2018年1月23日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2018年3月号

『まんがタイムスペシャル』2018年3月号、昨日の続きです。

『なごみ先生は職場のお医者さん』。なごみ先生の自宅をたずねた山田。ちょっとテンション高くして、けどこれ、健康相談会の資料を作るためなんですね。あわててなんとか部屋をきれいに整えてたなごみ先生のほつれ。クローゼットから転がり出てくる見られちゃ困るもの。先生が慌てるのは当然だけど山田も焦っちゃって、ああ、下着……。これでふたり意識しちゃって、もしかしてそちら方面に方向転換しちゃうのか、と思ったら、山田くん、いいですね。この戸惑いを、このドギマギする気持ちを、全部仕事に振り向けちゃった。あの山田の姿! これだけで山田の生真面目さ、誠実さが見えようものですよね。いいやつだわあ。いいやつすぎて、なんも進展しないタイプだわ。最後の、もうこんな時間からのくだりも面白かったですね。残業扱いで労使協定を超えかねませんから! っていう、こうした真面目さ? このふたりのやりとりに感じる素朴さ、その根っこがよくわかるエピソードだと思いました。

『君のパンツに一目惚れ』。クマパン、結局刺繍部に入ったんですね。というか、あの流れからだとそうならない方がおかしいよな。でもって、朝早くから練習だっていうの、すごいよな、刺繍で朝練。なかなか耳にしない響きです。刺繍で朝練。部長が教えてくれるんですね。聞きたいことはなんでも聞いて! この頼もしさ。キラキラして、ああ、この部長、いい人だなあ。でもクマパンは刺繍と関係ないこと聞いちゃうんだ。五十嵐となぜ刺繍部をやってるか。ちゃんと答えてくれる先輩。いい人だ。しかしここでもまたなかなか耳にする機会のない響きが……。放浪刺繍。なんだ、なんだそれは。驚いたのが、五十嵐に声をかけたの、佐藤からだったんですね。で、重升先輩のことは? と思ったら、そちらは教えてもらえませんでした。うん、部長の怒るのもわかる。朝練での様子も面白い。もくもくと作業してる佐藤部長、見るからに楽しそう。で、クマパンが玉止めと思ったの、これ、フレンチノットってやつ。いいわ、このふたりのやりとり。面白い。で、この朝練に小桜も参加してくるんですけど、あれ? なんかおかしい。なんで腹筋しとるの? というか、小桜のこと、佐藤にちゃんと知らされてないんだ。やる気のある小桜。クマパンの特訓がバレないよう、部長が今さっきまで刺してた刺繍見せて気をひいて、と思ったら、針見せちゃった! 針見せると溶けます。そのための筋トレなんです。全っ然わかんないよ!? って、これは部長の感想が正しいと思う。ええ、クマパン、小桜の事情と引き換えに重升のこと聞き出せそうですね。

『お役所忍務のススメ』。おお、しのぶ、振り袖を見てちょっとハイテンションですよ。月曜が成人式でした。それで振り袖が素敵だっていうんですが、あら、袖に武器を隠しやすそうって、やっぱりしのぶの根幹は揺るがないなあ。先輩から聞く振り袖の大変さ。そして振り袖の豆知識も披露されて、へー、フる、フられるって振り袖由来なのか。でもって、ここでもしのぶの根幹揺るがない。ほんと、この子のすべては忍者に通じておりますね。市長としのぶの関係、これがいかしましたよ。市長も忍者好き。課長からそれ聞いた瞬間に全部を理解しちゃう先輩ふたりがいい感じ。そしてしのぶ、公務員試験の際の様子が描かれて、おお、面接で忍者愛を語ったんだ! 見事に面接官がひいちゃって、そんな中、市長がその熱意をしっかり受けてくれたんだ。面白い。そうか、しのぶにとって市長は恩人でもあるんですね。そして同志でもある。しのぶの好きを受けて、皆に君の「好き」が伝わるような仕事をしてほしい、そう答える市長はちょっとかっこよかった。ええ、しのぶの忍者課での頑張りの原点、ここにあるんですね。いいですね。

『課長と私のおかず道』。南条課長の過去が少し語られましたね。国際部で海外勤務経験ありとのこと。そのこと保志が聞いてみたら、不安があった、大変だったという、それが全部おかず道のことだっていうのが本当に南条課長らしくって、白米を入手できるかどうか、これが一番の問題! 課長のすごいシリアスな表情に、保志のあーハイハイ!! ってあいづちがおかしくって、なんだろう、漫才の域に達してませんか? 課長の心配はジャポニカ米が安定供給されるかどうかだったんですね。いや、でも、これわかりますよ。自分も以前スカウトメールきた時、海外で四コマ誌の入手とか可能なのか? いろいろ考えましたしね。四コマ誌とジャポニカ米なら米の方が難度は低そうだなあ。ともあれ、アメリカでも広がる日本食。溶き卵につけて食べるすき焼きについてね、これ、海外の人たちには卵の生食の習慣がないというの、それはいいんだけど、そうした生食前提にされていない土地で溶き卵をそのまま食べるの、ちょっと怖いなあ! 今回、保志が今の課長との関係、異動によって変わるかも知れない、そんなこと考えてちょっとナイーブになってますね。ええ、この子、それとなく自分の気持ちをわかってるのに、明確にそれと理解できずにいる。そうした状況、いつか抜ける日がくるのでしょうかね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第27巻第3号(2018年3月号)

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