『まんがタイムきららキャラット』2018年2月号、先日の続きです。
『花降り宿のやどかり乙女』。今回は柚の休日ですね。ひとりお休み。だから皆で遊びにいくってわけにもいかないんだな。ひとりでお出かけ。町をぶらぶら、といきたいところが、迷子の女の子を拾ってしまって、そうか、旅行者なのか。親御さんとはぐれちゃったんだな。その子の泊まっていた宿を探すっていうんですが、柚、さすがですよね。超能力とかいいかげんなこといっちゃって、これで見つかんなかったらどうすんの? と思ったら、あー、わかりやすい特徴が示されました。って、六花か! 六花の髪か! よくそんな、ランドマークでもない特徴、すっと出てきたもんだ、というか、それでわかるんだからたいしたもんだ! 今回は柚のとんでもない発想の連続に面白みを重ねながら、同時に雪との思い出を回想するという二重構造になっていて、ああ、この子の皆との関わり方、それがささやかにうかがえる、そんなところ、よかったと思いました。なんだか突拍子もなくて、けれどそれを雪もよくわかってる。そうしたところもよかったなって思ったのですね。
『トモダチヅクリ』。最終回でした。劇が無事に終わって、さて皆の状況はといったら、秋先輩はやたらめったら照れてるし、演じられて恥ずかしく、書いたのが自分だって皆に知られてるのがまた恥ずかしくっていうね、その様子。ほんと、ここにきてまた見えるこうした表情、とてもよかったですよ。逆に落ち着いてるのが麻乃で、と思ったら、今度は静が恥ずかしがる番か! 最終回は順番に恥ずかしがるお話ですか? もう物語の山場は過ぎて、この子たちがやってきたこと、頑張ってきたこと、その結果が語られるといった様子。麻乃にはファンクラブができてたり、あ、麻乃が照れる番がきたよ。これね、途中途中に麻乃と静の誤解されてる関係とか、静に対する周囲の視線の話とか、面白い要素盛り込みながらも、皆で協力して友達を作っていこうっていう、その頑張りが報われたことをしっかり見せてくれて、本当によかったって思ったんですよ。この子たち、本当はいい子なのに誤解されて、だからこそ欲しいと思っていた友達、できるといいなって、その気持ちが叶ったのが本当に嬉しい。芽衣が感慨に涙をこぼしたように、見守ってきた読者、私にしても万感の思いあったんですよ。ほんと、いいラストだ。そう思っていたら、最後の最後にもう一段あって、ああ、ただの振り返りでも後日談でもない、ここにこそ、この漫画の山場、大きなステップがあったんだって思えるあの展開、麻乃の笑顔、素晴しかったと思います。本当、この子たち、いい表情するようになりました。ほんと、いいラストでありましたよ。
『はやしたてまつり♪』。SNSで大失敗!? そんな話が続いちゃって、ああ、なんだかヤバそうな人に煽られちゃってるじゃないですか。これはマズいと月が対処してくれるというんですが、ああ、さなみがさっそくやらかしちゃってた。煽りに受け答えしちゃった。そしてリアル拠点をバラしちゃった。アカン! そう思った矢先ですよ。ああ、やってきちゃった! ヤバい? どうする? どうなる? と思ったら、あれれ、なんかいい人っぽいっていうんですよね。まずは手土産だ! って、ほんとに手土産だ! なんと、この人、入会希望者だったんだ。ドラム経験者で、いろいろこじらせてるっぽい言動こそアレですけど、根は素直なようで、ああ、さなみさん、よくぞちゃんと受け答えなさった。ほんと、結果オーライかも知れないけど、このなんとかなった感。ほんと、よかったですよ。この子、名前はすずめっていうんですね。可愛いといわれて照れたりしてね、こういうところ普通の女の子だ! そうか、この子が加わることで、三人で太鼓を叩く、本来のお囃子の演奏が可能になるんだ。これ、真としらべ、締太鼓の基本だったりするのかな? こうやって、SNSを活用して、演奏動画も公開して、それがこの子たちの、そして演奏の可能性を広げていくというの、とてもよかったです。その広がっていく様、楽しみにさせられます。
- 『まんがタイムきららキャラット』第14巻第2号(2018年2月号)
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