2018年10月11日木曜日

『まんがタイムきらら』2018年11月号

『まんがタイムきらら』2018年11月号、昨日の続きです。

『初春が咲く』。なんかゆるくっていいなあ。扉絵の柚子、なんかいいですよね。そう思ってたら、まさか冒頭4コマで、こんな感じで働いてますって説明するのに使われてて、しかもそれを、嘘つけ、真っ向から速攻否定されてて、ほんとおかしい。喫茶店でのバイトですね。昔ながらの純喫茶って感じのお店で、マスターもきつくないし、もう全体にゆったりとしていい感じ。しかも偶然、もうひとりのバイトが新庄で、それからのふたりの対話、おかしかった。電球の交換する時に、電球っていうのは部屋の明かりをつけるもので、って、あのくだりすごくよかったなあ。さすがの扱いに怒る柚子が可愛かったです。プリプリ。このコミカルなやりとりの先に、まさかのロマンチック展開! 新庄は特になんとも思ってないみたいですけど、柚子のドキドキ、さらにそんけいのまなざし。ほんと、急接近? なんかニヤニヤしちゃうよさがあります。

『おもいあい!』。やっぱりというべきなのか、相変わらず挙動不審なヒロインがヤバい。同じクラス、前の席の東十条が好きな雪乃。距離が縮まった気がするとかいってますけど、雪乃の一挙一動に東十条、ビビってるんですが……。するどい視線を感じる。誰もいない教室から笑い声が聞こえてくる。怪奇現象、心霊現象として受け取られてるし! しかもなにが酷いって、同じ状況を雪乃サイドから描いたくだりね、見るからにあやしい、むしろ妖怪の類に肉薄する勢いで、あのよだれは尋常じゃないよなあ。その妖怪、いやさ雪乃が恋のおまじないに挑戦です。って、いや、それ、おまじないか? まじないって漢字で書くと呪いだよな。印象としては漢字のとおりだよな。この呪い、結局効くのかな、いやさすがに効かないよな、そう思って読み進めたら、効いた、効いてたよ! ヤバいよ。っていうか、対象をまちがえたから東十条は無事だったんですが、もし当初の意図どおり東十条に呪いがかかってたらどうなったのか……。ともあれ、雪乃の目論見は達成されて、はたして東十条にとってはよかったのかどうなのか。危険な罠にかかった。そんな気がしてならない、不思議な恋愛模様です。

『おとめサキュバス』。最終回でした。ついに現れた調査員。キュリアの姉だったというのですが、まさか身内だからと贔屓する流れなのかい!? というような感じではないなあ、これは。キュリアの頑張り、見ていたっていうんですね。勇気を出して苦手に立ち向かったことを評価して文句なしの合格だって、しかも規約の穴まで突くっていうんです。ここまでやって身内贔屓に見えないのは、全体のゆるさ、それはおそらくキュリアの姉だけの問題ではなく、サキュバス全員の持つ傾向なんだろうな。そのゆるさが、厳しさよりも柔軟に、よりよいように、物事をとらえようとする性向を生み出してる、そんな感じがあるんですね。他人だけでなく、自分に甘いのも彼女らのらしさなんでしょうけど、これ、きっと、ヴェロルやルナについても、同様のはからいがありそう。いや、ルナはそんなのなくったって、なんの問題なくクリアしちゃってますけどもさ。キュリア、めでたく合格となったわけですけど、それを取り消してでも、自身納得できる結果を出したい。こういえるまでになった、これがキュリアの成長なんだろうなあ。ルナもキュリアにくっついて残るんですね。まだふたりの、それから涼香やみちるたちと一緒の学校生活も続くんですね。それがなんだか嬉しく思えます。

My Private D☆Vは柴崎しょうじ、『初春が咲く』の作者です。ああー、このイラスト、いいですね。「ホッとするような女の子っていいなあと思います」。キャプションにあるとおり、ホッとする、そんな飾らなさ。素朴な、けれどなにか嬉しくなるような愛らしさ、ぱっとあふれて、いや、これいいですよ。朝の情景、おはよーと手を振っている、それだけのイラストなのに、この子の向いている先にいる誰か、その距離感とか関係とか、感じとれるようで、さらにいえばちょっとしたストーリーも。この、女の子をとりまく空間、その背景も含めて、この子の世界なのだと思わせてくれるものありますね。

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