『まんがタイムスペシャル』2018年12月号、昨日の続きです。
『コスプレ地味子とカメコ課長』。地味子、紫ノ井さんはすごいよな。普段の地味というその姿も可愛くて、でもってコスプレでもって変身したらあんなにも輝いて可愛い。そんな彼女と課長が飲みにいくっていうんですが、課長もすごいよな、居酒屋にプレゼン装備一式持ち込んだんだ。プロジェクターからスクリーンからばっちりで、ねえ、私物? それ、私物なの? しかもこの居酒屋を選んだの、魔法少女さりかとのコラボグッズ狙い! さすがや、課長。万事、隙というものがない。しかし、自分のことをこんなに絶賛してくれるとか、なかなかない経験よね。しかも、その課長の写真、元ネタ、アニメの見どころをばっちり押さえていて、ファンとしても共感するところ大きいときた。ほんと、万事そつなく、しかも紳士だ。酔い潰れた紫ノ井のこと、とりあえず自分の家で介抱してくれたっていうんだけど、この課長だとなんか安心感あっていいよな。しかも枕元にフィギュア! うん、なんか安心感あるよな。
『吸血鬼さんは無職です。』。うわー、疑問がひとつ決着しましたよ。橙也の隣人、ニーナさんは自称吸血鬼。でも、それを知ってるのは橙也ひとりで、まわりの人は知らない、気にしていない。あたかも普通の人のように暮らしている……、っていうのはニーナさんの嘘で、橙也をからかってるだけなんじゃないの? みたいにずっと思ってた。はたして、はたして、どちらであるのか。嘘か、本当か、その合間の曖昧さにまた面白さを感じていたこの漫画。いやあ、こうしてここではっきりと明確に決着させてくるとは予想外でした。今回、なんかいつもと様子の違うニーナさん。べたべたしないし、顔も少し赤いし、ぼーっとしてるし、元気もないし。橙也のことも若干避けてるんだけど、これ、ニーナも説明したように、血を求める時期であるからなのか、あるいは風邪を移したくないのか、どちらなんだろう。いやあ、まさか本当にニーナさん、鏡に映らないとは……。ここではっきりと吸血鬼であること確定して、けれどそれがために橙也とニーナふたりの誓いがより一層意味を強めるようになったとも感じるのですね。ええ、このふたりの不思議で特別な関係。目が離せないですね。
『ちんまり経理のヒメ先輩』。マユミ先生が挨拶にきます。若林にとっては初対面。マユミなんていうからどんな女性かと思ったら、男性でした。税理士の先生で、ヒメの経理の先生でもあるんだ。ちょっとフェミニンな雰囲気が素敵な人で、ああ、ヒメの母、小枝とは中高の同級生だったのか。双子の姉妹のように仲良しだったのだそう。なんか面白い人だな。どこまで本気で、どこからが冗談なのかさっぱりわからない。この人のこうした関係、思えば痛ましさも感じさせて、親しくしていた友人を亡くしたひとりでもあり、家族ぐるみでつきあいのあったお嬢さんのつらさを同じく感じるひとりでもあって、ひとごとではなかったろうなあ。だからこそと思ってもいいのかも知れないですね。母を亡くしたヒメの、決して手放そうとしなかったもの。その気持ちを尊重して、ヒメの挑戦、複式簿記の勉強につきあってくれた。それで今も親身になってくれている。いくらしっかりしてるといっても、まだまだ幼なさも残るヒメのことを、こうして周囲にいる大人がしっかり見て、サポートしてくれているということ。それが本当によいなあって思えるんですね。
『なごみ先生は職場のお医者さん』。なごみ先生、不調です。山田いわく、弱々しい、なのですが、なんかやたらと色っぽく見えますね。本業の病院での仕事があり、かつ産業医としての仕事も手を抜かないなごみ先生。ふらふらでへろへろで、気を抜くと立ったまま居眠りしてしまうほどにくたびれていて、それではいけないとドリンク剤でブーストして衛生委員会に臨むんですが、いやもう、危険危険、よろしくないですね。今回、余裕をなくしてしまったことで、なごみ先生の素といえばいいのかが見えたのも面白かったですね。そうか、本来は真面目さが先に立って、むしろ堅苦しくさえある、そんなタイプなのかも知れない。話が単調、資料も大量かつわかりにくくて、でもその向こうにある気持ちを汲み取ってくれる人がいるというの知ることとなって、ああ、先生、自分の気持ちに自覚的になっちゃいましたね。しかし、なんだか珍しいパターンのような気が。最近、恋愛状況描く漫画、まんがタイム系列誌にも増えてますけど、主人公側じゃなく相手方が自覚的で、主人公は無自覚でというの。と、ここまで書いて思ったんですが、山田くん、主人公じゃない? あくまで主人公はなごみ先生なのかな? だとしたら、どえらい勘違いしてたことになりますね!
- 『まんがタイムスペシャル』第27巻第12号(2018年12月号)
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