2018年10月27日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2018年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2018年12月号、発売されました。表紙は『アニマエール』。こはねと虎徹が、黄葉した銀杏の葉に埋もれるみたいにして、空見上げてる。ぱっと明るいこはね、しっとりとした笑みを見せる虎徹、ふたりの個性も際立って、けれどそっと寄り添ってマッチしてるのが不思議、いや、これがこの子たちの近しさ、親しさであろうと思うんですね。天に向けてぐっと伸ばされたポンポンが真ん中にきて、これがいいじゃありませんか。ふたり一緒に手を伸ばしてるんだなあ。ええ、違う個性が寄り添ってチームになる。ふたり、いい関係だなって伝わりますよ。

『アニマエール!』。文化祭当日ですよ。準備の時、あちこちで見掛けた衣装違いのこはね。これ面白いなあ。生き生きしてる。そんなチア部の面々が一緒に展示、出店まわって、それで花和のクラスの舞台見にいって、なんですが、あの客席で応援のスイッチが入ってるこはね! マズい、マズいですよ! この後がすごかった。トンズラ決めたバンドの穴埋めにステージをつとめることになりました。でも30分ももたせられない。それを埋める虎徹のアイデア。おお、ひづめ先生によるエクササイズ。あー、それか、ダイエット要素が虎徹ならではか。集まる観客を巻き込んでのエクササイズ。ひづめのスイッチが入って、いや、これ、マズい! マズいですよ! 観客、ぐったりじゃん! ここからのチアも、観客参加型でいくんですね。ああ、これ楽しそうだ。みんな、ちょっと興味のある、そんなチアを体験してもらうステージ。急造のプログラムでも大丈夫。簡単な動きでも楽しくできる。ああ、うまいじゃないですか。ほんと、この盛り上がっていく感じ、わくわくでしたよ。

『恋する小惑星』。ああ、あお、父の転勤で動揺してるのか。思い悩んじゃって、長風呂しちゃって、体調崩しちゃって……。心配するみら。自分のせいじゃないかっていっちゃって、イノ先輩も自分もいけなかったんじゃないかっていっちゃって、それをきれいにまとめてくれるすず。うん、いい助けあいですね。で、すず、みらにえらいこと入れ知恵して、この自爆するみら、最高でしたよ。その後の、メモ帳取りあうみらとイノ先輩とかも、対話メインになる今回の話、うまく動きをつけて、目にも楽しい、飽きさせない誌面を作っていたと思います。けれど、あおの心配事はなくなっていない。問題はなにも解決していなくて、そんなあおにやんわりと助け船出すイノ先輩ね。ああ、心配しなくてもいいのかな。うまい解決があればいいなあ。お別れとかさみしいよね。

すわっぷ⇔すわっぷ』。修学旅行の情景ですよ。京都にきました、街に出るさいに着物着てね、ああ、実にはなやか。ゆりと春子、双子のノリっていうやつ、悪くはないよ! うん、あゆも認めるナイスさでした。今回は入れ替わりないのかな? そう思ってたら、お風呂の後に夏子と合流ですよ。マッサージチェア好きという春子。そのよさを伝えるのに入れ替わりを使うんだ。なるほどなあ。体質というか体のコリというか、それで気持ちよさが決まるんだな。ナイス判断だ、面白い。そう思ってたら、問題発生じゃないですか。正直、びっくりしました。春夏の入れ替わり。キスしてるとこを友世に見られて、まさか友世が春子にキス!? でもって春子と入れ替わり!? 春子、夏子間でしか入れ替わりはないものだと思ってた。まさかここで友世参戦!? しかも春子の体のまま駆け出していっちゃって、ああー、ややこしいことになった。これ、どう収拾つけるんだろう。ちょっとした大事件ですよ。

『いっか先生頑張って!』、ゲストです。悪くないですよ。ちょっとゆるい雰囲気の絵。全体にテンポもゆったりめなんですが、このゆったり感、悪くない。あがり症の主人公が塾の講師のバイトに応募した。基本おどおどしてるんだけど、面接では、男の人は怖いので女の子で大人しそうな中学生でお願いします、要望はばっちり伝えられるんだ。この唐突なしっかりさ、面白かった。ここでしっかりつかまえられましたよ。主人公のいっかと、友人ののと。ふたりの対話から心配性ののとの行動、悪くない。でもっていっかと、いっかの教えることになった子、深井新、ふたりの出会いからの展開、これもよかった。名前、にゅうっていうんだ! キャラクターの見せ方、個性の出し方、それがちょっと独特で魅力的だったなって思います。にゅうが塾の階段をのぼるくだり、あれはストーリーを伝えるには不要なコマなんだけれど、あれがあるとないとでにゅうという子の存在感、その雰囲気はまるで違ってくる。そうした見せ方、よかったです。この漫画がもっとこなれたらもっと面白くなるだろう、そんな気持ちと、でもこなれて最近の漫画風にかっちりした誌面になっちゃうと、今のこの雰囲気がなくなってしまうんじゃないか。それを残念に思う気持ちもあって、このよさ、チャーミングさを保ったままぐーっと伸びて欲しい。そんな漫画でありますね。

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