『まんがタイム』2024年7月号、昨日の続きです。
『跳べないウサギと神の島』
うっかり境界に触れてしまったリンコ。その失敗を大目に見てほしいと、真面目に神事に取り組むのですが、たとえ夏が近いとはいえ洞窟での水垢離はさむくてつらい。それでこっそり逃げ出しちゃうっていうんですが、同じようなことを祖母もやってたとかね! 月兎島の巫女は代々こうした性格をして、したたかに生きてきたのかも知れませんね。
しかし、今回明言された月兎島の巫女の秘密。なんとまあ境界に触れて気を失ったあの事件。境界から出ると飛行能力など超常の力が使えなくなるのかな? みたいに思っていたのが大違い。もっと事態は深刻で、なんと島の外に出ると死んでしまうという。
ネットのある今は昔に比べてずっとマシとリンコはいうけれど、この巫女としての制約、なんとかする術はないのか!? 圧倒的な非現実に理不尽感じるレオだけれど、そもそもリンコが空飛んでた時点で非科学的だからなあ! ああ、このあまりに超常的な理不尽。なんなりと乗り越える方法などあるのでしょうか。
『秘密のお姉さん養成ノート』
あまりに疲れ果てたとき、ふとした瞬間に癒しを与えてくれる人。その聖母感をさして蛍いわく、ママみ! ママみとかばぶみとか、オタクの用語ですよね。まったくもって主任に通じないのが面白く、説明しようともまるで理解が得られない。
そういう意味では、人類には、いやさ普通の人にはまだまだはやい概念なのかも知れませんね、ママみ。
しかし今回もといいますか、抱擁感というと紀ノ川さんに落ち着くこの流れ。いかにぽっちゃりを愛し、ぽっちゃりを重用しようというのかこの漫画は。でもすべてをすべて紀ノ川さんに背負わすのではなく、蛍と藤先生との会話において、互いに互いが甘えあっているということが言明されたところ。ああ、相憐れむ、じゃないな、持ちつ持たれつのふたりなんだなって思わされたのでした。
そして大好きだりあちゃん。ああ、だりあちゃんの夢見るほたるお姉さまとの妄想。なんでもおねがいいって、って、もしそうなったらだりあはどこまでおねだりしてしまうのか!
これはぜひとも実現してほしい。いつか、かならず、実現されるべきことだと強く感じました。
『黒曜ちゃんと白玉くんの変わった関係』
男に戻って以来、黒曜に冷たい小太郎。まさか男に戻ったら、もう男の黒曜には価値がないみたいになったんじゃないよね!? ましてや、中学時代の彼女、もえと復縁みたいなこと、ないよね!? もしそんなことになったら、あまりに、あまりに、黒曜ちゃんがかわいそう!
なりませんでした。ああ、よかった、本当によかった。
小太郎、いろいろと戸惑っていたんですね。女性になっていたときの感情が今となっては取り戻せない。それを恋愛不感症だともえから指摘されて、そしてふたたび女に戻りたいと願うようになったのですね。
それもこれも、黒曜あってのこと。黒曜との関係を取り戻さんと、女に戻るべく黒曜を通じ神と対話しようと目論む小太郎。このふたりのチャレンジはどのような結果を生むのでしょうか。願わくば、ふたりにとってしあわせな結末につながってくれればと思う気持ちでありますよ。
『良倉先生の承認欲求』
今回はコラボの話。コラボの依頼がこようとも、応じることのできない良倉の悩みですよ。OLじゃないってバレたらすべてが終わる! 星畑いわくおじバレ。うまいこという!
でも、おじバレだけが問題じゃないのだそうです。教師は公務員、勝手な副業は禁止です! 許可を得れば可能だっていうのですが、そうなったら今度は教頭相手にOLバレしなければならない!
かくしてコラボはできないという悲喜交々のエピソード。でも良倉の性格がいろいろ妨げになってるところもあるようで、上枝から自分とコラボしてみたらどうかと打診あっても即拒否ですよ。いわく、人気男性絵師にOLが媚びてると叩かれるのが怖い!
わかるわ。いや、OLうんぬんはわからないけど、変な下心あるんじゃないかと勘ぐられたりするのは怖い! 自意識過剰なのでは? みたいにいわれるかもしれないけど、怖いものは怖い。ええ、良倉先生もいっています。がっついてるOLだとも思われたくない……。
ええ、良倉の気持ち、めちゃくちゃよくわかるのです。
で、ふと思ったのですが、この自意識過剰。承認欲求と表裏一体なのでは? 過剰な自意識に釣りあう承認を求めてしまう気持ち!? だとすれば、良倉のこのアンビバレントな感情、なかなかに根が深いかもしれません。
- 『まんがタイム』第44巻第7号(2024年7月号)
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