話題になったのはいつのことでしょうか。婚活戦士ゼクシィ武部なるインパクトある文言がTwitterを駆け巡り、なんだこれは、すごいぞこれはと耳目を集めたあの頃は。確認すれば、2016年の1月ごろですか。ああ、もう2年以上も前のこと。時のたつのは、あっという間だと実感させられましたよ。
婚活戦士ゼクシィ武部は、サークルめるくまあるさんの『夏こたつ会』で見られる。そうした情報を得て、電子版を買えるというメロンブックスにて購入。これも2年前のこと。本自体は2013年のものなのですが、こうして時期を過ぎても入手ができるということ、大変ありがたいことだと思います。
問題の婚活戦士ゼクシィ武部のくだり、この周辺も実に面白いのですが、いやあ、これ、メインじゃなかったんだ、というのが若干の驚き。だって、本のタイトルが『夏こたつ会』という謎めいたもの。いったいなんなの? そう思ってたら、本前半にて夏に涼をとろうとこたつの構造を活用しようとする生徒会のエピソードがあり、そしてさおりんの先輩直伝のこたつダイエット。ええ、こちらがメインだったというんですね。
でも、一番印象に残るのは、その後に描かれるシリアスパートなのではないでしょうか。これもまた驚きました。いやあ、まさかこういうのがくるとは思ってもいなかった。ガルパン本編の前日譚にあたる小エピソード。生徒会の面々が、廃校の件を誰にも内緒にしたまま、翌年度の準備をする姿を描くのですが、まったく期待できないといっていいくらいのわずかな可能性に賭けようとするその様子が涙をしぼるわけですよ。もちろん読んでいる私は、本編の顛末、結果までを知っているから、かすかな希望にすがる彼女らの願いが通じることわかっているのですが、いや、だからこそなんでしょうね、そのあまりにか細い可能性に賭けざるを得ない境遇、けれど諦め悪く打てる手を探し実行する気持ちの強さ。もう泣ける泣ける。これが同人誌で、ファンの妄想だっていうのはわかっていても、それでも、あの成功の影にはこうした努力はあったはずで、それを思えばもうたまらないものあるんですね。
さて、ゼクシィです。この漫画、全体にさおりんに対する当たりというか、作中の表現だと容赦ない弄り? それがもう徹底してて、いやもう、畏れられこそすれ一定の敬愛は得ているさおりん、その状況、前半にしっかり描かれてるのがもう面白い。いやもう、たまらんわ。ごく短いやりとりに、強烈なおかしみ盛り込んでくる。もう、一度見れば忘れられない。そんなインパクトでありましたよ。大好き。
- めるくまある『夏こたつ会』 めるくまある,2013年。
0 件のコメント:
コメントを投稿