『まんがタイムきららフォワード』2018年12月号、先日の続きです。
『おなクラの幽霊さん』。またおかしな状況になってますよ。風紀委員会で、近隣からのクレームが増えているとの通達が。カップルが目に余るというんですが、その通報の行動原理が「ズルい」という、ねたみですかね、これ、おかしいなあ。いや、人間のらしさをよく表していると思います。それで風紀委員長、霜月綾弥ときさらの後輩、柊甘奈。ふたりが動くんですね。というか、甘奈の動きがあやしすぎる。最近、きさらの雰囲気が変わったっていってね、前はもっと堅苦しかったのにって、どうしたんだろうっていって疑って、男の影があるのではないだろうか……。それで綾弥を巻き込んできさらの調査をはじめるっていうの、ほんと、おかしい。純真綾弥と毒舌甘奈の凸凹ペア。どうにも行動原理のわからない甘奈、いかしますよ。でもって、甘奈が綾弥の愛らしさを引き出して、ええ、面白いふたりだと思います。さて、きさら、ふたりに付け回されてること気づけたのはいいとして、うっかり葉一の交際を見逃してることバラしちゃった。さてどうなるんだろう。毒舌の魔の手が葉一にも伸びるのかな。面白いことになってきました。
『夢喰いメリー』。自暴自棄になっている奏。自分のピアノが、いや自分自身が、寄せられる期待に応えられないことを苦にして、いっそ楽になりたいと、白儀のいう楽園に連れていってもらいたいと、銘無しに自分から食われようとしている。そんな彼女を庇って奮闘するメリーと夢路。いや、ふたりが守るのは奏だけじゃないよな。この世界全部を守ろうとしてる。ただ、まず手の届く場所というのがここ、奏のいるここだということなんでしょうなあ。今回のふたりの活躍、目覚しかった。メリーが銘無しをなんとかできるかも。時間を稼いで欲しいといわれた夢路がね、ほんと、きっちりいっただけの活躍して見せてくれるの。次から次へと夢魔たちの力を繰り出して、廊下を封鎖し、攻撃を加え、仲間を守っていく。傷ついても、倒れても、それでも決して足を止めないの、ほんと、夢路らしいと思う。そんな夢路のことを信じている勇魚の腹の座り具合もものすごい。これ、信頼だよなあ。メリーもそう。きっと夢路が約束を守ると信じて、その身を無防備にさらして動じないのだもの。これまでの積み重ねが作り上げた3人の信頼と、友達を、いや自分自身を信じられない奏の姿が強烈なコントラストを生み出して、そして奏の懐に踏み込んでいく碧。タイミング完璧やわ。ふたりの気持ちが通じた、問題が解消した、そのタイミングでメリーが銘無しを送り返す。この鮮かさ。しかも、この廊下だけじゃなく、学校内すべての銘無しを消したのか。この一気に劣勢が引っくり返される感覚、これだよ、『夢喰いメリー』の快感。一気にドンと見せてくれる瞬間、それがひとつ、まだ大団円には遠いけれど、しっかりばっちり打ち込まれてきましたよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第12巻第12号(2018年12月号)
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