『まんがタイムきらら』2024年7月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。いつにない雰囲気、といってよいものでしょうか。ふたり揃いの白ワンピースを着た海果とユウ。花咲く野に横たわり寄り添うふたりのかもしだす空気たるや、過去ここまでのものはなかったのでは!? そう思わざるをえないほどに親密濃密静謐で、見つめあう瞳と瞳。近づきつつあるふたりのその顔は、今まさにこれからオデコパシーをせんとしているところでしょうか!? 穏やかさ見せる海果に、不安? ドキドキを隠したかのようなユウの表情。これが恋に似たもの感じさせて、鮮烈でした。
今月は新規ゲストが3本です。
『スミレとリリィ』
とてもよいのではないでしょうか。幼なじみにして友達同士のスミレとリリィ。スミレは、リリィが困ったときにはいつだって助けてくれる、そんな素敵なお友達。王子様みたいと思ってきたけれど、このところはそれだけではすまないほどに気持ちが強くなっていて、まさしく特別。
リリィはスミレに恋をしているのですね。
そんなリリィのがんばりです。幼なじみの壁を乗り越え、名実ともに特別な関係になろうと思うリリィ。学院に流布される密かなゲーム、勝者は敗者に告白し、つきあうことができるようになるという。って、こんなのゲームを持ち掛けた時点で告白してるも同じじゃん!
ともあれ、ドミノ倒しで、プッキーゲームで勝負を挑むリリィです。しかし2度ともノーゲームとあいなって、かくして告白は棚上げに。でもスミレ、リリィの真意に気づかぬはずもない。こうして受けてくれているっていうことは、リリィの夢、決して芽がないわけでもないのでは!? と思えばまさにそのとおりで、なんだよふたり両思いなんじゃんよ!
と、そうした状況知らされながらも、なかなか進まぬふたりの恋愛状況に、やきもきさせられながらも見守る、そうした様相。これは悪くないと思いました。
悪くないといえば、このまま学校に伝わるゲームで進めていってもいいし、ゲームを離れた違うアプローチで見せていってもいいし、この展開の幅を自在に決めていけるところも、またよいところだと思いました。
『カザリドリップ』
高校生にして、コーヒーに一家言持つかざり。喫茶店を開店することになるのですが、かざりには克服すべき弱点がある。開店までに、その克服はなったのか!? というと、なってませんでした。というので、おじいちゃん、気をまわしてくれて、バイトの子を見つけてくれていたというのですね。
第1話はその子との面接情景が描かれて、緊張するバイト志望の桜舞かさねにコーヒーいれて気持ちを落ち着かせるかざりの様子。落ち着きがあって、かさねと同い年に見えない! のだけど、これだけ見事なコーヒーをいれるかざりが、料理についてはさっぱり。ひとりではこのお店を切り盛りするのは無理そうとなるところ、そしてその足りないところをかさねが補えるというところ。
これ、おじいちゃんの見立ての確かさもあるのでしょうね。かざりとかさねのこれからはじまる、喫茶店の日常。どんなものになるのか楽しみですね。
『ふるえるアイドル』
すごいな赤坂サチカ。緊張しがちな性格なのはわかったけど、それにしても説得力ありすぎだ、この描写! 新入学、クラスでの自己紹介、ひとりめでここまでの修羅場になる! 先生にとっても想定外だったでしょう。名前どころか実家の住所、さらには好きなお弁当のおかずを99位から順次発表!
緊張のあまり思わぬことを口走るということはあるにせよ、ここまで次から次に個人情報含めてずらずら出てくるというのは、とにかくものすごいのひとことでした。
赤坂サチカ。この学校を選んだ理由があったのですね。この学校のミュージカル部の顧問が、かつてサチカ憧れの女優を指導した人! 志望校決定にあたっては申し分ない理由なのですが、まさかその顧問の先生が退職、部も廃部になっちゃったとは!
どんだけ不運なのかサチカ。でも、つまり、廃部ということはふたたびミュージカル部を立ち上げるということか? サチカに声をかけた菊咲カリン、この子と一緒に部の復活に奔走する!?
と思ったら、なんかどうも違うっぽいぞ? なにしろ学外に連れ出されて、見知らぬ事務所とやらで説明を受けることに。
事務所のプロデューサーさんがいうように、カリン、さすがに説明不足でしたね。この事務所、弱小ながらアイドルをプロデュースしているのだそうです。一人卒業したところで、空席がある。そこにサチカをというのだけど、プロデューサーも認めるカリンの見る目。はたしてサチカはどう伸びるのか、化けるのか。楽しみなんてもんじゃないですね、これは!
- 『まんがタイムきらら』第22巻第7号(2024年7月号)
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