2020年10月30日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2020年12月号

 『まんがタイムオリジナル』2020年12月号、先日の続きです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

今回はえらい物騒な話。サンライズ荘に存在する通称仕置き部屋。なんせ大家があの調子だものなあ! という納得感と、警察沙汰だけは勘弁してくださいよ! ってなヤバげな雰囲気。悪いことすると放り込まれて閉じ込められるという証言からすると、お利口にしてると問題ないってことでいいのかな? いや、でもなあ、大家が率先して悪いことしたりするからな。ええ、今回もやらんでいいことやって警察に追われてるし、というか、姫子なんだけど、これ、本当にかまってほしいからとかじゃないんですよね?

しかし今回、仕置き部屋の隣に住む佳の被害がすごい! 大家の特訓で響く、揺れるはいいとして、壁ぶちやぶってくるんだ! というか、その部屋、コンクリの壁ってわけじゃないのか。てっきりコンクリだとばかり……。そりゃそうだよな、このタイプのアパートでコンクリ壁はないよな。

わりとというか相当に酷い住環境なんだけど、その分家賃が安くすんだりするんだろうか。この漫画のタイトル、敷金礼金っていってますけど、少なくとも101号室は敷金全部戻ってくるんじゃないか。だって壁ぶち抜いてるの居住者じゃないもんな、と思ったら、今回ラストにものすごいぶち破り方してて、これじゃ通り抜けできますだよ。ほんと、101号室あまりに過酷すぎて気の毒なんだけど笑っちゃいました。

カントリー少女は都会をめざす!?

八重ちゃん、可愛いよな。のっけからトリックオアトリートですよ。でも仕掛けた相手、大河さんから、お菓子がないからいたずらしてええよ、予想外の反応もらって困りはてる八重。ほんと、この子、基本ノープランであかんたれだ。

田舎におけるハロウィン事情、面白かったです。コンビニとかにコーナーできたりはするけど、それほど知名度ないし全然浸透してないしというの。うん、うちのまわりなんかもそんな感じかも知れん。子供のいる家庭とかだったら違うのかなあ。飾りつけてる家とかちらほら見るけど、あんまり浸透してない印象。でも、さすがに野菜はもらえんよな! このへん、八重の人徳なのかどうか、あるいはこの地域のご近所さんの距離の近さかい? 全然ハロウィンではないけれど、それはそれでよさそうかもって思いましたよ。

一番ハロウィンに親しんでいたのが亜紀だったのは、なるほど納得でした。そうか、ゲームとかのイベントでやるもんなあ。自分にとってもハロウィンといったらゲームのミニイベントとかだわ。と、そんなことで不思議と共感したり。でもって八重はまったくそのへんには疎いんですな。このギャップよ。距離関係なく全国一斉のイベントに親しむ亜紀と、都会への距離ゆえか幻想に中にたゆたう八重。どちらが都会に接近しているのか、そんな疑問? も生じてきました。

『とびだせT.O.Z』

マナ、なんだかんだいって素直なのかノリがいいのか、どっちなんでしょうね。母から兄の確保を依頼され、託された装備を身につけ兄を追う! のはいいとして、学校で仮面、ろうそく、ムチって、近所でおかしな噂がたちます! 不要といいきっておきながら、なんだかんだで身につけて、でっかい声でハンター・マナ爆誕とかいっちゃって、それでもなんだかクラスの男子に好評っぽいの、これ普段のマナのふるまいあってのことなんだろうなあ。

兄を確保する理由は、放っておくと翌日の都大会を前に無茶してしまいかねないから。ああ、これも親心ですね。でもこの親心、まるで通じない! むしろ怖れられてしまっていて、おお、これもこれまでの母との関係あってのことなのでしょう。

マナにウサミと、全力疾走チェイスの果てに母に確保された兄。ここでようやっと母の気持ちを知って、そして実家でくつろいでと、この兄の姿、なんかよかったなって兄貴にいってやりたいような気持ちになって、陸上をはじめて以来こんなに安らいだことはないとかいっちゃってるじゃないですか。どれほど過酷な日々を過ごしてきたんだあんた。その時感じた気持ち、マナも同様に思っていたというところ、不思議としんみりした気持ちになったのでした。

兄貴さん、リフレッシュして、大会でいい記録出せるといいですね。応援したくなるんですね。

『大奥より愛をこめて』

蒔乃の脱出ですよ。これまで蒔乃が関係してきた人たちの手引きによって牢から出ることのできた蒔乃。そこには御台様の助力があり、そしてさらには菜々緒の嘆願があったとの話。これ、菜々緒自身も危ないんじゃ? スパイとして入り込んでいた蒔乃をかばいだてする、それだけでも危険なのに、その上、御台様に直談判。やばい。でも、そこまでしてでも助けたかったのでしょう。ここには居ない菜々緒殿の心情がひしひしと迫ってたまらないものがありました。

しかし、本当にこれまでの総決算ですよ。本堂殿、二ノ丸殿、御台様 — 。蒔乃の感謝の気持ちがしみじみ沁みて、それだけに最後の最後まで菜々緒殿とまみえることのできなかったというのが切なくて、蒔乃のギリギリのピンチに助け船を出してくれた菜々緒、本当に蒔乃のことを守って大切にしてくれていた。この人と蒔乃の気持ちの、近くて、遠くて、いや、けれどやっぱり近かったというそのことがわかる、菜々緒のぽつりともらした言葉。

泣けますね。菜々緒殿。切ないですね。

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