラストで、小町ちゃんに萌が電話してるときの様子ね。ふたりともに、もう完全に地のまましゃべってますよね。むしろこっちのふたりの方がわかりあってるというか、通じてるんですよね。おおお、萌よ、それでよいのか? いや、萌は小町に対する気持ち、それも隠してしまってたな。明るい、ポジティブ、だけどどこか不器用。それが萌なのだとしたら、本当に、この漫画のメインの娘たちは皆それぞれにどこか不足を抱えてしまっているのですね。

『私を球場に連れてって!』

キャッツ、マジック9になりました。けれどファルコンズの調子がいいので、ふたつ減らして一気に引き離すみたいなことができなくてやきもき。それはいいんだけど、まさかここでもう逆転の目がないどころかBクラス確定しているアルバトロスファンの先生が煽ってくる。

ほんと、この漫画、見た目は可愛いが、やりとりギスギス! いや、なんだかんだで喧嘩にもならず、このやりあい、煽りあいを楽しんでる節がありますよね。これも高度な野球の楽しみなんでしょうか。

でも今回は煽りあいというよりも、優勝目前にしてハラハラしながらもひとつひとつマジックが減っていくのを楽しんでいるファンたちの様子と、そして願掛けするみたいにしながら逆転の可能性に賭けるファル子の情念、その接触しては炎のあがるような熱気こそが見どころになっていたと思うんですね。というか、レオナはいつもどおりとはいえ、わりと穏やかなタマが実は結構ギリギリっぽいのが面白い。いや、あれは違うのか? キャッツのマジック関係なく、体重のことからかわれたらああなるのか? わからんけど、とにかく面白かったです。

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