『まんがタイムオリジナル』2024年8月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。榊医師を前面に、山下ナースがタッグを組んで、堂々表紙を飾ります。しかし、榊先生のポーズは頼もしさ感じさせてくれるものですが、山下さんはなんというか、ひとっ走りつきあえよ、な感じがする! さて、この他に、『はらぺこ母娘と元カレ家主』、『かつては最強無敵の勇者様』のカットもございます。こちらのふたつはデザート、ティータイムあたりがテーマっぽいですよ。
『ムクカノ:無垢で無口な職人彼女と、静かでにぎやかなふたり暮らし』
整体師の賢太と職人の椎奈。ふたりの職の違いもあるからか、あるいはもともとの性格の違いもあるでしょう、人をよく見て観察するのが得意な賢太です。椎奈の普段の振る舞いをよく見て、気づいて、好きなものはとっておく方でしょう? わかってくれるというんです。
そのことに助けられながらも、ちょっとくやしい椎奈。ここからはじまる賢太観察がめちゃくちゃ面白くって、いや、観察するのはいいけどいくらなんでもガン見しすぎではありませんか!? なぜそんなに見つめられるのか、賢太はうれしく思うもわけがわからずにいるのですが、この観察の結果が出るまでの椎奈がとにかく面白くて、これはあれだな、あの、視線をこれでもかこれでもか、じっと見つめる目を、真剣な表情を、これでもかこれでもかと重ねてくる、そのおかしみがあるんだな。
そしてわかって嬉しい椎奈です。やっぱり職人だから!? 観察眼は確かなのかな!? はっとわかって、満足感じて、めでたしめでたしかと思ったらそうはならなかったというのがまたおかしくて。ええ、椎奈は無口かもしれませんが、賢太の前ではわりと雄弁ですよね。その感情の発露。それがおかしくて、かわいいのだと思います。
『元アイドルのハロー!ワーク』
ああ、あかりん、失敗してしまった! 出張先でのこと。向こうの担当者から、アイドルやってた子でしょう、知ってるよ、長続きしないんじゃない? なんて出端をくじかれそうになって、ここでなんとかしっかりしてみせないと、気持ちを引き締めた矢先に資料の入れ忘れが発覚。まさかの大ミスに消沈してしまうあかり。ほんと、うまくやれていると思っていたのに、ここにきて意地悪な顧客を前に、よりにもよってしくじって、このショック、ちょっとやそっとのものではないでしょう。
この後もずっと落ち込んでいるあかり。とりなす雪村なんだけれど、あかりの気持ちは沈んだままで、けれどこうした失敗を失敗として受け止めるところはとてもいいと思う。ただそれを引きずらないことが大事で、そして雪村もいうように今は経験値を貯めるための時期なんだ。このはげまし! ああ、雪村も苦し紛れの果てだったのかも知れないけれど、この局面にしっかりあかりをはげまし、導く言葉を選べたこと、本当によかったと思いました。
けど、その後がまさかこう!? 酔って寝ちゃったあかりを前に、いやもう、どうなるの、どうするの!? 雪村、ちょっとした試練ですよ!?
『沖浪荘202号の漫研部』
寮が漫研になる布石、どんどん打たれていきますね。会社の怖い先輩、久慈川が、自室では少年向け特撮玩具で必殺技の決めポーズ!
ああ、大変なところを見てしまった。なんとかこの局面を切り抜けようとするも、相方霞ヶ浦が酔ってえらいこと口走って、久慈川に大ダメージ!? かと思ったら、久慈川には久慈川の美意識があった。それを滔々と語る久慈川は、この人も酔っている? いや、どうもそうではないな。ちょっとヤケなのかも知れないけれど、自分自身の好きという気持ちに嘘をつくことなく、真っ正直に正面勝負なんだ。
そうした好きを語りあった、いや一方的に語られたのか? そうでもないな、稲敷もいろいろ聞き取り受けてたもんな。ともあれ、語りあった時間が功を奏して知ることができた、久慈川の真実! 睨みつけてくる怖い先輩と思われていたけど、まったくの誤解だった。むしろ、自分の好き妄想に耽溺していただけだった!
と、こうして一癖ある寮生との親睦を深めていく稲敷ですが、これってつまり久慈川もメンバーになっていくってことですよね。ということは、ストーリー担当かあるいは設定担当なのか。いずれにしても、なかなか面白い人が加わった。期待感が膨らみます。
- 『まんがタイムオリジナル』第43巻第8号(2024年8月号)
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