2018年1月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2018年2月号

『まんがタイムきらら』2018年2月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』。花名はじめ、メインの4人が揃ってこちらに笑顔を向けてくれていて、と思ったら、冠は栄依子のうしろに隠れちゃってますね。そんなところもこの子の魅力だと思います。明るさ一杯のたまて。穏やかな表情にほっとさせられる、花名。皆、その表情からもそれぞれの性格、個性感じさせてくれる。晴れやかないいイラストであります。

『ちっちゃなピアノ教室』。今日からピアノ教室をはじめます。体験入学の生徒さんもくるというので、張り切って服装しっかり、ピアノもピカピカにして待ってたんだけど、そうか、ここすごい田舎なのか。いや、違うか、ただ迷ってただけか。面白い仕掛けのある漫画でしたよ。先生は小学生みたいに小さな鳴沢藍。知り合い以外の前だと緊張するのでピアノ弾けないという椿つばめに、私のことをお母さんだと思って、っていうんですが、ええと、年だってゴニョゴニョというの、つばめの表情を見るに思ったよりいってるの!? 友達の前ならピアノを弾ける、そういうつばめに先生が渡したのがおともだち帳。自分の名前を、それからプロフィールも? 書いてこれで私はつばめちゃんのお友達というのね、なるほど、こうしてつばめの苦手意識を克服させようっていうんだ。初対面の鳴沢先生の前でピアノが弾けたこと、つばめにとっても手応えあったみたいですね。もらったおともだち帳、これを沢山の名前で埋め尽くしたら誰の前でも弾けるようになるかもと、希望持って帰宅するつばめのその様子とてもよく、ええ、ただピアノを習うっていうだけじゃない、ピアノを通じて友達を増やそう、自分を変えていこう、そうした前向きな気持ち、モチベーションを描いたところ、この漫画、とてもよかったと思いました。俄然、面白くなる。そんな感じがしたのですね。

『あっとほーむベース』。学童とそこで指導員のバイトをしている高校生たちの話であります。これ、おっちょこちょいで人の話聞かない森モモの存在が、迷惑ながらも面白さを生じさせ、話を展開させる動因として機能していますね。そうか、子供なら誰でも学童の子に見えてしまうんだ。それで背丈の低い倉敷マヤ、高校1年生まで無理矢理連れてきちゃって、自分は違うっていっても、高校生だっていっても聞きやしない。森とは対照的に落ち着いてる瀬川、この人、森の行動にはもう慣れっこって感じですね。そうか、本物の小学生を連れてきちゃったりしてるのか。森のことを、絶対指導員やっちゃダメな人だっていう倉敷、面白かった。でもって瀬川も、学童ではないものの森の被害者だったんだ……。子供に好かれる森。子供好きで小学校の先生になりたいのだけど、自分の背丈を気にして迷ってる倉敷。そうした背景見せながら、瀬川の得た達成感とかね、学童で指導員として働くそのやりがいが描かれたの、大変よかったです。しかし、森、この人は本当に困った子です。けどしっかり落ちも担当して、いい感じに話を動かしてくれますね。

『ワンタイム!』。強権持った生徒会ものですね。いや、むしろ強権というよりも、生徒自治が機能してるっていった方がいいのかな? 常に人材を求めている、そういう生徒会長、三廻部静から抜擢された一年生が里中萌。生徒会体験会議の名目で呼び出されたのだけど、その会議で厳しいことビシビシいってしまって、なるほど、萌とはこういう人なのか。いわゆる空気を読むことをしない人。周囲を敵にまわしても、自分の思うことを貫く人。こういう人材が求められていたわけか……。そう思ってたらですよ、ええ、この漫画、見誤ってましたよ。生徒会ものじゃないじゃん! 生徒会長が萌を抜擢した理由、静会長が自身の特殊な癖を満足させたい、その一心だったんじゃん! 私はねこう見えてMなの、ってすごい自己紹介だ。それで萌にご主人様になってもらいたいって、この笑顔。ニコニコしながら萌のこと追い詰めて、自分のご主人様にしようという、そのやり取り、ちょっとスリリング。こうした関係、実はSこそがMへの奉仕者なんだというのは聞いた話でしたが、まさに静と萌はそんな感じになりそうですね。あの手この手で自分への奉仕者を確保し、繋ごうとする。静、危険な香りのする人ですよ。

『ふるーつぴんち!』。身を隠しての友達活動といったらいいのでしょうか、アイドル、ももに一目惚れしてしまったいちごは、ドルオタがバレることを怖れつつ、もものライブに、イベントに熱心に参加する。そんないちごの活動、ももファンたちからも認知されるほどで、他ならぬももにとっても印象的で……、いつしか気になる相手になっていた。そんなふたりが同じ学校に通っていることが判明。ももは学校ではアイドルであることを隠していて、髪形も全然違う、地味に、物静かに振る舞うそのせいでまわりからも気づかれてない。この子が、アイドルではない普段の自分として、いちごに接近していく。モモヲタであることを隠したいいちごと、アイドルということをついつい隠してしまったももの、不思議な関係。いずれ互いにそれと気づいた時にどうなるか、そこにいたるまでの道のりもまた見どころになりそうですね。

  • 『まんがタイムきらら』第16巻第2号(2018年2月号)

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