2018年1月14日日曜日

『まんがタイムジャンボ』2018年2月号

『まんがタイムジャンボ』2018年2月号、一昨日の続きです。

『偏食女子は恋でおなかを満たしたい』。いや、実にいい感じですよ。甘酒のコップ手にして美味しーッなんていってるアキですが、その表情が今の感想の嘘であることを雄弁に物語ってる。それを今野に指摘されて、じゃあ美味しい顔ってどうしたらできるんだろう。平岡が巻き込まれて、できもしない演技をさせられるという悲劇がおこるというのがおかしくって、いやもう、この3人とも、いいコミュニケーションしてますよ。平岡が演技が下手なら、今野はあざといくらいにやっちまう人で、さすがの平岡もそのブリッ子ぶりには引くんだ! 新たな知見が得られましたね。この美味しい演技、藤井に見せるために頑張ってるわけですが、いや、よかったですよ。その藤井の前で甘酒飲むことになって、苦手な場合はこれっていってアレンジしてくれた、それが本当に美味しかった。演技いらずで美味しい表情して見せてっていう、ああ、これ新境地だ。自然と出た本当の表情に、藤井、すっかりまいってしまった感じですよ。でも、アキ、そのことに気づけてない! なかなかに前途多難な恋でありますなあ。

『きつねとパンケーキ』。完結しましたよ。紺乃のことを思い出し山へと分け入ったパパ。遭難してしまった彼を助けようと寄り添っていたのが、もとのキツネの姿をした紺乃だったというのですね。そうか。あの最終試験は、母と父、どちらを選ぶかで、その住む世界を決めようというものだったのですね。そして紺乃は獣の世界を選んだ。選んだはずが、獣の暮らしに徹しきれなかったというのです。これ、温情ある決着だと思いましたよ。恵那、人にも獣にもなりきれなかったとして、紺乃を獣の印を残した半人前として、もとの姿に戻してくれて、ああ、望んでいた次のステップには進めなかったけれど、もとの暮らしを取り戻すこと叶ったのか。そしてそれを挫折としてではなく、ふたつの世界の架け橋となりうる、そんな存在であると位置づけてみせたというのがまたよかったと思います。この一連の流れで、獣娘から鹿としての生き方を選んだ紗恵との再会が描かれたこともまた嬉しいことで、ひとつの伏線として機能しつつ、心残りをここで溶かすことができた。ええ、それが嬉しいと思ったのですね。

『あの日の海と16歳の夏休み』。先日来店した東京のモデル、アイルちゃん。この人、本当に人気者なんですね。さきの友達ばかりか、桜葉先生までちょっと浮き立ってしまって、そうか、先生世代までリーチする、そんなモデルさんなんですね。さて桜葉先生。さきたちの、中学時代の国語の先生。黒髪眼鏡の素敵なお姉さんなんですが、婚活市場で勝てる髪形にしてほしいだなんていっちゃって、待って? それ、元生徒の前でいっちゃっていいの? 先日いった結婚式で焦ってしまった。しかも新婦が元教え子で、って、そうか、それはつらい。しかも噂の恋人、数学のウッチーとやらは、桜葉先生のこと30直前にしてフッたのか。酷いやつだ! 先生の婚活、いろいろチャレンジしてもうまくいかないというの、男性の求める理想から外れてるからじゃないか、今もしている黒髪ストレート、これもおしとやかというよりサバサバとした、そちら寄りになっちゃっててっていうんですが、いや、サバサバの方がいいじゃん! おしとやかだった先生がサバサバになってしまった理由というのも面白かった。うん、それくらい飾らないのが本当だったら魅力的だと思うんだけど、婚活市場じゃあかんのかあ。世の中、つらいね。そして先生、イメージチェンジ。ああ、素敵になりましたね。もとの先生もいいけど、こちらもいい。なにより、先生が次へと進んでいけそうな、そんな気持ちになったっていうのが伝わってくるのがなによりで、ほんと、この変化が逃げではなく、次へのステップになるというの、この漫画の魅力であると思うのですね。でも、猫はあかんくない? 猫飼うと結婚とかすっとんじゃうって聞きますよ?

  • 『まんがタイムジャンボ』第24巻第2号(2018年2月号)

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