2018年1月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2018年3月号

『まんがタイムきららMAX』2018年3月号、発売されました。表紙は『こみっくがーるず』。小夢とかおすちゃん、ふたりのイラストです。かおすちゃんのこと、なんか着せ替えしてるみたいにマフラー巻いてる小夢が実に楽しそうで、しかし、されるがままのかおすちゃんもいいですね。髪のリボン、髪飾りもいくつもあって、手袋、イヤーマフ、そして帽子も? 窓の外には雪が降っていて、ああ、これからお出かけなのでしょうか。暖かくしていきましょう。その暖かさ感じさせるのがね、実にいいと思ったんですね。

『こみっくがーるず』。あばっば! いい話やった……。翼をあの家から救い出さんがために、本来描きたかった漫画の方向性を変えてでもデビューを果たした琉姫ですよ。翼の話を聞いて、嫉妬のあまり耳ふさいじゃってる美姫がほんとおかしくて、なんだその顔! いや、それだけお姉ちゃんのこと好きなんだろうなあ。でも、お姉ちゃんは翼のことが大切だから、そう思ってしまってる美姫にかける翼の言葉、あの強さ、もう、あの時点で泣けるものありましたよ。妹のためにTL漫画家をやめる、そう思ってる琉姫のこと、編集さんがよくよく理解してるのもおかしかったです。あのファンレターの山、たまたまじゃないわけね。そして姉と妹の和解。今度は翼が嫉妬する番! 面白くてね、ちょっと切なくて、最後にはほっとさせられて、充実、渾身の一本でした。一緒に絵を描く姉妹の姿とか、素晴しかったです。

『魔法少女のカレイなる余生』。今回は、しじまという人物がいかにして作られたのか、それが描かれたといっても過言でない回でした。姉、登場! しかも行き倒れ。この人、たまたまミミに拾われたからよかったものの……、と思ったのだけど、ミミに拾われること想定していた? いろいろと言動に問題のある人っぽい。ああ、しじまは引退魔法少女たちといい、こういう困った人たちに囲まれてしまうさだめにあるのかな、なんて思ったんだけど、なんとまあ、この姉、とばり、無茶な言動とはうらはらに、本人は優秀なのか。自分たちのこと棚にあげてとばりを批判するリラがいいですよね。そしてリラ筆頭に、次々破れていく引退魔法少女たち。なるほど、しじまの有能さもわかる気がする。さらに加えて、しじまのしっかりしてるところや面倒見のいいところ、よくよく理解できて、ええ、しじまのこと、もっと好きになった。そんなエピソードでしたね。しじまのこと思ってブーメラン投げるリラもよかったですよ。

『わたしたち遊んでます。』。なるほど、高校デビューならぬ、引っ越しをきっかけにイメージチェンジ、でありますか。夏村佳央は、髪も見事に金髪に染めちゃって、いまや校内一番の注目株。噂もとんでもないのが飛び交って、それでまんざらでもないのかと思いきや、あれえ? 引き返せないって冷汗かいてるね!? そんな彼女をたずねてきたのが、やっぱり校内で一目置かれている? どうなんだろう? 冬崎悠と春田育子。ふたりして見た目派手にして、ああ、本物にあったらバレちゃうって怖れてる佳央がおかしい、というかヤバい。目が、目が、船橋市のナシのゆるキャラみたいになっとる! これ、結局は似た者同士なんですね。なるほどふたりも引っ越しデビュー。それとなく格好装ってるけど、どうにも中身がついていけてないところ、とりわけ悠が残念で! っていうの、ああ、見た目ばっちり中身残念が好みだったりしたら、この漫画、ぐいぐいきそうだなあ。ええ、かなりいい感じにきましたよ。あのアホアホなやりとり、ええと、あんごうっていうのん? 方言もええね。楽しく読めてナイスでした。

『メスネコ輪廻』。おお、猫から人への転生もの。今号は犬から人、猫から人と揃いましたね。でも、それぞれにテイストが違うのが面白い。こちらは元雄猫の、いわば恩返し? 命を助けてもらった、その子に思いを伝えるんだ、その願いがかなってか、猫としての生を終えて、今これからは人としての生を歩みはじめるっていうんですね。けど、この猫、玉雪、去勢ずみだったせいで性別取り違えられちゃって、女子になった。しかも転生がおざなりで、耳と尻尾が残ってる。この子が、恩人春好ひざしと一緒に暮らすことになるという、これ、すごいな、ものすごいスピーディな展開。間のいろいろ全部すっとばして同居までいっちゃった。いたれりつくせりな転生だなあ。でも、このスピード感、描きたいものはなにか、見せたいものはなんなのか、それを考えれば、むしろこうでないといけない。序盤でもたもたなんてしてられませんもんね。しかし、こうして同居がかなって、しかも猫耳、尻尾つきというのも秘密にしてくれるって、この関係。発展するのかどうなのか。少なくともひざし側はユキの思惑、そのままに受け入れる態勢にはないっぽいのですよね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第15巻第3号(2018年3月号)

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