『まんがタイムきらら』2024年7月号、昨日の続きです。
『異世界魔王ごっこ』
ジェロ、ちゃんと魔王軍のこと考えてたんだ! 乃々がまるで姫軍に戦いをしかけない。なぜかという理由に気がついてしまったジェロ。自分が楽したい、ぐーたらしたいから、その状況を看過するのかと思いきやさにあらず、乃々がシエル姫に幻滅し、戦いをしかけるようにと、いろいろ画策したりするんですね。正直、ジェロが思ったよりも勤勉で驚きました。いや、ほんと、ジェロさん、誤解していてすみません。
しかしジェロがどれだけ策を弄しようとも、姫の振る舞いに影響を与え、尊大な態度をとらせようとしても、民衆の支持が揺るがないどころか、乃々の気持ちも微動だにしない。これが姫のカリスマ!? いや、乃々に関しては推しを全肯定するタイプだからとの分析が出てますけど、ほんとなにがあろうとついていくってな勢いですよね。
ですが、姫の側にいたエルフ。姫の側近と思いきや、意外や乃々の恋敵!? こうとなればはたして乃々はどう出るか。ちょっとした波乱? それともこれも肯定しちゃう? ちょっとした試練となるかもしれない展開ですよ。
『こもれびシュトラーセ』
ヘビに噛まれてしまった商人の娘、モニカ。我らが主人公ニコルに発見されて一命をとりとめる!? と思いきや、その役割はあくまでも修道院なんですね。この時代の修道院は地域の研究機関としての機能も持ちあわせていて、知を集積し、新たな試みを実践する、そういう役割りを担っていた。ということが描かれた今回。第1話でシュネーバルを販売していた修道院の皆が今回も登場して、毒に苦しむモニカを助けようというのですね。
といいたいが、ヒルデの大失敗でちょっと遠回りしちゃうんですけどね!
でもこの遠回りによって、この時代の修道院、知を集積するという機関としての側面が描かれる。収集される図書。写本室に薬草園。商人の娘、モニカにしても、宿帳に使われていた再利用品の羊皮紙で知った本の魅力に導かれ、書籍商の夢を抱くにいたった。
そんなモニカが治療のお礼に申し出るでかい仕事とは!? ほんと、時代の匂い、雰囲気を感じさせてくれるこの漫画。ちょっとドキドキさせられますよね。ええ、この時代において本とは、我々が思うよりももっと特別で価値あるものだったんですよね。モニカの申し出も本にまつわるものなのか。書籍商ということは、活版印刷発明以後? ニコルたちの暮らすドイツについて、知りたいことがいっぱいです。
『妄想アカデミズム』
ゆうの人生、ここにきてその向かう先が決まったというのでしょうか。未春に感化されたか、憧れる一葉にほだされたか、東大受験が脳裏によぎるゆうであります。
そんなゆうをデートに誘う一葉。その行き先は東大!? と思わせて、違いました、東京ムードシティ。30分でTMCAのCMで有名な、東京ムードシティに連れてこられたというのですね。
いくつものアトラクションを楽しみ、そして夜には観覧車。ゴンドラから見下ろす東京の情景、そこには東大の姿もあって、あの東大もこんなにもちっぽけという一葉の言葉に、東大を諦めろいうメッセージを読み取ったゆう。しかし一葉の本心はまったくの逆という、ここからの流れ。かつての約束を盾に、ゆうに東大を受験するよう迫るのですね。
ああ、ここにきてゆうの進路が決まってしまいましたね。ここからどんながんばりを見せることになるのかどうなのか。わからないけれど、未春といい、ゆうといい、ふわふわした夢がこれと進路を定めることでかちりとかたまる。そうした様、ぐっとくるものありますね。
- 『まんがタイムきらら』第22巻第7号(2024年7月号)
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