『まんがタイムきららMAX』2021年7月号、昨日の続きです。
『こみっくがーるず』
創作者にもいろんなタイプがあると思うのですが、自分のしあわせをおすそわけするように作品にのっけていくタイプがあれば、まったく逆に自分の鬱屈から絞り出すようにして作っていくタイプも。琉姫は完璧に後者ですよね。ふたりで話しあって部屋をわけることに決めた琉姫と翼。翼はわりとすぐにひとり部屋に適応したんだけど、琉姫は全然慣れなくて、寂しい、悲しい、その末があの鬼気迫る濃密仕事モード!
めちゃくちゃ面白かった。ここにいたるまで、寮生友人を散々振り回した琉姫だけど、実際寂しさには耐えられない子なんだろうとは思うんだけど、それでも仕事に打ち込んでる時のセリフですよ。「私やっぱり孤独だと筆がノるみたい」。あ、やっぱりっていってる。薄々というか、実はちゃんとわかってたな。いやもう本当に面白くって、仕事から離れたプライベートの女の子琉姫と、仕事に全力の漫画家琉姫のこのギャップ! 素晴しかった。
でも、本人はイヤだっていってますけど、仕事に一心不乱な琉姫、かっこよかったですよ。
『瑠東さんには敵いません!』
今回は千紘の友人、小守文美にスポットが当たりますよ。本当にいい子。自分の当番でもないのに、担当の子がサボるっていってたの聞いて、図書委員の仕事を自ら買って出るという。でも千紘よ、そりゃあ泣くほどなのかい?
図書室にいったら瑠東とばったり。文美がめちゃくちゃテンションあがるのおかしいですよね。なるほど、そんなに好きなのか。でもって千紘と文美の瑠東さん談義。それぞれの抱いている瑠東像が全然違うんな! いやまあ、瑠東は千紘にしか見せてない顔があるものなあ。あくまでも果てしなく美しい文美の瑠東像に対して、やたらおちゃめな千紘のそれ。どっちがいいかは人それぞれだけど、千紘よ、あんたは本当に特別な子なんだね!
今回、瑠東と一緒に仕事のできた文美。ものすごく喜んでいますけど、これは文美にとってのご褒美だったのかな。いつかもっと近しくなって、親しくなれたらいいですね。でもそうしたら文美の瑠東像が壊れちゃう!? これ、どっちがいいんだろう!?
『妖こそ怪異戸籍課へ』
饗子さん、いいところ持っていくなあ!
機械いじりの才能を生かしてオートショップをやっているシュタイン博士ですけど、どうにも評判がよろしくない。サービス精神旺盛で、客が求める以上の過剰能力を付加しちゃうせいで、クレームに。客離れが進んじゃってるっていうんですね。
この状況を打破すべく風船くばって店の宣伝するというんですけど、こうやって頑張っても、自転車でちりんちりんって商店街を流しながら愛想ふりまく饗子には勝てないのか。おお、おお、ぬらりひょん、最強ではないのか。ぬらりと警戒心を解いて人の懐に滑り込んでいく、そんな饗子の宣伝活動。おお、おお、これ、夏生プロデュースであったのか。
今回は、加減を知らない危ない博士と、そこに犯罪の臭いをかぎつけた夏生。うん、こればっかりは睦子も擁護不能か! そこからの展開、夏生の隠されたスキルがオープンにされたり、そして子供の危機に思わず飛び出していく心優しい人たちの姿。いろいろ悪そうなこといっちゃうシュタイン博士もいいやつなんだよっての、ほんとよくわかる話で、でもやっぱり頼りになるのはフランケンか! ってのもまたよくわかって、ええ、これ、フランケンがいなかったら本当に危なかったです。
事故を防げたこと、夏生が本当に感謝していることがわかるの、バルーンアートでの協力だけでなく、饗子にも宣伝を頼んでっていうところに、ちょっと素直じゃなくて、けれど性根の真っ直ぐな夏生の人となりがよく感じられてとてもよかったと思ったのでした。
でも、饗子はこの宣伝でなにかしら提供を受けたりしたんでしょうか。なんか、それなりにご馳走になってそうな感じしますよね。
- 『まんがタイムきららMAX』第18巻第7号(2021年7月号)
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